卵巣がん
「卵巣がん」とは、卵巣に発生する悪性腫瘍で、遺伝や妊娠・出産回数が少ないことなどが原因で発症します。症状には下腹部のしこりや腹部膨満感・食欲不振などが挙げられますが、自覚症状が出た頃には進行していることが多くサイレントキラーとも呼ばれています。主な診療科は、婦人科になります。
成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
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卵巣に発生した悪性腫瘍です。
子宮内膜症が卵巣がんの原因となる場合があります。また、卵巣がんの中には遺伝性のものがあります。
癌(がん)の広がりによって4つのステージに分けられます。早期がⅠ期、最も進行しているものがⅣ期です。
妊娠・出産歴がない、40代以上である、子宮内膜症がある、家族に乳がんや卵巣がんの人がいるといった方はリスクが高いとされています。
卵巣がんの進行スピードは、がんの種類や発見時の病期などによっても異なります。
卵巣がんの種類や進行度によっても異なりますが、5年間生存できる確率はおおよそ60%程度とされています。
腹部の違和感といった症状がきっかけで診断に至ることもあれば、婦人科検診で偶然みつかることもあります。
一般的は早期がんの場合には再発しづらいといえるでしょう。
個人差が大きいため一概に言えませんが、腹水が多い場合には治療が難しくなる可能性があります。
緩和ケアは終末期だけでなく、早い段階から行われるべきです。具体的な余命に関してはお答えできません。
50代から60代にかけてが罹患率のピークとなっています。
可能性はありますが、確率は低いと言えるでしょう。
卵巣がんの病期(ステージ)分類は「手術進行期分類」と呼ばれ、Ⅰ~Ⅳ期に分かれています。
可能性がないわけではありませんが、一般的に予後は非常に厳しいと言われています。
個人の状態や、がんの種類や進行度によって異なります。
腹膜、大腸、小腸、リンパ節、肺、骨、脳などがあります。詳細は解説をご覧ください。
腹膜播種の現れるⅢ期の5年生存率は、46.2%という統計データがあります。
痛む場合がほとんどです。
一概には言えません。種類や組織型によって異なりますが、急に大きくなるものもあります。
主治医をはじめとした医療スタッフや家族と話し合い、今後の希望を伝えましょう。
はい、再発しやすいと言われています。
組織型によって大まかに3つの種類に分けられ、さらに細かく分類されます。
卵巣がんは完治することもありますが、患者さんの状態やがんの進行具合によっても異なります。
一般的に、卵巣がんの原因として性行為は挙げられていません。
卵巣がんが大きくなると下腹部にしこりを感じる場合もあります。
超音波やMRIなどの画像検査で予測して、最終的には顕微鏡を用いた病理検査で悪性・境界悪性・良性の診断を行います。
恥骨の痛みは卵巣がんの一般的な症状ではありませんが、必要に応じて医療機関の受診を検討してください。
チョコレート嚢胞を放置することで、将来的に卵巣がんになる可能性があります。
一般的に卵巣がんは閉経後の女性に多いですが、若い方でも起こる可能性はあります。
一般的に卵巣がんでは月経は順調なことが多いですが、進行につれて月経異常が起こることもあります
卵巣がんでは下腹部の腫れから太ったと感じることがありますが、体重は減少することが一般的です。
卵巣がんの進行につれて下腹部痛が現れることがあるため可能性は否定できませんが、他の病気も考えられます
子宮全摘出時に卵巣を残した場合に、卵巣がんになる可能性はあります。
水分を含む卵巣がんの可能性もありますが、卵胞など病気ではないこともあります。
症状について
腹部膨満感(お腹の張り)、下腹部にしこりが触れる、食欲不振、頻尿、便秘などの症状が見られます。
卵巣がんは症状が出にくいため、発症初期には自覚症状が現れず気がつきにくいことが多い病気です。
初期の卵巣がんではほとんど痛みなどは起こりませんが、進行するとお腹や腰、骨盤などに痛みが出てきます。
お腹が張る、息切れがするなどの症状が現れます。
主に炎症による血管透過性の亢進や腫瘍によるリンパ管の閉塞が関与していると考えられます。卵巣がんのさまざまなステージで腹水がたまることがあります。
卵巣がんの特徴的な所見・症状ではありませんが、おりものの性状が変化することもあります。
腹周りが太くなって、洋服のウエストがきつくなったりすることがあります。
卵巣がんのために不正出血がみられることがあります。
受診について
診断について
検査について
治療について
手術療法と薬物療法を組み合わせて治療を行うことが一般的です。
初期腫瘍減量手術、進行期決定手術、試験開腹術、中間腫瘍減量手術、妊孕性温存手術などがあります。
抗がん剤を用いた卵巣がんの治療には、術後薬物療法、術前薬物療法があります。
手術の方法と患者さんの状態によって変わるため、一概に言えません。
TC療法は卵巣がんの標準的な抗がん剤療法で、パクリタキセルとカルボプラチンを組み合わせます。
卵巣がんに対する腹腔鏡下手術が、今後、先進医療として開始される予定です。
患者さんによっては効果が期待できますが、卵巣がんの治療は手術や薬物治療を中心に行い、放射線治療の用途は限定的となります。
薬について
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