ADHDではどのような症状がありますか?
注意の持続ができない、課題や活動を順序立てて行えない、じっとしていられない、などの特徴があります。
ADHDの症状については、診断基準より、注意を持続できないことや、衝動性、多動性が特徴です。
例えば、以下のような行動が見られます。
- 不注意な間違いをする
- 話を聞いていないように見える
- 指示に従えない
- 課題や活動を順序立てて行うことが難しい
- 手足をそわそわと動かす
- じっとしていられない
また、年齢とともに、二次性の症状が出てくる場合があります。環境を整えることによって改善することがありますが、自己肯定感の低下などにより、社会に適応する力が悪化することもあります。
一方で、年齢を重ねるごとに多動性、衝動性は寛解(かんかい)しやすいものの、不注意の症状は持続しやすいことなどが指摘されています。
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最終更新日:
精神科・心療内科
日下 慶子 監修
ADHDの可能性が気になります。落ち着かない、ひとりごと、集中力欠如などの症状があります。検査を受けるべきでしょうか?
最近、自分の行動や感じ方について気になることが増えてきました。特に以下のような症状が気になります。 1. 落ち着かない:常にそわそわしていて、じっとしていられないことが多いです。例えば、ずっと歩き回ったり、手足をバタバタさせたりしています。 2. ひとりごとが多い:自分でも気づかないうちに、ひとりごとを言っていることがよくあります。 3. ルーティンがある:毎日の生活に決まったルーティンがあり、それを崩すと不安になります。 4. 集中力がない:何かに集中しようとしても、すぐに他のことに気を取られてしまいます。 5. ものを無くす:頻繁に物を無くしてしまい、どこに置いたか思い出せないことが多いです。 6. 1対1の会話でも他に気を取られる:誰かと話している時でも、他のことに気を取られると、その会話の内容を全く覚えていないことがあります。 7. 空気が分からない:周りの人の気持ちや雰囲気を読み取るのが苦手です。 8. あれこれ理解できない:複雑なことを理解するのが難しく、文の意味を把握するのにも時間がかかります。 これらの症状が、自分がADHDであることを示しているのかどうか、専門家の意見を聞きたいです。どうかアドバイスをお願いします。
20代 / 女性
ご相談いただきありがとうございます。
ADHD診断の際の一般的な注意点
お話を伺う限り、いくつかの症状がADHD(注意欠陥・多動性障害)に関連している可能性があります。ADHDは、注意力の欠如、多動性、衝動性などの症状が特徴です。ただし、これらの症状はADHD以外の様々な要因でも起こることがあります。例えば、ショックな出来事があったときは、誰でも落ち着かず、集中力を欠いた状態になります。そのため、ADHDの診断で最も重要なことは、幼い頃からずっとこれらの特徴が続いていることを確認することです。確認のためにご両親からお話を聞いたり、小学校や中学校の通知表などを持参してもらったりすることがあります。一般的にADHDの特徴が強い方は、通知表などに「忘れ物」「立ち歩き」などの記載がしばしばみられます。
症状とADHDの関連性
1. 集中力がない、ものを無くす:注意力の欠如、忘れ物はADHDの典型的な症状です。
2. 1対1の会話でも他に気を取られる:これは注意の持続が難しいことを示しており、一般的にADHDとの関連があります。
3. 空気が読めない、文の理解ができない:これらは必ずしもADHDとの関連は強くないため、ADHD以外の要因の可能性も考えられます。
ただし、上でも述べたように、これらの症状がすべてADHDに起因するとは限りません。例えば、ストレスや不安、うつ病などの他の精神的な問題が原因で同様の症状が現れることもあります。
受診すべき診療科とADHDの治療
ADHDかどうかの判断を行うためには、精神科・心療内科を受診することをおすすめします。精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。
もしADHDと診断された場合、心理療法に加え、ADHDの症状を和らげる薬による治療が用いられる場合があります。
まとめ
ADHDと関連する症状は確かにありますが、ADHDと診断するためには幼少期の症状についても確認する必要があります。受診する際は、そのような資料を持参するか、可能であれば親御さんと受診することをおすすめします。精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。お近くの精神科・心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
お大事にされてください。
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発達障害の疑いと強迫行動について教えてください。
息子についてです。少し気になる行動が見られます。やたらと消毒をしたがり、ファブリーズを過剰に使用したり、ウェットティッシュであちこちを拭いたりします。さらに、下着やお風呂のタオルを親が触ると、手を洗ったかどうかを気にし、洗っていない場合は未使用のものでも洗濯機に入れてしまいます。 一方で、持ち物に関しては無頓着なところがあり、かばんの中は整理されておらず、教科書が逆さまになっていたり、ノートに挟んだプリントがきちんと折りたたまれていなかったりしても気にしません。プリントを折りたたんだり、靴紐を結ぶのも苦手です。 対人関係は良好で、友人も多くいます。しかし、周囲への気配りが苦手で、損得勘定で物事を考える傾向があり、説明しても理解するまでに時間がかかることがあります。 父親が広汎性発達障害の診断を受けていることもあり、息子の行動にも発達上の特性があるのではないかと考えています。どのように対応すれば良いか、アドバイスをいただけると幸いです。
10代 / 男性
お子様のことでご心配のことと思います。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、一度専門医を受診して評価を受けるべき状態であると判断します。
不潔恐怖の可能性について
ご記載いただいた情報から、お子様の症状は不潔恐怖である可能性は確かにありえると考えます。
不潔恐怖は、汚れや細菌への過剰な恐怖や嫌悪感が特徴であり、強迫性障害という診断に含まれます。
不潔恐怖の特徴
- 必要以上に繰り返し手を洗う、過剰に消毒する
- 汚染への不安から特定の場所や物事を避ける
- 家族にも消毒を強要する(巻き込み)
広汎性発達障害との関連性
お父様が広汎性発達障害と診断されているとのことで、確かに遺伝的な影響は無視できないかもしれません。
広汎性発達障害は、コミュニケーションや社会性、行動などに困難が生じる発達障害群の総称であり、現在は自閉スペクトラム症(ASD)という診断名になっています。
自閉スペクトラム症(ASD)の特性として、こだわりが強い、感覚過敏がある、不器用さ、状況を理解するのに時間がかかる、などがあり、これらはお子様にみられる特徴と確かに重なります。
対応について
自閉スペクトラム症を持つ方は、感覚の過敏性やこだわりが強いため、強迫性障害のような症状を示すことがあります。
自己判断せず、専門医の診察を受けることをおすすめします。
ご年齢を考えると、児童精神科を標榜している医療機関を受診することを推奨します。
児童精神科は近年需要が大きく、予約がとれても1ヶ月以上先になることもあるため、受診を迷われている場合でも、まずはできる限り早く予約を取得することをおすすめします。
まとめ
お子様の症状は、強迫性障害と自閉スペクトラム症(ASD)の両方の可能性があります。専門医の診察を受け、適切な診断と対応が必要です。
お近くの精神科-心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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ADHDによる物忘れと不眠の対策について教えてください。
私はADHDという発達障害を抱えています。 まず、物忘れが非常にひどく、特に困っています。その時は「大事なことだ」と頭でわかっていても、後で必ずと言っていいほど忘れてしまうのです。メモを取っても、書いた内容自体を忘れてしまったり、見返しても言われたことを思い出せなかったりします。一方で、どうでもいいことや、たまたま興味を持ったもの、その時の感情などは、矛盾するようですが、比較的覚えています。 また、自分の性格にも問題があると感じています。頭では分かっていても、何度も同じ失敗を繰り返してしまい、その度に周囲の人を怒らせてしまいます。「言葉ではなく行動で示して欲しい」と、いつも言われます。言われている内容は、決して難しいことではありません。むしろ、誰でも当たり前にできるようなことばかりなのに、私はそれができない、あるいは「しない」という選択をしてしまうのです。行動を起こそうにも、結局は先延ばしにしてしまい、ダラダラと過ごしてしまいます。これが、今の私にとって最大の悩みです。 さらに、不眠にも悩まされています。「寝たくない時」に限って眠ってしまったり、逆に「寝たい時」にはなかなか寝付けなかったりと、矛盾だらけの毎日です。特に、日中に強い眠気に襲われることが多く、仕事にまで支障が出てしまっています。薬も服用していますが、効果はあまり実感できていません。薬を飲まなかったとしても、結局は帰宅後に強い疲労感に襲われ、決まって22時には眠くなります。24時までどうしても外せない用事があるのですが、集中力が続かず、いつも時間がかかってしまい、結局寝る時間が遅くなってしまいます。「寝不足が原因で日中に眠くなる」という自覚はありますが、早く寝て十分な睡眠時間を確保しても、状況は改善しませんでした。 また朝が弱く、寝坊や二度寝は日常茶飯事で、本当に辛いです。自分の性格と発達障害が、まるで邪魔をしているかのようです。治らないことは分かっていますし、対策法も頭では理解しています。しかし、ここ数年、具体的な行動に移すことができず、その度に気分が落ち込み、まるでうつ病のような状態に陥ってしまいます。 こんな私ですが、これまで支えてくれた人たちの気持ちや期待を無駄にしたくありません。だから、消えてしまいたいと思っても、踏みとどまることができています。これ以上、人に迷惑をかけたくありません。もう甘えるのはやめたいです。自分自身の根本的な部分から変わりたい。そして、ただただ「普通」になりたいと願っています。
10代 / 女性
ご相談いただきありがとうございます。お話を伺う限り、現在の状況は非常に辛いものだと感じます。
まず、あなたがADHDと診断されていること、そして物忘れや行動の困難さ、不眠などの問題に悩んでいることを理解しました。現在たくさんのお悩みがあり、それらを同時に抱えている状態なのですね。ADHDと診断されているのであれば、ご自身でおっしゃられている通り、これらの症状をすぐに変えることは難しいかもしれません。そして、つらい状況である中で、これだけいっぺんに問題を解決しようとすると、更に気持ちが辛くなってしまうと考えられます。まずは、できそうな1つ、2つの目標から順に取り組んでみることはいかがでしょうか。また、一人ではなかなか意思が続かないこともあると思います。その場合は、信頼できる人間(家族やパートナーなど)や専門家(主治医・カウンセラー)に手伝ってもらいながら、目標に取り組むことはいかがでしょうか。
文字でまとめること
今回の相談のように、文字で書き出してみることは、自分の考えをまとめるのに非常に有効です。人間の脳は同時にたくさんの事柄を考えることが難しいので、文字にして残しておくことで、考えが堂々巡りになることを防げます。また、過去の悩みを見返すことで、ご自身なりの対処法が見つかることもあります。日記などを日々つけることが、自分の精神状態のチェック(セルフモニタリング)に有効な場合があります。
睡眠について
不眠については、ADHDと関連していることがあります。ADHDの方は睡眠のリズムが乱れやすく、夜に眠れなかったり、日中に過度の眠気に襲われたりすることがあると言われています。ただし、正しい睡眠習慣を身につけることで改善が期待できる場合もあります。
以下のような行動に身に覚えはないでしょうか。
- 寝る前にスマートフォンを触っている
- 眠る時間ではないのに、ベッドに入って過ごしている
- 15時以降にコーヒー・紅茶・コーラなどカフェイン入りの飲料を飲んでいる
- 夜中に暑すぎて目が覚めたり、騒音が聞こえて目が覚める
これらに一つでも当てはまる場合は、睡眠衛生を今一度見直してみてもよいかもしれません。主治医に相談してもよいと思いますし、下記のような書籍でも学ぶことができます。自分でできる「不眠」克服ワークブック:短期睡眠行動療法自習帳という本も睡眠衛生を学ぶ上でおすすめです。
まとめ
ADHDの症状はすぐには改善が難しいかもしれませんが、小さな目標から順に取り組むことをお勧めします。また、自分が頑張るだけでなく、信頼できる人や専門家に支援を求めることも有効です。今回のご相談内容をもとに、是非主治医とも今一度相談してみてください。
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(参考文献)
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