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ADHDのセルフチェックはできますか?
精神科・心療内科
日下 慶子 監修
症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。なお、あくまでADHDを疑う参考までにとどめてください。
ADHDのセルフチェックリストがインターネット上に載っていることがありますが、あくまでADHDを疑う参考程度にとどめてください。
物質・医薬品、一般身体疾患(身体に現れる症状を持つ病気)によるもの、気分障害など、ADHDと似たような症状が見られるほかの病気もあります。このため、ADHDについてセルフチェックに頼るのは危険です。
セルフチェックや周囲の大人によるチェックでADHDが疑われた場合は、確定診断や治療を受けるため、ぜひ医療機関へご相談ください。
ADHDの可能性が気になります。落ち着かない、ひとりごと、集中力欠如などの症状があります。検査を受けるべきでしょうか?
最近、自分の行動や感じ方について気になることが増えてきました。特に以下のような症状が気になります。 1. 落ち着かない:常にそわそわしていて、じっとしていられないことが多いです。例えば、ずっと歩き回ったり、手足をバタバタさせたりしています。 2. ひとりごとが多い:自分でも気づかないうちに、ひとりごとを言っていることがよくあります。 3. ルーティンがある:毎日の生活に決まったルーティンがあり、それを崩すと不安になります。 4. 集中力がない:何かに集中しようとしても、すぐに他のことに気を取られてしまいます。 5. ものを無くす:頻繁に物を無くしてしまい、どこに置いたか思い出せないことが多いです。 6. 1対1の会話でも他に気を取られる:誰かと話している時でも、他のことに気を取られると、その会話の内容を全く覚えていないことがあります。 7. 空気が分からない:周りの人の気持ちや雰囲気を読み取るのが苦手です。 8. あれこれ理解できない:複雑なことを理解するのが難しく、文の意味を把握するのにも時間がかかります。 これらの症状が、自分がADHDであることを示しているのかどうか、専門家の意見を聞きたいです。どうかアドバイスをお願いします。
20代 / 女性
ご相談いただきありがとうございます。
ADHD診断の際の一般的な注意点
お話を伺う限り、いくつかの症状がADHD(注意欠陥・多動性障害)に関連している可能性があります。ADHDは、注意力の欠如、多動性、衝動性などの症状が特徴です。ただし、これらの症状はADHD以外の様々な要因でも起こることがあります。例えば、ショックな出来事があったときは、誰でも落ち着かず、集中力を欠いた状態になります。そのため、ADHDの診断で最も重要なことは、幼い頃からずっとこれらの特徴が続いていることを確認することです。確認のためにご両親からお話を聞いたり、小学校や中学校の通知表などを持参してもらったりすることがあります。一般的にADHDの特徴が強い方は、通知表などに「忘れ物」「立ち歩き」などの記載がしばしばみられます。
症状とADHDの関連性
1. 集中力がない、ものを無くす:注意力の欠如、忘れ物はADHDの典型的な症状です。
2. 1対1の会話でも他に気を取られる:これは注意の持続が難しいことを示しており、一般的にADHDとの関連があります。
3. 空気が読めない、文の理解ができない:これらは必ずしもADHDとの関連は強くないため、ADHD以外の要因の可能性も考えられます。
ただし、上でも述べたように、これらの症状がすべてADHDに起因するとは限りません。例えば、ストレスや不安、うつ病などの他の精神的な問題が原因で同様の症状が現れることもあります。
受診すべき診療科とADHDの治療
ADHDかどうかの判断を行うためには、精神科・心療内科を受診することをおすすめします。精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。
もしADHDと診断された場合、心理療法に加え、ADHDの症状を和らげる薬による治療が用いられる場合があります。
まとめ
ADHDと関連する症状は確かにありますが、ADHDと診断するためには幼少期の症状についても確認する必要があります。受診する際は、そのような資料を持参するか、可能であれば親御さんと受診することをおすすめします。精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。お近くの精神科・心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
お大事にされてください。
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発達障害の疑いと強迫行動について教えてください。
息子についてです。少し気になる行動が見られます。やたらと消毒をしたがり、ファブリーズを過剰に使用したり、ウェットティッシュであちこちを拭いたりします。さらに、下着やお風呂のタオルを親が触ると、手を洗ったかどうかを気にし、洗っていない場合は未使用のものでも洗濯機に入れてしまいます。 一方で、持ち物に関しては無頓着なところがあり、かばんの中は整理されておらず、教科書が逆さまになっていたり、ノートに挟んだプリントがきちんと折りたたまれていなかったりしても気にしません。プリントを折りたたんだり、靴紐を結ぶのも苦手です。 対人関係は良好で、友人も多くいます。しかし、周囲への気配りが苦手で、損得勘定で物事を考える傾向があり、説明しても理解するまでに時間がかかることがあります。 父親が広汎性発達障害の診断を受けていることもあり、息子の行動にも発達上の特性があるのではないかと考えています。どのように対応すれば良いか、アドバイスをいただけると幸いです。
10代 / 男性
お子様のことでご心配のことと思います。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、一度専門医を受診して評価を受けるべき状態であると判断します。
不潔恐怖の可能性について
ご記載いただいた情報から、お子様の症状は不潔恐怖である可能性は確かにありえると考えます。
不潔恐怖は、汚れや細菌への過剰な恐怖や嫌悪感が特徴であり、強迫性障害という診断に含まれます。
不潔恐怖の特徴
- 必要以上に繰り返し手を洗う、過剰に消毒する
- 汚染への不安から特定の場所や物事を避ける
- 家族にも消毒を強要する(巻き込み)
広汎性発達障害との関連性
お父様が広汎性発達障害と診断されているとのことで、確かに遺伝的な影響は無視できないかもしれません。
広汎性発達障害は、コミュニケーションや社会性、行動などに困難が生じる発達障害群の総称であり、現在は自閉スペクトラム症(ASD)という診断名になっています。
自閉スペクトラム症(ASD)の特性として、こだわりが強い、感覚過敏がある、不器用さ、状況を理解するのに時間がかかる、などがあり、これらはお子様にみられる特徴と確かに重なります。
対応について
自閉スペクトラム症を持つ方は、感覚の過敏性やこだわりが強いため、強迫性障害のような症状を示すことがあります。
自己判断せず、専門医の診察を受けることをおすすめします。
ご年齢を考えると、児童精神科を標榜している医療機関を受診することを推奨します。
児童精神科は近年需要が大きく、予約がとれても1ヶ月以上先になることもあるため、受診を迷われている場合でも、まずはできる限り早く予約を取得することをおすすめします。
まとめ
お子様の症状は、強迫性障害と自閉スペクトラム症(ASD)の両方の可能性があります。専門医の診察を受け、適切な診断と対応が必要です。
お近くの精神科-心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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(参考文献)
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