胆道がん
「胆道がん」とは、胆管、胆嚢、十二指腸の乳頭部のいずれかに発生するがんの総称です。症状に乏しい場合が多いですが、黄疸や腹痛などが現れます。早期であれば外科的切除により完全に治すことも目指せますが、それが難しい場合は延命を目指した薬物治療が行われます。消化器内科または消化器外科を受診しましょう。
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
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胆道がんとは、胆汁の通り道である胆道に発生するがんの総称です。発生部位により(肝門部・遠位)胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんに分けられます。
50歳以上の男性に多く、胆管の病気や化学物質、寄生虫、肥満、糖尿病、妊娠などがリスクと言われています。
進行速度は人それぞれですが、一般的に胆道がんの進行は早いと言われています。
はい。胆管がんは外科的手術を行うことによって治る可能性があります。
ステージ分類は他のがんと同様にTNM分類を用いますが、胆嚢がんと胆管がんとではステージごとの5年生存率が異なります。
胆嚢がんと胆管がんでは多少異なりますが、いずれもステージ3以上だと1~2年と言われています。
胆道周囲のリンパ節、肝臓、肺、腹膜などの臓器に転移する可能性があります。
黄疸、腹水それぞれ異なります。
肝臓の中にできた胆管がんを肝内胆管癌と言います。
胆嚢ポリープは10mmを超えるものでは、24%にがんを認めるという報告があります。
総胆管とは胆汁の通り道である胆管の一部分です。
飲酒が胆管がんのリスクを上げるとの報告もありますが、現時点では関連性は不明です。
化学療法を行った場合の生存期間は10.4ヶ月、行わなかった場合は4.6ヶ月との報告があります。
高齢者に絞ったデータはないため、不明です。
スポーツや運動に関して特に制限はありませんが、過度に疲れるような激しい運動は控えましょう。
できるだけ脂質を控え、消化の良いものを食べることが大切です。
一般的にがんの統計においては5年生存率を用いるため、1年生存率の明確なデータはありません.
高齢者に絞ったデータはないため、不明です。
年齢別のデータはありませんが、高齢の患者さんと比べて生存率は高い可能性があります。
年齢別のデータはありませんが、若い患者さんのほうが治療の選択肢が多く、生存率は高くなる可能性があります。
病気の広がりや治療法によって余命は変わってきます。
膵臓への転移は滅多にありませんが、胆道がんは膵臓に広がっていくことがあります。
胆管がんのリスク因子を持つ患者さんの進行速度については詳細なデータがありません。
離れた臓器での転移がみられるステージ4bでは5年生存率4.1%、生存期間9ヶ月との報告があります。
2014~2015年において、5年生存率は5.5%とのデータがあります。
5年生存率はがんの進行度により異なり、早期であれば70%、進行している場合は10%以下となります。
症状について
胆道がんの直接の原因は不明ですが、いくつかのリスク因子が知られています。リスク因子はがんのできる場所によって異なります。
胆道がんの症状には、腹痛、黄疸、吐き気、体重減少、全身のだるさなどがあります。
胆道がんは初期症状に乏しいです。初期症状としては、黄疸や腹痛を認めることが多いです。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
黄疸が見られることがあり、特に肝外胆管がんでよく見られます。
黄疸、呼吸困難、不眠、痛み、吐き気、だるさ、しびれなどがあります。
黄疸や発熱、腹痛、腸での消化吸収が不十分となる症状が見られることがあります。
胆道がんで治療中に、急変してしまうことがあります。
最初に出てくる症状としては約90%を占めますが、胆管がんの約半数の患者さんは黄疸が無く発見されています。
胆管がんにより胆汁の流れが十分に機能しないと、白い便が出ることがあります。
胆道がんが膵臓に転移することは滅多にありませんが、転移しても症状を起こさない場合が多いです。
治療について
胆道がんの治療は、手術による外科的切除が中心です。切除ができない場合は、抗がん剤や放射線での治療を行います。
プラスチック製のステントは2~3 ヶ月程度、金属製のステントは6ヶ月程度と言われています。
病変の場所や広がり、患者さんの年齢、持っている病気などをもとに決定します。
原則的には、異なる種類の抗がん剤に切り替えます。
一例として肝門部領域胆管がんでは、周術期死亡率は5%未満です。
胆管ステントの留置後には繊維質の食物に気を付けましょう。
胆管がんが原因で胆汁の流れが滞っている場合は、まず内視鏡治療で流れを良くします。
症状や治療内容により異なりますので、基本的には医師の指示に従ってください。
薬により痛みや苦痛を取り除いたり、心のケアを行います。
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(参考文献)
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