丸山ワクチンのデメリットについて教えてください

高用量投与で死亡率が上昇する可能性があり、安全性に懸念があります。

解説

丸山ワクチンは厚労省の承認を得られていない結核菌の一部から成る薬剤ですが、このワクチンに対して引き起こされる免疫反応が、がんに効くのではないかという発想から使用されてきました。

子宮頸がん患者さんを対象とした臨床試験において標準的な放射線療法とともに、丸山ワクチンを少量投与した群と多量投与した群の比較可能な論文があり、以下に概要を紹介します。

Gynecologic Oncology 101、 455 – 463、 2006
1995年から1999年にかけて実施され、ステージ3B期の221名の患者さんが対象。患者さんは以下2群に割り当てられ、標準的な放射線療法とともにZ-100(丸山ワクチンは論文では「Z-100」という名前で表現されています)を週2回皮下投与された。

低用量群、高用量群の5年生存率はそれぞれ58.2%、41.5%であり、低用量群の方が統計学的に良好な結果であった。

  • 低用量群(0.2μg、 109名)
  • 高用量群(40μg、 108名)

なお、国立がん研究センターのデータによると、2015年子宮頚がんステージ3の5年生存率は62.7%です。

これらのデータをふまえてまとめますと、上記の臨床試験では、低用量群で生存が優れているとされていますが、高用量群ではより死亡率が高まっているとも言えますので、安全性に懸念が生じます。

丸山ワクチンは、多くのがん患者さんに投与されていることから安全と考えられているようですが、上記データの高用量群では死亡率が高まっている可能性があり、安全性に懸念が残る点はデメリットと考えられます。

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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