胆道がん(胆管がん・胆嚢がん)の治療について、化学療法(抗がん剤)やそのほかの薬物療法の種類と効果を教えてください。
胆道がんの薬物治療ではゲムシタビン等が標準的に使用され、新しい機序のお薬も承認されています。
胆道がんの治療に使われる主なお薬には、細胞障害性抗がん剤と呼ばれる種類のゲムシタビン、シスプラチン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)があります。
また、近年では、免疫チェックポイント阻害薬という種類のお薬を、従来の化学療法(抗がん剤)と組み合わせて使用する治療も行われています。これらのお薬は、患者さん自身の免疫ががん細胞を攻撃する力を保つよう働きます。
一般的には、これらを以下のように組み合わせて使用します。主な研究結果とともにご紹介します。
■細胞障害性抗がん剤を組み合わせた治療
- GC療法
- ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせて使う治療法です。
- ゲムシタビンのみを使用した群では、生存期間中央値(半数の患者さんがその時点まで生存していた期間)は8.1ヶ月でしたが、ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせたGC療法では11.7ヶ月でした。
- シスプラチンは腎臓に負担となるため、腎機能の低下した方では注意が必要です。
- GS療法
- ゲムシタビンとS-1を組み合わせて使う治療法です。S-1のみを使用した群では、生存期間中央値は9.0か月でしたが、ゲムシタビンとS-1を組み合わせたGS療法では12.5ヶ月でした。
- GS療法は、シスプラチン使用時に必要となる長時間の点滴がない点が特徴です。
- GCS療法
■免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療
- GC+デュルバルマブ療法(GCD療法)
- ゲムシタビンとシスプラチンに、免疫チェックポイント阻害薬であるデュルバルマブというお薬を組み合わせる治療法です。GC療法では生存期間中央値が11.5ヶ月でしたが、GC+デュルバルマブ療法では12.8ヶ月でした。免疫チェックポイント阻害薬が含まれているため、免疫系の副作用には注意が必要です。
- GC+ペムブロリズマブ療法(GCP療法)
- ゲムシタビンとシスプラチンに、免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブを組み合わせる治療法です。GC療法のみの場合の生存期間中央値は10.9ヶ月でしたが、ペムブロリズマブを追加した群では12.7ヶ月でした。免疫チェックポイント阻害薬が含まれているため、免疫系の副作用には注意が必要です。
免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療では、発熱、倦怠感、皮膚症状などに加え、免疫の働きが強くなることで起こる副作用(免疫関連有害事象)に注意が必要です。
どの治療法を選択するかは、患者さんのがんの進行の程度や転移、全身状態、合併症、副作用のリスクなどを考慮して決定されます。体力的、年齢的に可能ならば、3種類の薬剤を使ったGCS療法、GCD療法、GCP療法が効果を期待でき、推奨されています。
一方で、化学療法には副作用もあるため、患者さんの体力、もともとの病気によっては、3種類の薬剤を使った治療では身体の負担が大きく、かえって体調を崩してしまうこともあります。
そういった場合には、より副作用の少ない2剤、1剤での治療を選択します。患者さごとにに体力と治療効果のバランスを考え、適した治療を見極める必要があります。
なお、胆道がんは胆道にできるがんの総称です。がんが発生した部位によって、胆管がんや胆嚢がんなどに分類されます。
胆道がんについて、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
胆道がんについて、気になる症状はありますか?
もっとも当てはまる項目を選択してください。
(参考文献)
水野修吾ほか. 胆道癌における術前・術後補助化学療法の現状と課題. 胆道. 2024, 38, 142~152.
上野誠ほか. 胆道癌に対する薬物療法―現状と今後の展望-. 日消誌. 2023, 120, 319~324.
日本癌治療学会.“診療ガイドライン”.がん診療ガイドライン.http://www.jsco-cpg.jp/biliary-tract-cancer/guideline/#III,(参照 2026-05-22).
がん情報サービス.“胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療”..https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html,(参照 2026-05-22).
国立研究開発法人国立がん研究センター.“免疫療法 もっと詳しく”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html,(参照 2026-05-22).
国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ.薬物療法.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/index.html(参照 2026-5-22)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
公開日:
最終更新日:
編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
Q作成
医師執筆/監修
QAレビュー
公開
医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
石川 翔理 監修
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです
