卵巣癌
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更新日:9/12/2023
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卵巣癌について「ユビー」でわかること
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卵巣癌のQ&A
- A.
卵巣に発生した悪性腫瘍です。
解説子宮の両側にある卵巣という組織に生じた悪性腫瘍のことを「卵巣がん」と言います。
一般的には中高年の女性に好発しますが、10代・20代の女性に好発する卵巣がんもあります。年間8,000人以上が卵巣がんになり、4,500人ほどの方が卵巣がんで亡くなるとされています。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣腫瘍”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12,(参照 2023-03-21).
- A.
子宮内膜症が卵巣がんの原因となる場合があります。また、卵巣がんの中には遺伝性のものがあります。
解説卵巣がんの主な要因としては、下記のものが挙げられます。
遺伝的要因
卵巣がんの5~10%程度は遺伝性の卵巣がんと言われています。遺伝的に乳がんと卵巣がんになりやすくなる病気もあり、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」と言います。
子宮内膜症
子宮内膜症とは子宮内膜の組織が子宮内膜以外の卵巣や腹膜などに発生、発育する病気です。卵巣に生じた子宮内膜症病変(チョコレート嚢胞)は主に40歳代以降に卵巣がんが発生する原因になりうることが知られています。
上記以外のリスク因子としては、以下が知られています。- 出産回数が少ないこと
- 肥満
- 食生活
- 排卵誘発剤の使用
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 骨盤内炎症性疾患
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣腫瘍”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12,(参照 2023-03-21).
- A.
癌(がん)の広がりによって4つのステージに分けられます。早期がⅠ期、最も進行しているものがⅣ期です。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る病期(ステージ)とは、がんなどの進行具合や広がりを示す分類のことです。病期を特定することで、治療方法の選択や、病気が治るかどうかの見通しなどについての評価が行えるようになります。どの病期に分類されるかは、腫瘍の大きさ、リンパ節への広がり、遠隔転移(がん細胞が最初に発生した場所と別の臓器や器官に移動して増えること)の有無などに基づいて決定されます。
卵巣がんの病期はⅠ期からⅣ期まであり、手術の結果を元に以下のように分けられています。Ⅰ期
がんが卵巣のみにとどまっている段階です。
Ⅱ期
がんが卵巣のみならず骨盤内(下腹部)にまで広がった段階です。
Ⅲ期
がんが骨盤の外(上腹部)にまで広がり、腹膜(お腹の臓器を覆っている膜状の組織)や腹部の大きな血管の周囲のリンパ節へと転移している段階です。
Ⅳ期
がんが肝臓などにまで遠隔転移した段階です。
なお、病期の分け方は、病気ごとに詳しく細かく決められています。上記の分類が他の病気にも当てはまるわけではないため注意が必要です。 - A.
妊娠・出産歴がない、40代以上である、子宮内膜症がある、家族に乳がんや卵巣がんの人がいるといった方はリスクが高いとされています。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣がんのリスクになるとされている要素としては、以下のようなものが挙げられます。
妊娠・出産歴がないこと
妊娠・出産したことがある方のほうが卵巣がんのリスクが低いとされています。これは、妊娠中や授乳期間中には排卵が起こらないことと関連していると考えられています。同様の理由から、経口避妊薬(いわゆるピル)の内服は、排卵を抑制するため卵巣がんの予防に効果的とされています。
加齢
卵巣がんになる方の大半は40歳以降であるとの報告があります。特に閉経後の方は卵巣がんになりやすいとされています。
子宮内膜症
子宮内膜症は卵巣がんへと進行することがあり、そのリスクは年齢とともに高まるため、注意を要します。
遺伝的要因
家族に乳がんや卵巣がんになったことのある人がいる方は、遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすい可能性があります。また、大腸がんになったことのある方も、子宮体がんや卵巣がんになりやすい体質である可能性が高いです。
- A.
卵巣がんの進行スピードは、がんの種類や発見時の病期などによっても異なります。
解説卵巣がんの進行スピードは、卵巣がんの種類や発見時の病期(がんの進行具合や広がりを示す分類)、抗がん剤への反応、手術の内容などによって大きく異なります。ゆっくりと進行することもあれば、急激に悪化することもあります。
5年生存率について
がんの進行度や治るかどうかの見通しを理解するための物差しとして使用される指標に「5年生存率」というものがあります。これは、ある病気の人がその病気の診断を受けてから5年後に生存している確率を示す指標です。
卵巣がんの病期ごとの5年生存率は以下の通りです。- Ⅰ期:90%程度
- Ⅱ期:70%程度
- Ⅲ期:45%程度
- Ⅳ期:30%程度
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る公益社団法人日本産婦人科腫瘍学会卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版. 金原出版2020.
Shuna Lui et al. Research Progress in Prognostic Factors and Biomarkers of Ovarian Cancer. J Cancer. 2021, 12, p.3976-3996. - A.
腹水や腹部膨満感(お腹の張り)、下腹部にしこりが触れる、食欲不振、頻尿、便秘などの症状が見られます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣がんでは、卵巣が腫大し腹水が溜まることで、下記のような症状が見られることがあります。
- 腹部膨満感(お腹の張り)
- 下腹部の痛み
- 不正出血
- 食欲不振
- 頻尿
- 便秘
また、稀ではありますが、卵巣がんが破裂したりねじれたりすることで強い下腹部の痛みが出現したり、胸部にまで水が溜まることで息苦しさを感じることもあります。
- A.
卵巣がんは症状が出にくいため、発症初期には自覚症状が現れず気がつきにくいことが多い病気です。
解説卵巣がんは初期にはあまり症状が見られないことがほとんどです。
いつも着ていたスカートやズボンがきつく感じる場合には、卵巣がんによってウエストが大きくなっている可能性もあります。「太った」だけで片づけず、一度医療機関で相談することをおすすめします。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣腫瘍”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12,(参照 2023-03-21).
- A.
初期の卵巣がんではほとんど痛みなどは起こりませんが、進行するとお腹や腰、骨盤などに痛みが出てきます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るほとんどの場合、初期の卵巣がんでは自覚症状が起こりません。がんが進行してくるにつれて、下腹部や骨盤、腰や背中の辺りなどに痛みを感じるようになることがあります。
なお、卵巣がんの症状には個人差があり、痛み以外の症状がきっかけとなって受診する方もおられます。例えば、下腹部の張った感じ(膨満感)や、膀胱が圧迫されるような感覚があって尿意を感じやすいといったことから病院を受診し、それによって卵巣がんが発見される場合もあります。 - A.
お腹が張る、息切れがするなどの症状が現れます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣がんが進行すると、がん細胞がお腹の中に広がることなどが原因で、お腹の中の空間に水が溜まることがあり、これを「腹水」と言います。
腹水は卵巣がんの進行とともに見られることが多く、以下のような症状の原因となります。なお、腹水が溜まるスピードが速いと、治療が難しくなりやすいことも知られています。
- A.
卵巣がんは初期の自覚症状がほとんどなく、早期発見が難しいと言われています。
解説子宮体がんなどでは発症後早いうちから不正出血が見られる一方、卵巣がんでは初期には自覚症状がほとんど起こらないため、早期発見が難しいとされています。実際、卵巣がんは進行した状態で見つかるケースが40%以上に上るとの報告もあります。
早期発見のためにも、特に卵巣がんのリスクが高い方などは、定期的に婦人科検診を受けたり、腫瘍マーカー検査(血液や尿の成分を調べて、がんの有無を推定する検査)を実施したりすることをおすすめします。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る公益社団法人日本産婦人科腫瘍学会卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版. 金原出版2020.
American Cancer Society.“Ovarian Cancer Early Detection, Diagnosis, and Staging”.All About Cancer.https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8775.00.pdf,(参照 1899-12-30). - A.
エコーでは、癌(がん)の疑いがある卵巣の腫れを見つけることができます。
解説「ユビー病気のQ&A」を見る子宮や卵巣の病気を調べる際に行うエコー検査は、腟の中に細長い管状の機械を入れて中を観察する「経腟エコー」というものになります。経腟エコーは、卵巣がんをはじめとする卵巣の病気の有無を調べるのに有効です。
ただし、経腟エコーでできるのはあくまで疑わしい異常を見つけ出すことまでで、エコー検査の結果のみによって卵巣がんの診断を下すことは困難と言えます。経腟エコーで卵巣に異常を認めた場合には、診断の確定のためにさらなる検査を要することが一般的です(逆に異常を認めなかった場合には、卵巣の病気の可能性は低いと考えて差し支えありません)。 - A.
症状が現れた場合にはなるべく早く受診しましょう。
解説卵巣がんは年間4,000人以上の方が亡くなる深刻な病気です。定期的に経膣超音波を用いた婦人科検診を受け、早期に治療を開始することが重要です。
以下の症状がある場合には、卵巣がんの可能性も考えられますので、速やかに医療機関を受診しましょう。- 下腹部にしこりが触れる
- ウエストが大きくなった気がする
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣腫瘍”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12,(参照 2023-03-21).
- A.
婦人科を受診しましょう。
解説卵巣がんは婦人科で治療を行います。手術に加えて抗がん剤での治療を行うことが一般的な治療方法です。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る卵巣腫瘍”.日本産科婦人科学会.https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12,(参照 2023-03-21).
卵巣癌について、医師からのよくある質問
- 食後にお腹の張りや苦しさを感じますか?
- おしっこが出にくい、あるいは少ないですか?
- お腹の痛みがありますか?
- お腹にガスがたまったり、張った感じがしていますか?
- お腹にしこりを触れたり固く出っ張っている部分がありますか?
監修医師
診療科・専門領域
- 産婦人科