子宮体癌
「子宮体癌」とは、子宮のうち「体部」と呼ばれる部位の癌(がん)で、月経時以外の出血(不正出血)が代表的な症状です。子宮体癌になった場合、子宮や卵巣を摘出する手術や、抗がん剤・放射線による治療が行われます。不正出血や褐色のおりものがある場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。
成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
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子宮体部と呼ばれる、妊娠時には赤ちゃんを養う部位に生じるがんを「子宮体癌」と呼びます。
不正出血が頻繁に見られる、閉経後も出血があるといった場合には注意が必要です。症状検索エンジン「ユビー」でもセルフチェックができます。
子宮体癌の種類(組織型)などによっても異なりますが、代表的な類内膜癌では比較的緩徐に進行することが多いです。
がんの種類によっても異なりますが、現時点では早期であれば、5年生存率が90%程度と考えられます。
子宮体癌を見つけたとき(診断時)の進行度によっては、治癒困難で手遅れとも言える状況になることはあります。
早い時期に見つかれば、多くの方で治ることが期待できます。
はい。子宮体癌そのものの影響や治療の影響により、痩せてしまうことは少なくありません。
子宮体がんのステージを以下に示します。イラストも参考にしてください。
子宮体癌の一部は遺伝する可能性もあります。
子宮体癌はステージ3の5年生存率は、60~70%程度とされています。
どこに転移したかによっても異なりますが、遠隔転移の場合には5年生存率は20~30%程度になります。
リンパ節転移がある場合には、ステージ3~4、5年生存率は20~70%程度となります。
子宮体癌は、特に50歳代の女性に多くみられます。
症状について
子宮体癌の発生には「エストロゲン」という女性ホルモンが関係しています。主な症状としては不正出血(特に閉経後)が挙げられます。
不正出血(月経ではないときに血が出ること)、おりものに血や膿が混ざるといった症状が挙げられます。
月経時以外の出血(不正出血)が特徴です。閉経後に出血が見られた場合には特に注意が必要です。
子宮体癌が進行すると、腰背部痛、全身の倦怠感、排尿障害、排尿痛などさまざまな症状が現れます。
出血量の多寡で判断することは一般的ではありません。月経時以外の不正出血があれば医療機関を受診するのが望ましいでしょう。
子宮体癌で痛みの症状があることは少なく、特徴的な痛みはありません。
初期症状として不正出血やおりものの増加がみられ、がんが進行すると全身の倦怠感や下腹部の痛みなどが現れます。
治療について
がんの進行状況によって、子宮と卵管・卵巣を摘出する手術を行ったり、抗がん剤や放射線を用いたりします。
子宮体癌のⅠ期であっても、原則、子宮の摘出を推奨します。
子宮体癌ステージ1に対する主な治療は外科治療となります。
手術後の補助療法あるいは、手術が難しい進行がんの治療として使われます。
子宮体癌の遺伝子治療は、原因と考えられるがん細胞の遺伝子異常などをターゲットにした治療法です。
手術前の全身状態などによっても異なりますが、1~2週間程度のことが多いでしょう。
子宮体癌の手術方法は、子宮摘出術が一般的でステージ1の子宮体癌であれば、5年生存率は90%以上です。
受診について
検査について
子宮の中に器具を入れて細胞を採取します。痛みの感じ方には個人差がありますが、分娩歴がない方のほうが痛みを感じやすい傾向があります。
子宮口から細い器具を挿入し、子宮内膜細胞診や組織診を行います。
無症状で特に疑わしい所見がない場合には、子宮体癌にひっかかる(陽性となる)可能性は極めて低いでしょう。
陰性、内膜異型細胞、子宮内膜増殖症、子宮内膜異型増殖症、悪性腫瘍の5分類で表記されることが多いです。
一般的には無症状の方に対する子宮体癌の定期的な検診については、何歳から何年ごととといった明確な推奨はありません。
子宮内腔の細胞や組織を採取するために多少の出血を伴うことが一般的です。
麻酔を希望する際には、痛みに弱いことなどを担当医と相談してみると良いでしょう。
子宮体癌の検査後に体調不良が起こる可能性はあります。
医療機関によっても異なりますが、子宮体癌の検査結果は通常1~2週間でわかります。
保険適用の有無、医療機関や検査内容によって異なります。
検査対象の部位と国の指針として定められている検診かどうかが異なります。
現時点で厳密には「子宮体がん検診を受けなくてはいけない場合」はなく、一律の実施は推奨されてません。
いいえ、現在、子宮体がんに国の指針として定められているがん検診はありません。
受けられますが、受診する医療機関の注意事項を確認しましょう。
基本的に避けるべきですが、担当医に相談しましょう。
自治体のホームページから、子宮体がん検診を行っている病院を確認してみましょう。
産婦人科または婦人科の専門医療機関を受診しましょう。
深呼吸を行い、足の力を抜くように心がけるといいでしょう。麻酔の使用の可否も確認しましょう。
感染症を防ぐため、出血が止まってからが望ましいでしょう。
数日でおさまると考えられます。
個人差がありますが、数時間から数日程度と考えられます。
個人差がありますので一概に言えません。
個人差がありますので一概に言えません。
医師に伝え、対応を相談しましょう。
叫んでしまうほどの激しい痛みはまれだと考えられます。
数時間から数日程度と考えられます。
検査時にリラックスして力を抜き、ゆっくり深呼吸しましょう。
個人差がありますので、あまり痛くないと感じる人もいるでしょう。
一般的に問題ないですが、受診予定の医療機関に事前相談しておくと安心です。
一般的に効果があるとされています。
物理的に刺激を受けたり、軽度の炎症反応が起こったりするためです。
子宮体がん検査自体が直接的な原因となって腰痛が生じるのは、一般的にまれです。
痛みの感じ方には個人差があるため、全員にとって「痛くない」と言い切れません。
まず、かかりつけの婦人科に確認しましょう。
主に病理検査のため子宮内膜の組織を採取する際、患者さんの痛みや不安が強い場合です。
検診を受診した医療機関に相談してください。
判断するためには様子を見て、出血が続くようであれば検診を受診した医療機関に相談してください。
個人差が大きいですが、少量の場合が多く、具体的にはにじむ程度や茶色いおりものが混ざる程度です。
個人差があるため、まったく出血しないこともありえます。
子宮体がん検査後の安静期間は、検査の種類によって異なります。
生理が早まる直接的な原因はありません。
主に検査時の子宮内膜への刺激や、まれに生じる感染症などが考えられます。
個人差がありますが、可能性はあります。
検査に伴う感染リスクを減らすためです。
非常にまれですが、完全に否定できません。
感染症を防ぐため、出血が止まってからが望ましいでしょう。
子宮体がん検診の費用は、保険適用の有無や医療機関や検査内容によって異なります。
不正出血など、症状がある場合は保険診療が適用されますが、検診の場合は基本的には適用されません。
生理が終わったあとが最も適していると考えられます。
がんの有無だけでなく種類や進行度など、治療方針の決定に必要な情報がわかります。
主に子宮内膜から細胞や組織を採取するためのもので、検査の種類によって異なります。
状況に合わせた最適な方法を、医師と相談しましょう。
子宮内膜から細胞を採取するために設計された、細長い医療器具です。
子宮内膜の細胞を採取し、がんの可能性がある細胞の有無を調べる検査です。
子宮内膜から組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。
はい、子宮体がん検査で細胞がうまく取れないことはあります。
技術的に難しい場合があります。
基本的に、同時に受けられます。受診予定の医療機関に確認してください。
子宮内膜から採取した細胞を調べた時に、細胞の形がどの程度変化しているかを表したものです。
なるべく普段通りに過ごすことを心がけ、気分転換する時間を持つようにしましょう。
もともと何かしらの症状があったかどうかによって異なります。
もともと何かしらの症状があったかどうかによって異なります。
受けたほうがいいでしょう。
診断について
薬について
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(参考文献)
ユビー病気のQ&Aとは?
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