胆道がんや胆管がんで急変してしまうことはありますか?また、前兆はありますか?
胆道がんでは胆管の閉塞による急性胆管炎で急変することがあり、前兆がない場合もあります。
胆道がん(胆管がん・胆嚢がんなど)では、治療中に容体が急に悪化することがあります。その多くは、胆汁(たんじゅう)の流れがせき止められて起こる急性胆管炎が関係しています。
胆道がんで急変することはある?
胆道がんでは、がんによって胆道(胆汁の通り道)がふさがれ、胆汁の流れがせき止められて黄疸(おうだん)が生じます(国立がん研究センター がん情報サービス)。この状態から急性胆管炎という感染症が起こると、短い期間で全身の状態が悪くなることがあります。急変は必ず前兆を伴うとは限らず、突然起こることもあります。
胆道がんが急変する主な原因は急性胆管炎
胆管がふさがって胆汁の流れが滞ると、そこに細菌の感染が起こり、急性胆管炎になります。細菌が血液の中に入り込むと、敗血症(はいけつしょう/全身に影響が及ぶ状態)に進むことがあります(日本胆道学会)。治療の柱は、抗菌薬の投与・胆管ドレナージ(たまった胆汁を管で外に出す処置)・詰まりの原因への治療とされています(急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018)。急性胆管炎は重症度によって段階分けされ、重症度が高いほど短期間の死亡リスクが高い一方、早期・緊急のドレナージを受けた場合は、死亡リスクが低かったと報告されています(Kiriyama S, et al. 2018)。
胆道がんの急変の前兆となる症状
次のような症状は、急性胆管炎の始まりのサインになることがあります。
- 発熱
- 右上腹部(みぞおちの右あたり)の痛み
- 黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)
胆管がんでは黄疸が主な症状で、腹痛・発熱・全身の倦怠感・食欲不振・体重減少もみられることがあります(日本肝胆膵外科学会)。
胆道がんの治療中に起こるステント・ドレナージのトラブル
黄疸があるときは、胆汁を体の外や腸へ流す胆道ドレナージが行われます。体内にステント(細い管)を留置する方法では、ステントが抜けたりつまったりしても気づきにくく、腹痛や発熱、黄疸が出た場合はなんらかのトラブルが起きている可能性があります(国立がん研究センター がん情報サービス)。また、胆道をつなぎ直したあとに、つないだ場所が狭くなる、腸液が逆流するなどして胆管炎を起こすこともあります(同)。
胆道がんで早めに医療機関への相談を検討したいとき
治療中や経過観察中に、発熱、右上腹部の痛み、黄疸が新たに出たり再び現れたりしたときは、急性胆管炎やステントのトラブルが起きている可能性があります。急性胆管炎は早い時期の対応が経過に関わるとされているため、早めに医療機関への相談をご検討ください。
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(参考文献)
急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018(TG18新基準掲載)第3版.日本肝胆膵外科学会・日本腹部救急医学会・日本胆道学会・日本外科感染症学会 編,医学図書出版,2018.
Kiriyama S, Kozaka K, Takada T, et al. Tokyo Guidelines 2018: diagnostic criteria and severity grading of acute cholangitis (with videos). J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2018;25(1):17-30.
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』(2020年10月14日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本肝胆膵外科学会『胆管がん』https://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=9.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本胆道学会『急性胆管炎』https://www.tando.gr.jp/qa/qa03/.(参照 2026-09-08).
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医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
石川 翔理 監修
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