胆道癌に初期症状はある?胆道癌

監修医師吉岡 藍子消化器内科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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胆道がんとは

肝臓で作られる胆汁の通り道である胆道の悪性腫瘍(がん)です。

「胆道がん」とはどのような病気ですか?

胆汁の通り道である胆道にできるがんの総称です。

胆道がんは、胆汁が流れる通り道にできるがんの総称です。
がんができる場所によって、胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんなどに分けられます。
早期には症状が出にくいことがあります。
胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌の発生部位がどこかわかる図

胆道とは

胆道は、肝臓で作られた胆汁が小腸へ流れる通り道です。胆汁は脂肪の消化を助ける液体で、胆管を通って流れ、胆嚢に一時的にためられます。食事の際には、十二指腸へ流れます。胆道は、胆管、胆嚢、十二指腸乳頭部に分けられます。

胆道がんの種類

胆道がんは、発生した場所によって、胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんに分けられます。
胆管がんは、胆汁が流れる管である胆管にできるがんです。肝臓の中の胆管にできる肝内胆管がんと、肝臓の外の胆管にできる肝外胆管がんがあります。胆嚢がんは胆汁をためる胆嚢にできるがんで、十二指腸乳頭部がんは胆管が十二指腸につながる出口にできるがんです。

胆道がんの症状

胆道がんでは、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、尿の色が濃くなる、便の色が白っぽくなる、皮膚のかゆみ、右わき腹やみぞおちの痛みなどがみられることがあります。そのほか、発熱、体のだるさ、食欲不振、体重減少がみられることもあります。
ただし、胆道がんは早期には症状が出にくいことがあります。また、これらの症状は膵臓がんなど別のがんや、胆石症・胆嚢炎・胆管炎などのがん以外の病気でも起こるため、症状だけで胆道がんかどうかを判断することはできません。

胆道がんの検査と治療

胆道がんが疑われる場合は、血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などで、がんの有無や広がりを調べます。必要に応じて、内視鏡検査や、組織や細胞を採って調べる検査を行うこともあります。
治療では、手術でがんを取り除けるかどうかをまず検討します。手術が難しい場合には、薬物療法や放射線治療、胆汁の流れをよくする処置などが検討されます。

さらに詳しく:「胆道がん」とはどのような病気ですか?監修医師重松 秀成城内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)』 http://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/index.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がんについて』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/about.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん 予防・検診』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/prevention_screening.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん 患者数(がん統計)』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/patients.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん 治療』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-10-07).

総胆管とはなんですか?また、関連する病気にはどのようなものがありますか?

総胆管は肝臓から十二指腸へ胆汁を運ぶ管です。

総胆管(そうたんかん)は、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)が十二指腸へ流れていく通り道の一部です。ここがふさがれると、黄疸(おうだん)などの症状が現れることがあります。
胆管の全体像のイラスト

総胆管とは?胆道(胆管・胆嚢・十二指腸乳頭)のどこにある管か

胆道は胆管・胆嚢・十二指腸乳頭の3つに分けられ、肝臓でつくられた胆汁を小腸へ送る働きを担います(国立がん研究センター がん情報サービス)。胆管は肝臓の中の細い肝内胆管から始まり、肝門部(肝臓の出口)で1本にまとまり総肝管となります。これが胆嚢管と合流した先が総胆管で、膵臓(すいぞう)を通って十二指腸につながります。

総胆管を流れる胆汁の役割とは?

胆汁は肝臓で1日に600〜1000mlほどつくられ、胆管を通って十二指腸に流れ出します(日本消化器病学会 胆石症ガイド2023)。途中の胆嚢で濃縮され、蓄えられます。食物が十二指腸に入ると分泌されて、脂肪分やビタミンの消化・吸収を助けます。

総胆管に関連する病気①総胆管結石の症状

胆石は「胆嚢結石」「総胆管結石」「肝内結石」に分けられ、胆嚢結石が約80%、総胆管結石は約20%、肝内結石は約2%の頻度とされています(日本消化器病学会 胆石症ガイド2023)。

  • 総胆管結石では2〜3割の人に自覚症状がないとされています
  • 胆汁の流れを妨げる場所に石があると、黄疸がみられることがあります
  • 石に細菌が感染すると高い熱が出て、胆管で起こると急性胆管炎と診断されます

総胆管に関連する病気②胆道がん(胆管がん)の症状

胆管がんは、がんが発生した場所が肝臓の中か外かによって肝内胆管がんと肝外胆管がんに分類されます。主な症状は次のとおりです(国立がん研究センター がん情報サービス)。

  • 黄疸:皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶色っぽく濃くなる、皮膚のかゆみ、便が白っぽくなる
  • 右わき腹の痛み
  • 体重減少

肝内胆管がんやがんは、早期には症状が出ないことが多いがんとされています。なお、膵胆管合流異常症などが胆嚢がんのリスクを高めることがわかっているほか、慢性胆管炎や胆嚢炎などの慢性的な炎症、特定の化学物質への曝露も胆道がん全般の危険因子として知られています(同センター)。

総胆管がつまると黄疸が出るのはなぜ?胆道がんなどで受診を検討する目安

本来は便に排泄される胆汁が、結石やがんで流れをせき止められると血液中に入り、黄疸が起こります(日本消化器病学会 胆石症ガイド2023)。また、つまった部分に細菌が感染して治療されないと、細菌を含む胆汁が血液に逆流し、敗血症(はいけつしょう)という重い病気に至る危険があります。黄疸・発熱・右上腹部の痛みが重なるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:総胆管とはなんですか?また、関連する病気にはどのようなものがありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

日本消化器病学会『患者さんとご家族のための胆石症ガイド2023』日本消化器病学会, 2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/tansekisyou_2023.pdf.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)について』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/about.html.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 予防・検診』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliarytract/preventionscreening.html.(参照 2026-09-08).

肝内胆管癌とはなんですか?胆管がんとの違いを教えてください。

肝臓の中にできた胆管がんを肝内胆管癌と言います。

肝内胆管癌とは、胆管がんの中でも肝臓の中にできる種類のがんです。胆管は肝臓で産生された胆汁を十二指腸に運ぶ管で、樹枝状の形態をしています。肝臓に近づくほど管は細く、細かくなります。肝臓の中にある細い胆管に発生した胆管がんを肝内胆管癌と言い、肝外胆管癌や乳頭部癌といった他の胆道がんと区別されます。

そのほかの胆道がんとの違いとしては、肝内胆管癌は肝臓の中にできるため、肝細胞がんや転移性肝がんのようなその他の肝がんと見分ける必要があります。
基本的な治療の方針は他の胆管がんと同様で、切除が可能な範囲にとどまっていれば手術治療、そうでなければ化学療法を行います。

さらに詳しく:肝内胆管癌とはなんですか?胆管がんとの違いを教えてください。監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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胆道がんの症状

胆管ステントが詰まるとどのような症状が見られますか?

発熱、右上腹部の腹痛、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が現れることがあるとされています。

胆管ステント(胆管に入れる細い管)が詰まると、胆汁の流れが止まり体に変化が現れます。ここでは胆道がんでステントを入れる理由から、詰まったときの症状と対応までを整理します。

胆道がんで胆管ステントを入れる理由

胆道がん(胆管がん・胆嚢がんなど)が胆管をふさぐと、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)の流れが滞ります。胆管ステントは胆管内の圧力を下げ、詰まった胆汁を腸の中または体の外へ出すために留置します。ステントにはプラスチック製と金属製があり、日本胆道学会では開存期間(詰まらずに使える期間)の目安をプラスチック製で2〜3ヶ月程度、金属製で6ヶ月程度としています。

胆管ステントが詰まる原因

主な原因は次のとおりです。

  • 腫瘍の再増大: 金属ステントの網目を通してがんが伸び、内側をふさぐことがあります(Shiomi H, et al. Dig Endosc. 2017)
  • 内側の汚れ: 細菌がつくる膜(バイオフィルム)や胆汁の沈殿物、食物が付着し、通り道が狭くなることがあります(同)
  • 位置のずれ・抜け: ステントがずれたり抜けたりして、胆汁が流れなくなることがあります(国立がん研究センター がん情報サービス)

胆管ステントが詰まったときの症状

国立がん研究センター がん情報サービスでは、体内のステントは抜けたり詰まったりしても気づきにくいとされ、次の症状が出た場合はなんらかのトラブルが起きている可能性があると案内されています。

  • 発熱: 急に高熱が出る場合があります
  • 腹痛: 右上腹部(みぞおちの右側あたり)に痛みが生じることがあります
  • 黄疸(おうだん): 皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなる、便が白っぽくなるといった変化が現れることがあります

胆管ステントの閉塞が重症化するとどうなる?

日本胆道学会によると、胆管が詰まって胆汁の流れが滞ると細菌感染が起こって急性胆管炎となり、進行すると細菌が血液に入り込む敗血症(はいけつしょう)という状態になって、生命の危険が生じることがあるとされています。急性胆管炎は軽症・中等症・重症に分けられ、全身の炎症・胆汁のうっ滞・画像所見から診断されます(急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018)。急性胆管炎は進行が速いため、胆管ステント留置中に急な高熱、黄疸、右上腹部痛などが見られた場合には、すぐにかかりつけの病院を受診してください。

胆管ステントが詰まったときの対応と定期受診

日本胆道学会では、ステントが閉塞した場合は入れ替えるか、ステントを追加することがあるとされています。開存期間には目安があるため、症状がなくても決められた通院を続けることが大切です。発熱や右上腹部の痛み、黄疸に気づいたときは、早めに医療機関へのご相談・受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆管ステントが詰まるとどのような症状が見られますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

日本胆道学会「内視鏡的胆管ドレナージ(ステンティング)」https://www.tando.gr.jp/qa/qa18/.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療」https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
日本胆道学会「急性胆管炎」https://www.tando.gr.jp/qa/qa03/.(参照 2026-09-08).
Shiomi H, Matsumoto K, Isayama H. Management of acute cholangitis as a result of occlusion from a self-expandable metallic stent in patients with malignant distal and hilar biliary obstructions. Dig Endosc. 2017;29(Suppl 2):88-93.
日本肝胆膵外科学会・日本腹部救急医学会・日本胆道学会・日本外科感染症学会編『-TG18新基準掲載-急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018(第3版)』医学図書出版、2018年

胆管がんの末期症状を教えてください。

黄疸やみぞおち・右わき腹の痛み、発熱、だるさ、食欲不振、吐き気などがみられることがあります。

胆管がんは胆道がんのひとつで、進行すると黄疸などさまざまな症状が現れます。ここでは末期に多い症状と、その和らげ方をまとめます。

胆管がんの末期にみられる症状

胆管がんが進行した段階では、次のような症状が出るとされています(国立がん研究センター がん情報サービス)。

  • 黄疸(おうだん):皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が茶色っぽく濃くなる、皮膚のかゆみが出ることもあります
  • みぞおちや右わき腹の痛み
  • 発熱
  • 全身のだるさ
  • 食欲不振、体重減少

実際にどの症状が出るかは病気の状況によって異なり、患者さんごとにさまざまです。

胆管がんで黄疸が起こるのはなぜ?

黄疸は、胆管の内部ががんによって狭くなったりつまったりして、黄色の色素であるビリルビンを含む胆汁(たんじゅう)が血液の中に流れ込むことで起こるとされています(がん情報サービス)。胆道がつまった場合には、たまった胆汁を通すための処置(胆道ドレナージ)が行われ、体内にステント(細い管)を留置する内ろうという方法もあります。ただし末期の病状では、こうしたステントを留置する処置自体の負担が大きく、無理に処置を行わず症状を抑える治療が選択される場合もあります。

胆管がんの末期の痛みはどのように和らげる?

痛みは本人にしかわからないため、我慢せず担当の医師・看護師・薬剤師に伝えることが大切です(がん情報サービス)。治療は鎮痛薬を内服する方法が中心で、解熱鎮痛薬では十分に痛みがとれない場合や、中くらいから強い痛みがある場合には医療用麻薬が使われます。内服が難しい場合には点滴で鎮痛薬を使用します。不安や抑うつ、疲労、不眠によって痛みが悪化することもあり、ご家族や医療スタッフの精神的な支持もとても大切です。痛みに限らず、つらいことがあればすぐに周りのスタッフに伝えてください。

胆管がん末期の呼吸困難・不眠・吐き気

痛みのほかに、息苦しさ(呼吸困難)、夜眠れなくなる(睡眠障害)、吐き気、だるさといったつらさが現れることがあります。これらは胆管がんに限らず、がんの進行期に共通してみられる症状です。呼吸困難に対しては、薬物療法や酸素療法などの治療で症状を緩和します(日本緩和医療学会ガイドライン2023年版)。

胆管がんの緩和ケアはいつから受けられる?

緩和ケアは終末期だけでなく、がんと診断された時からがん治療と同時に行われることが一般的です(厚生労働省)。痛みや吐き気などの症状は軽いうちに治療を始めれば短期間で十分に和らげることができるとされ、緩和ケアによって80%以上の人の痛みが和らいだという報告もあります(がん情報サービス)。症状が軽い段階では主治医が緩和的治療を開始し、末期で症状が重くなった際には緩和ケア科で専門的な緩和治療に切り替えます。つらい症状があるときは我慢せず、担当の医師・看護師への相談や医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆管がんの末期症状を教えてください。監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)全ページ表示』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/print.html.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)治療』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス『緩和ケア』https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/relaxation/index.html.(参照 2026-09-08).
国立がん研究センター がん情報サービス『痛み』https://ganjoho.jp/public/support/condition/pain/index.html.(参照 2026-09-08).
日本緩和医療学会『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』金原出版,
厚生労働省『緩和ケア』https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkouiryou/kenkou/gan/gankanwa.html.(参照 2026-09-08).

胆道がんには初期症状はありますか?

早期には無症状のことが多いです。黄疸や胆管炎をきっかけに見つかることがあります。

胆道がんは、早期には症状が出にくいことがあります。黄疸や、胆管炎による発熱・腹痛をきっかけに見つかることがあります。ただし、症状だけで胆道がんかどうかを判断することはできません。

胆道がんは早期には症状が出にくい

胆道がんは、胆汁が流れる通り道である胆道にできるがんの総称です。胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんなどが含まれます。
胆道がんは、早期には自覚症状がないことがあります。がんが小さく、胆汁の流れが大きく妨げられていないうちは、体調の変化に気づきにくいことがあるためです。そのため、健康診断や別の病気で行った画像検査で偶然見つかることもあります。

黄疸や胆管炎をきっかけに見つかることがある

胆道がんによって胆汁の流れが悪くなると、黄疸が出ることがあります。黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなる状態です。尿の色が茶色っぽく濃くなる、便の色が白っぽくなる、皮膚がかゆくなる、といった変化がみられることもあります。
また、胆汁の流れが悪いところに細菌感染が起こると、胆管炎を発症することがあります。胆管炎では、発熱、右わき腹やみぞおちの痛みなどがみられます。こうした症状をきっかけに、胆道がんが疑われることがあります。
ただし、これらの症状は胆道がんだけでなく、膵臓がんなど別のがんや、胆石症や胆嚢炎などのがん以外の病気でも起こります。気になる症状が続く場合は、病院を受診して相談しましょう。

さらに詳しく:胆道がんには初期症状はありますか?監修医師重松 秀成城内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/about.html.(参照 2026-10-07).
一般社団法人 日本肝胆膵外科学会『胆管がん』(一般の方へ) https://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=9.(参照 2026-10-07).
一般社団法人 日本肝胆膵外科学会『胆のうがん』(一般の方へ) https://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=10.(参照 2026-10-07).
Forner A, Vidili G, Rengo M, Bujanda L, Ponz-Sarvisé M, Lamarca A. Clinical presentation, diagnosis and staging of cholangiocarcinoma. Liver Int. 2019;39(Suppl 1):98-107.

胆道がんではどのような症状がありますか?

胆道がんの症状には、腹痛、黄疸、吐き気、体重減少、全身のだるさなどがあります。

胆道がんでは、主に以下のような症状がみられます。

  • 腹痛(特にお腹の右上あたり)
  • 黄疸(皮膚や目が黄色くなること)
  • 吐き気
  • 体重減少
  • 全身のだるさ

など

なお、胆道がんは発生部位によって胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんに分けられます。それぞれ最初に出る症状としては、胆管がんと乳頭部がんでは黄疸、胆嚢がんでは腹痛が最も多いと言われています。
ただし、症状が出にくいため、健康診断の採血や超音波検査、胃カメラの検査で偶然見つかることもあります。

さらに詳しく:胆道がんではどのような症状がありますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科
もっと詳しく「胆道がん」を知る

胆道がんの原因

胆道がんの原因は何がありますか?

胆道がんの直接の原因は不明ですが、いくつかのリスク因子が知られています。リスク因子はがんのできる場所によって異なります。

胆道がんの直接的な原因は明らかではありませんが、胆道がんの危険因子がいくつか知られています。
胆道がんはできる部位によって、胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんに分けられますが、リスクはそれぞれ異なります。

胆管がんのリスク

  • 膵胆管合流異常(膵臓の管と胆管が途中で合流してしまっている状態)などの胆管の慢性炎症を引き起こす病気
  • 化学物質
  • 寄生虫
  • 肥満
  • 糖尿病

など

胆嚢がんのリスク

生まれつきの要因(解剖学的な異常)

  • 膵胆管合流異常
  • 胆嚢腺筋腫症(胆嚢がくびれた形をしていること)

など

胆嚢疾患

  • 胆石
  • 胆嚢ポリープ

など

生活習慣に関連する要因

  • 肥満
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 糖尿病

など

乳頭部がんのリスク

乳頭部がんのリスク因子は特定されていません。

さらに詳しく:胆道がんの原因は何がありますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科
もっと詳しく「胆道がん」を知る

胆道がんの検査・診断

胆道がんのセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

セルフチェックにより、胆道がんの可能性を疑うことはある程度可能です。ただし、あくまで疑う目安とし、専門医の診断を受けてください。
胆道がんには特徴的な症状は少ないですが、以下の項目にあてはまるようであれば、胆道がんの可能性が考えられます。

  • 黄疸がある
  • 吐き気や倦怠感、体重の低下が見られる
  • 腹痛(特にお腹の右上)や発熱がある
  • 胆管、および胆嚢の病気を指摘されている(膵胆管合流異常や胆石など)
さらに詳しく:胆道がんのセルフチェックはできますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆管がんと診断された人で治った人はいるのでしょうか。

はい。胆管がんは外科的手術を行うことによって治る可能性があります。

胆管がんは、外科的手術によって完全に治る(根治)可能性があります。一般的には、手術から5年間の生存を根治の目安とすることが多いです。

胆道がんを外科的手術した後の5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)は、

  • ステージ1で50%程度
  • ステージ2で40%程度
  • ステージ3で30%程度

となっており、手術ができれば根治の可能性があります。

しかし、がんが広がっていて取り切ることができない(切除不能)場合は、化学療法(抗がん剤)のみでの治癒は望めません。この場合、基本的には化学療法で延命のための治療を行うこととなります。

なお、化学療法によってがんの範囲が縮小して切除可能となる場合もあり、外科的切除を追加することで治癒切除となることもあります。

さらに詳しく:胆管がんと診断された人で治った人はいるのでしょうか。監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆道がんの内視鏡検査では何を調べますか?

胆道を直接観察して、がんの有無や病変の広がり、胆管の狭窄の原因を詳しく調べます。

胆道がんの内視鏡検査では、胆道(胆管や胆嚢、十二指腸乳頭部)を直接観察して、がんの有無や病変の広がり、胆管の狭窄の原因を詳しく調べます。胆道がんで行われる内視鏡検査には、主に内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)と超音波内視鏡(EUS)、経口胆道鏡(POCS)があります。

ERCP

口から内視鏡を入れて胆管内に造影剤を注入し、X線で胆管の形や詰まりを調べます。必要に応じて胆汁を採取して細胞を調べる細胞診や、病変部分を直接見ながら組織を取る生検も行われます。

EUS

消化管内部に挿入した超音波機器で胆道や膵臓周囲の組織を詳細に観察し、腫瘍の深さや周囲への広がりを把握するのに役立ちます。

POCS

口から胆管内に細い内視鏡カメラを挿入し、胆管内でのがんの広がりを調べたり、組織を採って生検を行ったりします。ERCPの一部として行われる検査です。

さらに詳しく:胆道がんの内視鏡検査では何を調べますか?監修佐々木 祐子株式会社BearMedi 臨床検査技師

胆道がんの血液検査では何が分かりますか?

主に肝機能や胆道の異常の有無などが分かります。

胆道がんの血液検査では、主に肝機能や胆道の異常の有無などが分かります。具体的には、ビリルビンという胆汁色素やALP、γ-GTPといった胆道系酵素の値を測定します。これらが上昇していれば、胆道(胆嚢、胆管、十二指腸乳頭部の総称)に閉塞やがんの影響などの異常があると考えられます。

腫瘍マーカーと呼ばれるCA19-9やCEAを調べて、がんの存在を推測することもありますが、あくまでも補助的な指標です。胆道がんは血液検査だけでは確定診断ができず、超音波検査やCTなどの画像検査や内視鏡検査などと組み合わせて、評価されます。

さらに詳しく:胆道がんの血液検査では何が分かりますか?監修佐々木 祐子株式会社BearMedi 臨床検査技師

胆道がんで細胞診検査を行うのはどのようなときですか?

主に胆道がんの確定診断が行われる時です。

胆道がんで細胞診検査を行うのは、胆道がんの確定診断を行う時です。 腹部超音波検査や血液検査で胆道がんが疑われた場合、精密検査として内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や経口胆道鏡検査(POCS)を行います。

がんが疑われる腫瘍の場所やがんの広がりの範囲を調べる際に、胆汁や胆管内の細胞を採取して顕微鏡で調べます。胆道がんが疑われる部位の組織が確認された場合、採取して生検を行い、病理組織を調べて、確定診断を行います。

さらに詳しく:胆道がんで細胞診検査を行うのはどのようなときですか?監修佐々木 祐子株式会社BearMedi 臨床検査技師

胆道がんで行うPET検査とは何ですか?

特殊な放射性物質を使ってがん細胞の活動を画像化する検査です。

胆道がんで行うPET検査は、特殊な放射性物質を使ってがん細胞の活動を画像化する検査です。放射性のフッ素がついたブドウ糖(FDG)を体内に注射し、がん細胞がこのブドウ糖を多く取り込む性質を利用して、分布を画像として捉えます。通常のCTやMRIで判別が難しいがんの広がりや他の臓器への転移を確認できる検査です。

PET-CT検査は、PETの画像とCTの画像を重ねて評価することで、がんの位置や範囲をより正確に把握でき、治療計画を考えるために役立ちます。主に進行がんや転移が疑われる場合に追加で行われることが多い検査です。

さらに詳しく:胆道がんで行うPET検査とは何ですか?監修佐々木 祐子株式会社BearMedi 臨床検査技師

胆道がんの場合、CTやMRIなどの画像検査は行いますか?

胆道がんの検査として、CTやMRIなどの画像検査を行うことがあります。

胆道がんの検査として、CTやMRIなどの画像検査を行うことがあります。初期の検査として血液検査や超音波検査が行われますが、精密検査が必要と判断された場合はCTやMRIでがんの有無や広がりの程度を詳しく調べます。

CT検査は体の断面をX線で撮影し、がんの位置や形状、周囲の臓器やリンパ節への転移を評価します。MRIは放射線被曝がなく、胆管や胆のう、膵管の画像を高精度に撮影できます。より詳しく評価するために造影剤を使うこともありますが、胆道がんの場合、造影剤を使わずに胆管内部を描出できる磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)という検査が行われることもあります。

さらに詳しく:胆道がんの場合、CTやMRIなどの画像検査は行いますか?監修佐々木 祐子株式会社BearMedi 臨床検査技師

胆道がんや胆嚢がんではどのような検査を行いますか?

胆道がんでは造影CTやMRCP、ERCP、超音波内視鏡といった検査を行います。

胆道がんでは造影CTやMRCP、ERCP、超音波内視鏡、といった検査を行います。

胆道がんは胆汁の通り道に発生するがんです。そのため、胆汁の通り道が塞がることで血液の中に胆汁の成分が多くなる「黄疸」によって皮膚が黄色くなる方や、胆管に細菌が感染する「胆管炎」、「胆嚢炎」となって発熱、腹痛が現れる方がいます。それらの症状をきっかけに入院することで病気が見つかる場合が多いです。
これらの「黄疸」や「胆管炎」は、がんでなく「胆管結石」によっても起こることから、造影CTやMRCPといった検査で原因が何によるかをまず調べます。

また、CTの検査は病気が肺などの他の臓器や、リンパ節に転移していないかを調べるうえでも役に立ちます。
血液検査で腫瘍マーカーの値を調べることも、診断の助けになります。

画像の検査でがんが疑われた場合、
①本当にがんであるかどうか
②がんであれば、どこまで広がっているのか
を調べる必要があります。

①本当にがんであるのか

本当にがんであるかを確認するために、細胞の検査で診断を確定させることを試みます。検査の方法は病気のある場所によって異なります。具体的には処置用の内視鏡(胃カメラ)で、十二指腸の胆汁の出口から細い管を入れて細胞を採取するERCPという検査や、皮膚から針を刺して細胞を取ってくる経皮的生検という方法があります。病変が十二指腸に近い時にはERCP、十二指腸から遠いときには経皮的生検が適している場合が多いです。

②がんであれば、どこまで広がっているのか

がんの広がりを調べるために、造影CTやMRCPの検査が有用です。造影CTは遠隔転移やリンパ節転移が無いかを調べるために有用です。MRCPはMRI検査のひとつで、胆管の中にどれほど広がっているかを大まかに調べるうえで大切な検査です。
これらの検査に加えて、超音波内視鏡検査(EUS)で、病気が胆管のどの範囲まで広がっているかをより細かく調べます。胆道がんは病気のあるように見える場所を超えて薄く、広範囲に分布していることがあります。病変の範囲は治療の方法を決めるうえで非常に大切なので、これらの検査を用いてできる限り正確に調べます。

このように、胆管がんが疑われた場合にはさまざまな検査で病気の状況を調べます。大切なことは、これらの検査には患者さんの体の負担を伴うため、負担の大きい検査をどこまで行った方が良いかは患者さんごとの状況によって異なる、ということです。
特にERCPやEUSは合併症のリスクもあります。年齢や病気などで負担の大きい検査を行わない方が良い場合には、CTやMRCPなど負担の少ない検査のみを行って治療に入るということもしばしばあります。

さらに詳しく:胆道がんや胆嚢がんではどのような検査を行いますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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胆道がんの治療・対処法

胆道癌への対処法は?

治療は外科手術、抗がん剤治療などが選択されます。専門の医療機関での治療が必要です。

胆管がんの手術後の生活について教えてください

症状や治療内容により異なりますので、基本的には医師の指示に従ってください。

生活上の注意点は、患者さんの症状や治療の内容、使用するお薬により異なります。
手術後は定期的に検査を受け、基本的には医師の指示に従ってください。

手術後の食生活については、できるだけ脂質を控え、消化の良いものを食べることが大切です。
一回の食事で食べすぎることなく、何回かに分けてバランスの良い食事をすることを心掛けましょう。

もし食欲不振や下痢など、気になる症状が出た場合には医師にご相談ください。

さらに詳しく:胆管がんの手術後の生活について教えてください監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆管がんで手術ができない場合の1年生存率での余命はどのくらいですか?

一般的にがんの統計においては5年生存率を用いるため、1年生存率の明確なデータはありません.

一般的にがんの統計においては5年生存率を用いるため、1年生存率の明確なデータはありません。

ただ、胆道がんで切除が困難な患者さんにおいて、化学療法を行った場合の生存期間の中央値は10.4ヶ月、化学療法を行わなかった場合は4.6ヶ月という報告があります(2018年報告)。

胆管がんは症状が出にくいため、早期発見が難しいがんです。遠隔転移があったり、がんが胆管の外の広い範囲に広がっている状態になると、手術により切除することが難しくなります。

さらに詳しく:胆管がんで手術ができない場合の1年生存率での余命はどのくらいですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆管がんで手術ができない場合、余命はどのくらいですか?

化学療法を行った場合の生存期間は10.4ヶ月、行わなかった場合は4.6ヶ月との報告があります。

切除が困難な患者さんにおいて、化学療法(抗がん剤治療)を行った場合の生存期間の中央値は10.4ヶ月、化学療法を行わなかった場合は4.6ヶ月という報告があります。手術で切除した場合は33.3ヶ月です(2018年報告)。

切除が困難な胆管がんの患者さんでは、化学療法が標準治療とされています。

内容としては、以下3種類の薬の選択肢から、患者さんの状態や症状により組み合わせや量を検討していきます。

  • ゲムシタビン
  • シスプラチン
  • S-1
さらに詳しく:胆管がんで手術ができない場合、余命はどのくらいですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆道がんの場合、主にどのような治療をしますか?

手術をまず検討し、難しい場合は薬物療法などを行います。

胆道がんの治療では、まず手術でがんを取り除けるかどうかを検討します。手術が難しい場合や再発した場合は、薬物療法や放射線治療などを検討します。黄疸がある場合は、胆汁の流れをよくする胆道ドレナージを行うことがあります。

胆道がんは手術できるかをまず検討

胆道がんは、胆汁が流れる通り道である胆道にできるがんの総称です。胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんなどが含まれます。
胆道がんの治療では、まず手術でがんを取り除けるかどうかを検討します。手術が可能と判断された場合は、がんの場所や広がりに応じて、切除する範囲を決めます。

手術が難しい場合は薬物療法などを行う

手術が難しい場合や、手術後に再発した場合は、薬物療法を中心に治療を検討します。薬物療法では、抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬などが使われることがあります。
放射線治療は、単独でがんを治す目的に行うことは一般的ではありません。ただし、病状によっては薬物療法と組み合わせたり、痛みなどの症状をやわらげる目的で行うことがあります。
どの治療を行うかは、がんの種類や進行の程度、体の状態、本人の希望などをふまえて決めていきます。

黄疸がある場合は胆道ドレナージを行うことがある

胆道がんによって胆汁の流れが悪くなると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が出ることがあります。黄疸の状態では手術や薬物療法を安全に進めにくくなります。そのため、胆汁の流れをよくする目的で、胆道ドレナージを行うことがあります。胆道ドレナージでは、内視鏡などを使って胆管に細い管を入れ、たまった胆汁を流れやすくします。

さらに詳しく:胆道がんの場合、主にどのような治療をしますか?監修医師重松 秀成城内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)』 https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/index.html.(参照 2026-10-07).
Nakachi K, et al. Adjuvant S-1 compared with observation in resected biliary tract cancer (JCOG1202, ASCOT): a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet. 2023;401(10372):195-203.

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受診の目安・何科を受診するべきか

胆道がんが疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?

内科や消化器内科を受診しましょう。黄疸や腹痛などが目安です。

胆道がんが疑われる場合は、内科や消化器内科で相談しましょう。皮膚や白目が黄色くなる黄疸、右わき腹やみぞおちの痛みなどは受診の目安になります。ただし、症状だけで胆道がんかどうかを判断することはできません。

胆道がんが疑われるときの受診先

胆道がんとは、胆汁が流れる通り道である胆道にできるがんの総称です。胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんなどが含まれます。
胆道がんが心配な場合は、内科や消化器内科で相談しましょう。健診や血液検査、腹部超音波検査などで胆道の異常を指摘された場合も、検査結果を持参して受診すると診察がスムーズに受けられます。

病院を受診する目安

胆道がんでは、黄疸がみられることがあります。黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなる状態です。尿の色が茶色っぽく濃くなる、便の色が白っぽくなる、皮膚がかゆくなる、といった変化を伴うこともあります。
また、右わき腹やみぞおちの痛み、発熱、全身のだるさ、食欲不振、体重減少などがみられることもあります。
ただし、これらの症状は胆道がんだけでなく、膵臓がんなど別のがんや、胆石症、胆のう炎、胆管炎などのがん以外の病気でも起こります。症状だけで胆道がんかどうかを判断することはできないため、気になる症状がある場合は受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆道がんが疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?監修医師重松 秀成城内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)について』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/about.html.(参照 2026-10-07).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 検査』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/diagnosis.html.(参照 2026-10-07).
Forner A, Vidili G, Rengo M, Bujanda L, Ponz-Sarvisé M, Lamarca A. Clinical presentation, diagnosis and staging of cholangiocarcinoma. Liver Int. 2019;39 Suppl 1:98-107.

胆道癌の専門医がいる近くの病院はありますか?

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胆道がんの経過・予後

胆管がんや胆嚢がんの余命はどのくらいですか。

胆嚢がんと胆管がんでは多少異なりますが、いずれもステージ3以上だと1~2年と言われています。

胆管がんおよび胆嚢がんの余命は、ステージ(病気の進行具合を示す分類)によって異なります。

胆嚢がんの場合

5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)はステージ1で90%、ステージ2で70%と比較的良好ですが、ステージ3以上では30%以下に急激に下がります。
余命はステージ3で2年程度、ステージ4では1年以下と言われています(2016年3月報告)。

胆管がんの場合

5年生存率はステージが上がるにつれて徐々に悪くなり、ステージ1で60~80%、ステージ2で20~40%、ステージ3以上では20%以下です。
余命はステージ2で2~3年程度、ステージ3以上では1~2年と言われています(2016年3月報告)。

さらに詳しく:胆管がんや胆嚢がんの余命はどのくらいですか。監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

肝門部胆管がんになった場合の余命(生存率)はどのくらいですか?

5年生存率はがんの進行度により異なり、早期であれば70%、進行している場合は10%以下となります。

5年生存率はがんの進行度(ステージ)により異なります。

ステージごとの5年生存率(診断から5年後に生存している確率)は、

  • ステージ1:73.6%
  • ステージ2:35.4%
  • ステージ3a:21.6%
  • ステージ3b:19.1%
  • ステージ4a:15.9%
  • ステージ4B:8.0%

と報告されています(2015年報告)。

生存期間については、

  • ステージ2:38ヶ月
  • ステージ3a:26ヶ月
  • ステージ3b:21ヶ月
  • ステージ4a:19ヶ月
  • ステージ4b:12ヶ月

と報告されています(2015年報告)。

肝門部胆管がんは、手術においてがんの取り残しの可能性が高いことや、周術期の合併症の発生率が高いことなどから、予後は不良と言われています。

さらに詳しく:肝門部胆管がんになった場合の余命(生存率)はどのくらいですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

高齢者の方が胆管がんになった場合、余命はどのくらいですか?

高齢者に絞ったデータはないため、不明です。

高齢者に絞った余命のデータはないため、不明です。

ただ、一般的に胆管がんは50歳代から増え始め、70歳代~80歳代の高齢者に多い病気です。そのため、そもそもやや高齢で発症することが多いです。

年齢を考慮に入れなければ、一般的に胆管がんの5年生存率(5年後に生存している可能性)はステージが上がるにつれて徐々に悪くなります。

  • ステージ1で60~80%
  • ステージ2で20~40%
  • ステージ3以上では20%以下


余命はステージ2で2~3年程度、ステージ3以上では1~2年と言われています。

切除が困難な患者さんにおいては、化学療法を行った場合の生存期間の中央値は10.4ヶ月、化学療法を行わなかった場合は4.6ヶ月という報告があります。手術で切除した場合は33.3ヶ月となっています(2018年報告)。

さらに詳しく:高齢者の方が胆管がんになった場合、余命はどのくらいですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆道がんや胆管がんで黄疸や腹水がある場合の余命はどのくらいですか?

余命は黄疸や腹水の有無だけでは決まらず、病気の広がりや治療の継続性で幅があります。

胆道がん(胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がん)で黄疸や腹水がみられると余命が心配になりますが、その有無だけで見通しが決まるわけではありません。公的資料をもとに考え方を整理します。

胆道がんで黄疸が出るのはなぜ?

黄疸(おうだん)は皮膚や白目が黄色くなる状態です。胆道がんで胆管がふさがれると、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)が腸へ流れなくなり、黄疸が現れます。胆汁が流れないと腸での消化・吸収も不十分になるため、たまった胆汁を通すための処置(体外へ導く外ろう、管を入れて流れをつくる内ろう=ステント)が行われます(国立がん研究センター)。

胆道がんの黄疸は余命の短さを意味する?

黄疸があること自体が、余命が短いことを意味するわけではありません。胆汁の流れを取り戻せれば改善が期待できます。海外の報告では、切除できない胆道がんで胆道ドレナージ(胆汁の流れをつくる処置)を受けた82例のうち、その後に薬物療法へ進めた群の生存期間中央値は12.2ヶ月、進めなかった群は4.9ヶ月でした(Azarfaneら、2021年、フランスの後ろ向き研究)。日本人のデータではなく患者さんの状態の違いも影響しますが、黄疸そのものより、治療を続けられるかが経過に関わることがうかがえます。

胆道がんで腹水がある場合の余命はどのくらい?

腹水は、がんが腹膜(ふくまく=おなかの内側をおおう膜)に広がった場合などにたまります。悪性腹水を合併した場合の平均予後は4ヶ月未満といわれています(日本緩和医療学会『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2017年版』)。ただし、もとのがんの種類や治療への反応によって幅があります。

胆道がん・胆管がんの生存率と余命の見方

胆嚢・胆管の5年相対生存率は、2018年に診断された人で24.8%とされています(国立がん研究センター)。ただし同センターは、生存率のデータは平均的かつ確率として推測されるもので、すべての患者さんに当てはまる値ではないと説明しています。

胆道がんで黄疸や腹水があるときの治療と相談の仕方

胆道がんで検討される主な対応は次のとおりです。

  • 黄疸に対して胆汁の流れを回復させる処置
  • 手術ができない場合の薬物療法
  • つらさを和らげる緩和ケア(がんと診断されたときから始まります)

治療を続けるか、体の負担が少ない方法を中心にするかを話し合う時期でもあります。黄疸や腹水などの変化が気になるときは、主治医への相談や医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆道がんや胆管がんで黄疸や腹水がある場合の余命はどのくらいですか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会 編. がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版. Ⅱ章 背景知識 5 悪性腹水. 金原出版. 2017. https://jspm.ne.jp/files/guideline/gastro_2017/02_05.pdf.(参照 2026-09-08).
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
国立研究開発法人国立がん研究センター がん統計『胆のう・胆管』https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/9_gallbladder.html.(参照 2026-09-08).
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 患者数(がん統計)』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/patients.html.(参照 2026-09-08).
Azarfane M, Lièvre A, Senellart H, et al. Predictive Factors of Chemotherapy Initiation after Biliary Drainage for Advanced Biliary Tract Cancer: A Retrospective Multicenter Study. J Gastrointestin Liver Dis. 2021;30(2):254-258.

胆嚢がんで他の臓器に転移してしまった場合の余命(生存率)はどのくらいですか?

離れた臓器での転移がみられるステージ4bでは5年生存率4.1%、生存期間9ヶ月との報告があります。

胆嚢がんでは、肝臓や肺など他の臓器に転移が起こることがあり、転移の場所や数により病期(ステージ)が分類されています。

胆嚢は肝臓と接しているため、大きくなってくると肝臓に浸潤し、その後、胃・大腸・十二指腸などの他の臓器や、主要な血管に直接浸潤していきます。

このような場合には浸潤した臓器やその数によってステージ3aから4aと判断されますが、直接浸潤でなく離れた臓器に転移した場合、ステージは4bとなります。

ステージ4bの胆嚢がんの5年生存率(診断から5年後に生存している確率)は4.1%、生存期間は9ヶ月程度と言われています(2015年報告)。

ただし、予後については患者さんの状態や治療方法によっても異なります。詳細については医師にご相談ください。

さらに詳しく:胆嚢がんで他の臓器に転移してしまった場合の余命(生存率)はどのくらいですか? 監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆道がんの場合、50代、60代の余命はどのくらいですか?

年齢別のデータはありませんが、高齢の患者さんと比べて生存率は高い可能性があります。

胆道がんの年齢階級別罹患率をみると、50代後半から増え始め、年齢が上がるほど罹患率が上昇します。そのため、胆道がんは高齢の方に多い病気で、50代、60代というのは胆道がんとしては比較的若いということが言えます。

胆道がん全体の生存率としては、手術で胆道がんを切除した患者さんの5年生存率は33.3ヶ月という報告があります。 切除が困難な患者さんにおいては、化学療法を行った場合の生存期間の中央値は10.4ヶ月、化学療法を行わなかった場合は4.6ヶ月となっています。

一般的に、年齢の若い患者さんでは、大きな手術や、化学療法の副作用に体が耐える力も強く、がん治療を長く行える傾向にあります。そのため、50代、60代では、より長い生存期間を期待することができます。

もちろん、余命を決める要素は年齢だけではなく、がん自体の悪性度、発生した場所、周囲への広がり方、治療中の病気など、さまざまな要素によって決定します。

50代、60代でより長い生存期間が期待できるというのも、あくまでひとつの傾向であることには注意が必要です。

さらに詳しく:胆道がんの場合、50代、60代の余命はどのくらいですか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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胆道がんに関連するその他の質問

胆管がんで黄疸が見られることはありますか?

胆管がんでは黄疸が見られることがあります。胆管がふさがれ胆汁の流れが滞るために生じます。

胆管がんでは、胆汁(たんじゅう)の流れが妨げられることで黄疸(おうだん)が現れることがあります。ここでは黄疸が起こる仕組みや症状、黄疸が続いた場合の対応について解説します。

胆管がんで黄疸が見られるのはなぜ?

胆管は、肝臓でつくられた胆汁が十二指腸へ流れていく通り道です。胆管がんによって胆管の内部が狭くなると胆汁の流れが悪くなり、胆汁の色素であるビリルビンが血液中に増えていきます。血液検査でも、ビリルビンやALP、γ-GTP(胆道や肝臓の働きを示す酵素)が増えていることで黄疸を確認することができます(国立がん研究センター がん情報サービス)。血液中に増えたビリルビンが、黄疸として体の表面に現れ、皮膚が黄色くなる症状が出現します。

胆管がんの黄疸の症状

黄疸では、次のような変化が現れることがあるとされています(国立がん研究センター がん情報サービス)。

  • 皮膚や白目が黄色くなる
  • 尿の色が茶色っぽく濃くなる
  • 皮膚にかゆみが出る
  • 腸に届くビリルビンが減るため、便の色が白っぽくなる

胆管がんで黄疸が起こりやすい部位

黄疸は、胆汁が十二指腸へ流れていく通り道のどこかがふさがれ、胆汁の流れが滞ることで生じます。そのため、どの部分がどの程度狭くなっているかによって、症状の現れ方は異なります。胆管の小さな枝に近い肝内胆管癌ではそれほど黄疸が出ない場合が多いですが、肝外胆管癌では太い胆管が詰まるため、病気の比較的早い段階で黄疸が出現することが多いです。

胆管がんの黄疸以外の症状

黄疸のほかに、次のような症状が出ることもあるとされています(国立がん研究センター がん情報サービス)。

胆管がんの黄疸が続くとどうなる?

胆汁の流れが遮断されると黄疸の症状が出現し、そのままでは手術や薬物療法などの治療を安全に進めることが難しくなることがあります(国立がん研究センター がん情報サービス)。そのため、経鼻チューブで胆汁を体外に出す方法や、ステント(細い筒)を胆管の中に置いて腸へ胆汁を流す方法など、胆道ドレナージと呼ばれる処置で黄疸を軽くする処置をまず行います。
黄疸は早い段階での評価が必要な所見とされており(Brandi G et al, Dig Liver Dis. 2016)、皮膚や白目の黄色み、尿の色の濃さ、皮膚のかゆみなどに気づいたときは、医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆管がんで黄疸が見られることはありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)全ページ表示』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/print.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)検査』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/diagnosis.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)治療』https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-10-30).
Brandi G, Venturi M, Pantaleo MA, et al. Cholangiocarcinoma: Current opinion on clinical practice diagnostic and therapeutic algorithms: A review of the literature and a long-standing experience of a referral center. Dig Liver Dis. 2016;48(3):231-41.

胆道がんや胆管がんで急変してしまうことはありますか?また、前兆はありますか?

胆道がんでは胆管の閉塞による急性胆管炎で急変することがあり、前兆がない場合もあります。

胆道がん(胆管がん・胆嚢がんなど)では、治療中に容体が急に悪化することがあります。その多くは、胆汁(たんじゅう)の流れがせき止められて起こる急性胆管炎が関係しています。

胆道がんで急変することはある?

胆道がんでは、がんによって胆道(胆汁の通り道)がふさがれ、胆汁の流れがせき止められて黄疸(おうだん)が生じます(国立がん研究センター がん情報サービス)。この状態から急性胆管炎という感染症が起こると、短い期間で全身の状態が悪くなることがあります。急変は必ず前兆を伴うとは限らず、突然起こることもあります。

胆道がんが急変する主な原因は急性胆管炎

胆管がふさがって胆汁の流れが滞ると、そこに細菌の感染が起こり、急性胆管炎になります。細菌が血液の中に入り込むと、敗血症(はいけつしょう/全身に影響が及ぶ状態)に進むことがあります(日本胆道学会)。治療の柱は、抗菌薬の投与・胆管ドレナージ(たまった胆汁を管で外に出す処置)・詰まりの原因への治療とされています(急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018)。急性胆管炎は重症度によって段階分けされ、重症度が高いほど短期間の死亡リスクが高い一方、早期・緊急のドレナージを受けた場合は、死亡リスクが低かったと報告されています(Kiriyama S, et al. 2018)。

胆道がんの急変の前兆となる症状

次のような症状は、急性胆管炎の始まりのサインになることがあります。

  • 発熱
  • 右上腹部(みぞおちの右あたり)の痛み
  • 黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)

胆管がんでは黄疸が主な症状で、腹痛・発熱・全身の倦怠感・食欲不振・体重減少もみられることがあります(日本肝胆膵外科学会)。

胆道がんの治療中に起こるステント・ドレナージのトラブル

黄疸があるときは、胆汁を体の外や腸へ流す胆道ドレナージが行われます。体内にステント(細い管)を留置する方法では、ステントが抜けたりつまったりしても気づきにくく、腹痛や発熱、黄疸が出た場合はなんらかのトラブルが起きている可能性があります(国立がん研究センター がん情報サービス)。また、胆道をつなぎ直したあとに、つないだ場所が狭くなる、腸液が逆流するなどして胆管炎を起こすこともあります(同)。

胆道がんで早めに医療機関への相談を検討したいとき

治療中や経過観察中に、発熱、右上腹部の痛み、黄疸が新たに出たり再び現れたりしたときは、急性胆管炎やステントのトラブルが起きている可能性があります。急性胆管炎は早い時期の対応が経過に関わるとされているため、早めに医療機関への相談をご検討ください。

さらに詳しく:胆道がんや胆管がんで急変してしまうことはありますか?また、前兆はありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018(TG18新基準掲載)第3版.日本肝胆膵外科学会・日本腹部救急医学会・日本胆道学会・日本外科感染症学会 編,医学図書出版,2018.
Kiriyama S, Kozaka K, Takada T, et al. Tokyo Guidelines 2018: diagnostic criteria and severity grading of acute cholangitis (with videos). J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2018;25(1):17-30.
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』(2020年10月14日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本肝胆膵外科学会『胆管がん』https://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=9.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本胆道学会『急性胆管炎』https://www.tando.gr.jp/qa/qa03/.(参照 2026-09-08).

胆管ステントの交換時期はいつごろですか?

胆管ステントはプラスチック製で2〜3ヶ月、金属製で6ヶ月程度が交換の目安とされています。

胆道がんでは、がんが胆管をふさいで黄疸(おうだん)が出ることがあり、胆汁の流れを保つために胆管ステントを留置します。ステントは時間がたつと詰まってくるため、交換時期の目安を知っておくことが大切です。

胆道がんで胆管ステントを入れるのはなぜ?

胆管ステントとは、プラスチックや金属でできた細い管を胆管の中に置き、胆汁(たんじゅう)を本来の流れ道である腸の中に流す方法です(国立がん研究センター)。胆汁の通り道を確保することで、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる状態)の予防、改善が期待されます。留置する経路には、内視鏡を使う方法と、体の表面から肝臓を刺す経皮的な方法があります(日本IVR学会)。

胆道がんの胆管ステントの交換時期の目安

日本胆道学会によると、プラスチックステントは2〜3ヶ月程度、金属ステントは6ヶ月程度で閉塞してくると言われており、これが交換時期の目安とされています。ただし、患者さんの状態によって、目安より短くなることも長くなることもあります。金属製は径が太く詰まりにくいとされますが、同じ金属製でも詰まりやすさに差があることが報告されています。また、患者さんの体質による部分もあり、短期間で何回も詰まることもしばしばあります。

胆道がんの胆管ステントが詰まったときの症状

体内に置いたステントは、詰まったり位置がずれたりしても、症状が出るまで気づきにくいことがあります(国立がん研究センター)。次のような症状は、ステントになんらかのトラブルが起きているサインのことがあります。

  • 腹痛
  • 発熱
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなる)

胆道がんの胆管ステント交換の方法とリスク

閉塞した場合は、ステントを入れ替えるか、ステントを追加することがあります(日本胆道学会)。処置は内視鏡的または経皮的に行われますが、出血・膵炎(すいえん/膵臓の炎症)・痛み・感染などが起こることもあります(日本IVR学会)。こうしたリスクがあるため、患者さんの状況によっては目安の期間を超えてステントを留置したままにする場合もあります。

胆道がんの胆管ステント留置後に必要な検査

ステントとがんの状態を確認する目的で、定期的な通院による採血やCT、超音波(エコー)などの画像検査を行うことが大切です(日本IVR学会)。腹痛や発熱、黄疸などの症状があるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆管ステントの交換時期はいつごろですか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

日本胆道学会「内視鏡的胆管ドレナージ(ステンティング)」https://www.tando.gr.jp/qa/qa18/.(参照 2026-09-08).
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)治療」https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
日本IVR学会 広報委員会『がんによる閉塞性黄疸に対する胆管ステントとは? ―黄疸に対する治療法―』2009年3月制作. https://www.jsir.or.jp/wp-content/uploads/2015/03/IVR_PR200903tankan.pdf.(参照 2026-09-08).
Moses PL, Alnaamani KM, Barkun AN, et al. Randomized trial in malignant biliary obstruction: plastic vs partially covered metal stents. World J Gastroenterol. 2013;19(46):8638-46.
Sakai Y, Sugiyama H, Kawaguchi Y, et al. Uncovered versus covered metallic stents for the management of unresectable malignant distal biliary obstruction: a randomized multicenter trial. Scand J Gastroenterol. 2021;56(10):1229-1235.

胆道がんや胆管がんで食べてはいけないものや避けたほうがよいものはありますか?

胆道がん自体に禁止食品はなく、胆管ステント留置後は繊維質の多い食品に注意が必要とされています。

胆道がん・胆管がんそのものに、食べてはいけないと決められた食品はないとされています。ただし、黄疸(おうだん)の治療で胆管ステントを入れている場合など、治療や処置に合わせて気をつけたい食べ物はあります。

胆道がん・胆管がんで食べてはいけないものはある?

胆道がんの療養中の食生活は「できるだけ脂質を控え、消化のよいものをバランスよく食べること」が基本と説明されており、特定の食品を禁止するリストは示されていません(国立がん研究センター)。そのため、この食品は絶対に口にできないと決まっているわけではなく、体調や治療の内容に合わせた食べ方が中心になります。

胆道がんで胆管ステントを入れたあとに注意したい食べ物

胆道にがんができると胆道がつまり、胆汁(たんじゅう)の流れがせき止められることが多く、その場合はステントというプラスチックや金属の管を胆管の中に置き、胆汁を腸へ流す方法がとられます(国立がん研究センター)。このステントは、食べ物の成分や食物繊維が内側に付着してつまる(閉塞)ことがあると報告されています(Kwon CI, et al. Clin Endosc. 2016/Donelli G, et al. Clin Med Res. 2007)。繊維質の多い食品は、よく噛んで少量ずつにするなど、食べ方に配慮しておくと安心です。

胆道がんの化学療法中に気をつける食事

胆道がんに対して化学療法(抗がん剤治療)を行っている場合には、食事に注意が必要な状況があります。抗がん剤の作用で、血液検査で免疫を担う細胞の数値が減っている期間は、生焼けの肉、加熱の十分でない魚介類など、生ものの摂取には注意が必要です。また、プラチナ系の抗がん剤治療は腎臓に負担となるため、水分摂取は十分に行うことが推奨されます。注意が必要な点は治療の種類やその時の状況によって異なるため、担当医に確認しましょう。

胆道がんの食事の基本は脂質を控えて少量ずつ

国立がん研究センターは、療養中の食事の工夫として次の点を挙げています。

  • 食事は控えめの量から少しずつ、何回かに分けてとる
  • 脂肪分をとりすぎない(動物性脂肪を控え、植物性脂肪をとる)
  • 大豆製品や魚など良質なタンパク質をとる
  • 香辛料やコーヒー、紅茶は控えめにする
  • アルコールをとるときは、まず医師に確認する

胆道がんでステントが詰まったときに出る症状

ステントがつまると胆汁の流れが再び滞り、細菌が関わって胆管炎(たんかんえん)が起こることがあります。次のような変化がみられることがあります。

  • 発熱
  • 皮膚や白目が黄色くなる黄疸

胆道がんの食事で迷ったときの相談先

食べてよい量や内容は、病気の状態・治療の段階・体調によって変わるため、医師や管理栄養士の指示が優先されます。自分だけで判断せず、気になる食品があるときは治療を担当する医師に確認しておくとよいでしょう。ステントを入れたあとに発熱や黄疸が現れたときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

さらに詳しく:胆道がんや胆管がんで食べてはいけないものや避けたほうがよいものはありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

参考文献

国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 療養』(2025年3月25日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/follow_up.html.(参照 2026-09-08).
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』(2020年10月14日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-09-08).
Kwon CI, Lehman GA. Mechanisms of Biliary Plastic Stent Occlusion and Efforts at Prevention. Clin Endosc. 2016;49(2):139-146.
Donelli G, Guaglianone E, Di Rosa R, Fiocca F, Basoli A. Plastic biliary stent occlusion: factors involved and possible preventive approaches. Clin Med Res. 2007;5(1):53-60.

胆道がんは膵臓に転移しやすいのでしょうか?

膵臓への転移は滅多にありませんが、胆道がんは膵臓に広がっていくことがあります。

胆道がんが膵臓に転移することは滅多にありません。

転移とは、血液やリンパの流れを介してがんが発生した部位から離れた臓器にがんが到達することです。このような到達の仕方でがんが膵臓に転移することは少なく、転移性膵がんは膵臓悪性腫瘍の2%未満であるとされています。

しかし、胆道がんが膵臓に浸潤することはあり得ます。浸潤とは、がんが発生した部位からだんだんと周りの臓器へ広がっていくことです。

胆道と膵臓は近い位置にあり、特に遠位胆管は膵臓の中を通って十二指腸に出ていきます。胆管と膵臓が直接触れている部分もあるため、この部分に発生した胆管がんが膵臓に浸潤することは珍しくありません。

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胆管がんになりやすい人はどんな人ですか。

50歳以上の男性に多く、胆管の病気や化学物質、寄生虫、肥満、糖尿病、妊娠などがリスクと言われています。

胆管がんになりやすい人の特徴やリスク因子として、以下のような点が挙げられます。

胆管がんになりやすい人の特徴

年齢

50歳代から増加し、60歳代に最も多いです。

性別

男性は女性の2倍の多さであると言われています。

人種

日本人は、世界的に見て胆管がんになる確率が高いと言われています。

胆管がん発症のリスク因子

  • 膵胆管合流異常などの胆管に慢性炎症を起こす病気
  • 化学物質や寄生虫
  • 肥満や糖尿病
  • 妊婦さん

など

さらに詳しく:胆管がんになりやすい人はどんな人ですか。監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆道がんの場合でもできるスポーツや運動について、ステージ別で教えてください。

スポーツや運動に関して特に制限はありませんが、過度に疲れるような激しい運動は控えましょう。

胆道がんで治療を行っている場合、スポーツや運動に関して特に制限はありません。
適度な運動をすることは身体にも気分転換にもよく、積極的に行って構いません。

しかし、手術直後やしばらく安静にしている期間が続いていた患者さんは、いきなり激しい運動をすることは控えましょう。
以前から運動することに慣れている患者さんも、過度に疲れるような負担をかけることは禁物です。

無理をしない範囲で少しずつ身体を動かすことが大切です。

さらに詳しく:胆道がんの場合でもできるスポーツや運動について、ステージ別で教えてください。監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

胆嚢がんや胆管がんのステージについて教えてください。

ステージ分類は他のがんと同様にTNM分類を用いますが、胆嚢がんと胆管がんとではステージごとの5年生存率が異なります。

がんの進行をあらわす「ステージ」は、以下の3つの要素で評価します。3つの要素の頭文字をとって、TNM分類と言います。

がんのステージを決める3つの要素(TNM分類)

がんの深達度(T)

腫瘍が壁のどのくらいの深さまで浸潤しているか、周囲の血管および臓器に浸潤しているかなどを評価します。Tis、T1~T4の5段階に分けられます。

リンパ節転移の数(N)

リンパ節へ転移している個数を評価します。N0~N2に分けられます。

遠隔転移の有無(M)

遠隔転移の有無を評価します。M0(転移なし)またはM1(転移あり)に分けられます。

上記3つの要素の組み合わせによってステージが決まります。ステージは0から4まで5段階に分かれており、数字が大きくなるほど進行していることを表します。また、ステージによって生存率が異なります。

胆嚢がんの5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)

現在、ステージ1で90%、ステージ2で70%と比較的良好ですが、ステージ3以上では30%以下に急激に下がることが報告されています。余命はステージ3で2年程度、ステージ4では1年以下と言われています(2016年3月報告)。

胆管がんの5年生存率

ステージが上がるにつれて徐々に悪くなり、ステージ1で60~80%、ステージ2で20~40%、ステージ3以上では20%以下です。余命はステージ2で2~3年程度、ステージ3以上では1~2年と言われています(2016年3月報告)。

胆道がんの場合

治療方針を決めるにあたっては手術可能であるかが一番の問題となります。しかし、手術可能かどうかを判断するにあたって決められた基準はなく、それぞれの患者さんの状態によって検討されます。
そのため、ステージによって治療方針や術式が決まるということはありません。

さらに詳しく:胆嚢がんや胆管がんのステージについて教えてください。監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科
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胆道がんについて、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「胆道癌」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 最近、白目や体の皮ふが黄色くなっていると感じますか?
  • 体のだるさはありますか?
  • お腹の右上の方が痛みますか?
  • 皮ふにかゆみはありますか?
  • お腹の痛みがありますか?

胆道がんに関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

白目や皮ふが黄色くなっている
症状の頻度
初めての症状である
自覚した時期
1-4週間前から
症状の経過
改善も悪化もしていない
お腹の痛みがある
症状の程度
日常生活に支障が出る程度に痛む
症状の出方
全く前ぶれもなく、ある瞬間から激しい症状が出現した

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この記事の監修医師

監修医師 吉岡 藍子

吉岡 藍子

消化器内科・内科

消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03