ADHDの症状は?ADHD(注意欠如多動症)・多動性障害
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2026/10/28
- 公開日
- 2022/02/15
注意欠如多動症(ADHD)と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「注意欠如多動症(ADHD)」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「注意欠如多動症(ADHD)」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、消えたい、死にたい等という気持ち(7%)、気持ちの落ち込み(7%)、物忘れ(5%)などでした。
受診した診療科は、精神科(59%)、心療内科(31%)、児童精神科(4%)の順でした。
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注意欠如多動症(ADHD)
「ADHD」とは、該当する年齢層の発達水準と比べ、注意の持続ができない、行動が制御できないなどの特性があり、生活に支障をきたす状態です。幼少期には気付かれず、大人になり生活のしづらさやストレスから、ADHDに気付かれることもあります。精神科や心療内科で診断され、カウンセリングや行動・薬物療法が行われます。
注意欠如多動症(ADHD)
ADHDとは
「注意不足・多動・衝動的な行動」などが特徴である、発達障害のひとつです。日常生活や学習に、支障を来します。
多動症とはなんですか?
ADHDの特徴のひとつで、じっとしていることが苦手、待つことができないことの総称です。
多動症とはADHDの症状のひとつです。以下のような行動を指します。
多動症で見られる行動の例
- しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする、またはいすの上でもじもじする
- 席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる
- 不適切な状況でしばしば走り回ったり高いところへ登ったりする
- 静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない
- しばしば「じっとしていない」、または「エンジンで動かされているように」行動する
- しばしばしゃべりすぎる
- しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう
- しばしば自分の順番を待つことが困難である
- しばしば他人を妨害し、邪魔する
「ADHD」とはどのような病気ですか?
発達障害の一種で、該当する年齢層の発達水準と比較して、注意の持続ができない、落ち着きがないなどの特徴がみられます。
ADHDとは、注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)の略です。多動性、衝動性、不注意が主な症状です。
多動性
- 手足をそわそわ動かす
- 席についていられない
- 不適切な状況で走り回ったり高いところへ登ったりする
- 静かに遊ぶことができない
などの特徴がみられます。
衝動性
- しゃべりすぎる
- 質問が終わる前に答え始めてしまう
- 順番を待つことが難しい
- 他人の邪魔をする
などの特徴がみられます。
不注意
- 集中することができない
- 不注意な間違いをする
- 注意を持続することが困難である
- 話を聞いていないように見える
- 指示に従えない
- 義務をやり遂げることができない
- 課題を順序立てることが苦手
- 物を失くしやすい
- 忘れっぽい
などの特徴がみられます。
ADHDの症状
ADHDではどのような症状がありますか?
注意の持続ができない、課題や活動を順序立てて行えない、じっとしていられない、などの特徴があります。
ADHDの症状については、診断基準より、注意を持続できないことや、衝動性、多動性が特徴です。
例えば、以下のような行動が見られます。
- 不注意な間違いをする
- 話を聞いていないように見える
- 指示に従えない
- 課題や活動を順序立てて行うことが難しい
- 手足をそわそわと動かす
- じっとしていられない
また、年齢とともに、二次性の症状が出てくる場合があります。環境を整えることによって改善することがありますが、自己肯定感の低下などにより、社会に適応する力が悪化することもあります。
一方で、年齢を重ねるごとに多動性、衝動性は寛解(かんかい)しやすいものの、不注意の症状は持続しやすいことなどが指摘されています。
ADHDの原因
ADHDの原因は何がありますか?
はっきりとした原因は不明です。脳の神経伝達物質や遺伝・環境など複数の因子が関連すると考えられています。
ADHDの原因として、遺伝学研究をはじめ、神経機能画像検査、認知機能検査などの発展から、生物学的基盤を示唆する結果が報告されています。つまり、注意や抑制、意思決定、作業記憶、覚醒度をつかさどる複数の脳の領域や、ドパミンなどの神経伝達物質が症状の出現に関与しているとされています。
原因は十分には解明されていませんが、遺伝要因の関与が大きいという説もあります。また、胎内で毒物・薬物にさらされること、未熟児として生まれることなどが関与しているという可能性もあります。
ADHDの検査・診断
ADHDのセルフチェックはできますか?
症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。なお、あくまでADHDを疑う参考までにとどめてください。
ADHDのセルフチェックリストがインターネット上に載っていることがありますが、あくまでADHDを疑う参考程度にとどめてください。
物質・医薬品、一般身体疾患(身体に現れる症状を持つ病気)によるもの、気分障害など、ADHDと似たような症状が見られるほかの病気もあります。このため、ADHDについてセルフチェックに頼るのは危険です。
セルフチェックや周囲の大人によるチェックでADHDが疑われた場合は、確定診断や治療を受けるため、ぜひ医療機関へご相談ください。
大人のADHDの診断方法にはどのようなものがありますか?
他の精神疾患による症状ではないことを確認するため、必要に応じて血液検査、尿検査、心理検査などを行います。
大人のADHDの診断方法は、子どもの診断方法と類似しています。ただ、発達歴や子ども時代の様子に関する情報が少ない場合もあります。
精神病性障害、気分障害、不安症、解離性、パーソナリティー障害、物質中毒または離脱などの、他の精神疾患による症状ではないことを確認する必要があります。このため、血液検査や尿検査などを含め、医療機関での診察が必要です。必要に応じて、心理検査が実施されます。
また、ADHDかどうかだけでなく、不安症、気分障害、物質使用障害と見分けることや併存していないかを確認することも大切です。
ADHD診断テストはどのようなものですか?
自身の行動や思考の特性について設問に当てはまる数の多さで、ADHDの可能性があるかチェックすることができます。
ADHDの診断に使われる質問紙として、不注意性や多動・衝動性、反抗挑戦性を評価するSNAP-IV (Swan, Nolan,and Pelham rating scale-IV)や、ADHD-RS(ADHD rating scale)があります。
また、診断テストだけではなく、精神医学的現病歴と既往歴の総合的な評価が重要です。
病気を見分けるための診断が必要な場合や、病気の併存が疑われる場合は、他の評価基準も組み合わせた心理検査が行われることが多いでしょう。
ADHDの治療・対処法
注意欠如多動症(ADHD)への対処法は?
まずは医療機関を受診します。問診票や、他の病気の有無を調べることで診断を行います。環境の改善や行動のコントロールのほか、薬による治療法があります。
ADHDの場合、主にどのような治療をしますか?
根治は難しいため、生活を送りやすくする工夫を身につける訓練や、薬物療法を行います。
ADHDの主な治療としては、以下が挙げられます。
環境調整
症状のきっかけとなるような刺激が減るよう、学校や家庭などの環境側を調整します。
ペアレント・トレーニング
患者さんの保護者としての関わり方を工夫するよう、ご両親のトレーニングを行います。
ソーシャルスキル・トレーニング
患者さん自身が社会に適応するための方法を学びます。
薬物療法
メチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)、リスデキサンフェタミン(ビバンセ)といったお薬が用いられます。集中力を高め、衝動的な行動を抑制する効果があります。
受診の目安・何科を受診するべきか
ADHDが疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
ADHDが疑われる場合、児童精神科、精神科、心療内科を受診してください。
ADHDが疑われる場合、15歳未満の小児であれば児童精神科を、15歳以上であれば精神科を受診しましょう。
児童精神科の予約がなかなか取れない場合は、かかりつけの小児科で相談するのもよいでしょう。
最近では、大人の発達障害の専門外来も増えています。
薬物療法を行う場合、登録された医師しか処方できない薬がありますので、ホームページなどで発達障害の診療を行っていることが確認できる医療機関のほうがよいでしょう。
注意欠如多動症(ADHD)の専門医がいる近くの病院はありますか?
注意欠如多動症(ADHD)の専門医がいる病院を見るADHDの薬
ADHDの治療薬はありますか?
はい。脳内の神経物質の分泌や作用に影響するお薬があります。こうした薬物療法と並行して、行動療法を行います。
はい。ADHDの治療薬はあります。
メチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)、リスデキサンフェタミン(ビバンセ)といったお薬が用いられます。集中力を高め、衝動的な行動を抑制する効果があります。
なお、お薬ごとに使えないケースがさまざまに規定されています。例えば、心疾患のリスクやチック症の合併がある場合、妊娠の可能性がある場合、特定の薬剤を使用している場合など、さまざまです。医師や薬剤師と、十分にご相談ください。
参考文献
井上令一ほか. カプラン臨床精神医学テキスト 第3版- DSM-5診断基準の臨床への展開 -. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016
ヤンセンファーマ株式会社.“コンサータ錠18mg/27mg/36mg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179009G1022118/,(参照 2024-03-15).
日本イーライリリー株式会社.“ストラテラカプセル5mg/10mg/25mg/40mg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179050M1023120/,(参照 2024-03-15).
武田薬品工業株式会社.“インチュニブ錠1mg/3mg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179057G1021201/,(参照 2024-03-15).
武田薬品工業株式会社.“ビバンセカプセル20mg/30mg”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179059M1024_2_01/,(参照 2024-03-15).
ADHDに関連するその他の質問
ADHDの人に特徴はありますか?
はい。大きく、不注意、多動性、衝動性の3つがあります。
ADHDの主な症状は、不注意、多動性、衝動性です。「話を聞いていない」「集中力がない」「そわそわしている」と見られることがあります。
また、衝動性から友人と喧嘩になりやすかったり、癇癪(かんしゃく)を起こしたりすることがあります。
主な症状が不注意の場合は、多動は目立たないものの、忘れ物が多いなどで気付かれることがあります。
不注意や衝動性から、交通事故などで怪我をする割合が高いという説もあります。
ADHDは遺伝疾患ですか?
遺伝する可能性はあると言われています。親がADHDである場合、子に遺伝する可能性は約70%程度です。
ADHDは遺伝疾患とまでは言えませんが、遺伝要因の関与は大きいとされています。遺伝率が約75%というデータもあります。
双生児研究や養子研究、ドパミントランスポーター遺伝子の研究、神経画像研究、神経伝達物質の研究から、ADHDの症状は神経のシステムの複雑な相互作用によるものであることが明らかになっています。
一方で、遺伝要因以外の原因も指摘されていますので、すべてが遺伝で説明できるものではありません。
ADHDは見た目で判断できますか?
いいえ。見た目や顔貌(かおかたち)では判断はできません。行動や思考で当てはまるときは、医師の診察を受けてください。
ADHDを見た目だけで判断することはできません。ただし、落ち着きがなくそわそわしている、身体のどこかが常に動いているなどの特徴が出る場合もあります。
多動性および衝動性が顕著な場合には、以下のような行動が見られることもあります。
- じっと座っていられない
- 走り回る
- しゃべりすぎる
- 質問が終わる前に答え始めてしまう
- 列に並んで順番を待つことができない
など
見た目だけで診断がつくものではありませんので、医療機関で診察を受けてください。
ADHDについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「注意欠如多動症(ADHD)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 急に、落ち着きが無くなったりすることがありましたか?
- 最近、普段とは違うおかしな行動をしていましたか?または、周りの人におかしな行動をしていたと指摘されましたか?
- 心理的ストレスを感じている様子(学校へ行くのを明らかに嫌がるなど)ですか?
- 普段は気にならない些細な事に敏感な状態ですか?
- 不安や緊張でおだやかでいられないと感じますか?
ADHDに関連する病気・症状
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この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2026/10/28
- 公開日
- 2022/02/15