ペムブロリズマブ(キイトルーダⓇ)では、どのような副作用がみられますか?

主に、吐き気、疲労、下痢、貧血、食欲減退、発疹、かゆみ、嘔吐、無力症、脱毛症などが報告されています。

解説

ペムブロリズマブ(キイトルーダⓇ)は免疫の働きを活性化するため、免疫細胞が働きすぎることに伴う副作用(免疫関連有害事象(immune-related. Adverse Events))に注意が必要とされています。

主な副作用(いずれも10%以上)

副作用として頻度の高い症状・所見としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 吐き気
  • 疲労(倦怠感
  • 下痢
  • 貧血
  • 食欲減退
  • 発疹(赤みやぶつぶつなど皮膚にできる症状の総称)
  • かゆみ
  • 嘔吐
  • 無力症
  • 脱毛症
  • 好中球減少
  • 血小板減少

など

重大な副作用

まれではありますが、重大な副作用として以下のようなものが報告されています。

間質性肺疾患(3.6%)

発熱空咳息苦しいなどの症状がみられることがあります。

大腸炎(2.2%)、小腸炎(0.1%)、重度の下痢(2.5%)

嘔吐、腹痛、持続する下痢、泥状の便、血便など

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症候群)(0.1%未満)、多形紅斑(0.1%)

まぶたや目の充血、唇や口内のただれ、発疹、水ぶくれ、発熱、かゆみの激しい水疱など

類天疱瘡(0.1%未満)

発疹、水ぶくれ、ただれなど

神経障害類:末梢性ニューロパチー(5.4%)、ギラン・バレー症候群(0.1%未満)等

運動のまひ、手足のしびれ、指先のしびれ、歩行困難など

劇症肝炎(頻度不明)、肝不全(0.1%未満)、肝機能障害(16.6%)、肝炎(1.2%)、硬化性胆管炎(0.1%未満)

食欲不振、吐き気、嘔吐、からだがだるい、白目や皮膚が黄色くなる、かゆみ、発熱、上腹部の痛みなど

甲状腺機能障害:甲状腺機能低下症(14.8%)、甲状腺機能亢進症(5.7%)、甲状腺炎(1.2%)等

汗をかきやすい、胸がドキドキする、からだがだるい、寒がりになるなど

下垂体機能障害:下垂体炎(0.5%)、下垂体機能低下症(0.3%)等

からだがだるい、頭がぼーっとしたり意識がうすれたりする、血圧低下など

副腎機能障害(1.1%)

体がだるい、意識の低下、意識の消失、血圧低下、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、発熱など

1型糖尿病(劇症1型糖尿病〕を含む)(0.4%)

からだがだるい、のどの渇き、尿の量が増える、意識の低下など

腎障害:腎不全(1.6%)、尿細管間質性腎炎(0.2%)、糸球体腎炎(0.1%未満)等

むくみ頭痛、尿量が減るなど

膵炎(0.4%)

吐き気、嘔吐、胃・おなかの激しい痛み、背中の痛みなど

筋炎(0.3%)、横紋筋融解症(0.1%未満)

脱力感、筋肉の痛み、息苦しい、赤褐色尿など

重症筋無力症(0.1%)

まぶたが重い、上まぶたが下がる、物がだぶって見える、筋肉の疲労感など

心筋炎(0.2%)

からだがだるい、発熱、吐き気、息苦しいなど

脳炎(0.1%)、髄膜炎(0.1%)、脊髄炎(0.1%未満)

発熱、頭痛、意識の低下、うなじがこわばり固くなって首を前に曲げにくい、両足のしびれ・まひ、腰・背中の痛み、尿・便が出にくい、尿・便失禁など

重篤な血液障害:免疫性血小板減少性紫斑病(0.1%)、溶血性貧血(0.1%未満)、赤芽球癆(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)等

貧血症状、発熱、出血傾向など

重度の胃炎(0.1%)

吐き気、嘔吐、胃がむかむかする、胃もたれ、食欲不振、腹痛など

ぶどう膜炎(0.2%)

目のかすみ、視力の低下、視界にごみや虫のようなものが飛んでいるように見える、まぶしい目の痛み、目の充血など

血球貪食症候群(頻度不明)

発熱、左上腹部の圧迫感や痛み、リンパ節のはれなど

結核(0.1%未満)

長引く微熱・咳、からだがだるい、体重減少など

インフュージョン・リアクション(3.1%)

呼吸困難、意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)、まぶた・唇・舌のはれなど

公開日

最終更新日

成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員

藤井 達也 監修

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(参考文献)

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