胆管がんで手術できない場合の余命は?抗がん剤が効かないときはどうする?
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胆管がんで手術ができない場合の1年生存率での余命はどのくらいですか?
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胆道がんや胆管がんで抗がん剤が効かない場合、どうしたらいいですか?
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別の種類の薬物療法への切り替えを検討します。
胆道がん(胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がんの総称)の薬物療法で病気を抑えられなくなったときも、別の薬への切り替えや緩和ケアなど、いくつかの道すじがあります。
胆道がん・胆管がんの薬物療法(抗がん剤治療)でまず行う治療
手術で切除できない胆道がんでは、次のような薬物療法が挙げられています(国立がん研究センター がん情報サービス)。
- GC療法: ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせる治療
- GS療法: ゲムシタビンとテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を組み合わせる治療
- GCS療法: 3種類の薬を併用する治療
- GCD療法: ゲムシタビン・シスプラチンに加え、免疫治療であるデュルバブマブ3種類の薬を併用する治療
胆道がんで抗がん剤が効かないとはどのような状態か
治療を続けてもがんが大きくなる、新しい病変が現れるなど、病気の進行を抑えられなくなった状態を指します。副作用が強く治療を続けにくいときも、方針の見直しが検討されます。気になる症状が出たときには早めに担当医に相談するよう案内されています(国立がん研究センター がん情報サービス)。こうした判断は時に難しい場合があり、血液検査、画像所見の変化を含め慎重に評価します。
胆道がんの二次治療(次の抗がん剤への切り替え)
一次治療(はじめに行う治療)の効果がなくなったと判断した場合、基本的には二次治療に移ります。まず大切なのは、患者さんに化学療法を続ける体力が残されているか、という点です。化学療法には体の負担もあるため、患者さんの全身状態と治療のメリットを総合的に考慮して判断します。また、胆道がんの化学療法として使うことのできる薬は種類が少なく、一次治療が効かなくなった場合の選択肢も多くはありません。そのため、そもそも二次治療に切り替えるべきか、どの治療に切り替えるかは慎重に判断します。
有効な薬を使い切った胆道がんで検討される選択肢(がん遺伝子パネル検査・臨床試験)
標準治療がない、または標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんで、次の新たな薬物療法を希望する場合には、がん遺伝子パネル検査(がんの遺伝子の変化をまとめて調べる検査)も選択肢として存在します。ただし、自分に合う薬の使用(臨床試験を含む)に結びつく人は全体の10%程度といわれています(国立がん研究センター がん情報サービス)。
胆道がんの薬物療法を中止する判断と緩和ケア
体力や全身状態、副作用の程度によっては、薬物療法を続けずに、つらい症状を和らげる治療へ重点を移す選択もあります。緩和ケアは治療をあきらめることではなく、がんと診断されたときから始まるもので、がんの治療とともにいつでも受けることができるとされています(国立がん研究センター がん情報サービス)。今後の治療に迷うときは、医療機関への受診をご検討ください。
(参考文献)
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)』(2025年5月30日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/index.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療』(2020年10月14日更新)https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html.(参照 2026-10-30).
Lamarca A, et al. Second-line FOLFOX chemotherapy versus active symptom control for advanced biliary tract cancer (ABC-06): a phase 3, open-label, randomised, controlled trial. Lancet Oncol. 2021;22(5):690-701.
国立がん研究センター がん情報サービス『緩和ケア』https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/relaxation/index.html.(参照 2026-10-30).
国立がん研究センター がん情報サービス『がん遺伝子パネル検査』https://ganjoho.jp/public/diatre/treatment/genomicmedicine/genmed02.html.(参照 2026-10-30).
胆道がん(胆管がん・胆嚢がん)の治療について、化学療法(抗がん剤)やそのほかの薬物療法の種類と効果を教えてください。
胆道がん(胆管がん・胆嚢がん)の治療について、化学療法(抗がん剤)やそのほかの薬物療法の種類と効果を教えてください。
胆道がんの薬物治療ではゲムシタビン等が標準的に使用され、新しい機序のお薬も承認されています。
胆道がんの治療に使われる主なお薬には、細胞障害性抗がん剤と呼ばれる種類のゲムシタビン、シスプラチン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)があります。
また、近年では、免疫チェックポイント阻害薬という種類のお薬を、従来の化学療法(抗がん剤)と組み合わせて使用する治療も行われています。これらのお薬は、患者さん自身の免疫ががん細胞を攻撃する力を保つよう働きます。
一般的には、これらを以下のように組み合わせて使用します。主な研究結果とともにご紹介します。
■細胞障害性抗がん剤を組み合わせた治療
- GC療法
- ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせて使う治療法です。
- ゲムシタビンのみを使用した群では、生存期間中央値(半数の患者さんがその時点まで生存していた期間)は8.1ヶ月でしたが、ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせたGC療法では11.7ヶ月でした。
- シスプラチンは腎臓に負担となるため、腎機能の低下した方では注意が必要です。
- GS療法
- ゲムシタビンとS-1を組み合わせて使う治療法です。S-1のみを使用した群では、生存期間中央値は9.0か月でしたが、ゲムシタビンとS-1を組み合わせたGS療法では12.5ヶ月でした。
- GS療法は、シスプラチン使用時に必要となる長時間の点滴がない点が特徴です。
- GCS療法
■免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療
- GC+デュルバルマブ療法(GCD療法)
- ゲムシタビンとシスプラチンに、免疫チェックポイント阻害薬であるデュルバルマブというお薬を組み合わせる治療法です。GC療法では生存期間中央値が11.5ヶ月でしたが、GC+デュルバルマブ療法では12.8ヶ月でした。免疫チェックポイント阻害薬が含まれているため、免疫系の副作用には注意が必要です。
- GC+ペムブロリズマブ療法(GCP療法)
- ゲムシタビンとシスプラチンに、免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブを組み合わせる治療法です。GC療法のみの場合の生存期間中央値は10.9ヶ月でしたが、ペムブロリズマブを追加した群では12.7ヶ月でした。免疫チェックポイント阻害薬が含まれているため、免疫系の副作用には注意が必要です。
免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療では、発熱、倦怠感、皮膚症状などに加え、免疫の働きが強くなることで起こる副作用(免疫関連有害事象)に注意が必要です。
どの治療法を選択するかは、患者さんのがんの進行の程度や転移、全身状態、合併症、副作用のリスクなどを考慮して決定されます。体力的、年齢的に可能ならば、3種類の薬剤を使ったGCS療法、GCD療法、GCP療法が効果を期待でき、推奨されています。
一方で、化学療法には副作用もあるため、患者さんの体力、もともとの病気によっては、3種類の薬剤を使った治療では身体の負担が大きく、かえって体調を崩してしまうこともあります。
そういった場合には、より副作用の少ない2剤、1剤での治療を選択します。患者さごとにに体力と治療効果のバランスを考え、適した治療を見極める必要があります。
なお、胆道がんは胆道にできるがんの総称です。がんが発生した部位によって、胆管がんや胆嚢がんなどに分類されます。
(参考文献)
水野修吾ほか. 胆道癌における術前・術後補助化学療法の現状と課題. 胆道. 2024, 38, 142~152.
上野誠ほか. 胆道癌に対する薬物療法―現状と今後の展望-. 日消誌. 2023, 120, 319~324.
日本癌治療学会.“診療ガイドライン”.がん診療ガイドライン.http://www.jsco-cpg.jp/biliary-tract-cancer/guideline/#III,(参照 2026-05-22).
がん情報サービス.“胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん) 治療”..https://ganjoho.jp/public/cancer/biliary_tract/treatment.html,(参照 2026-05-22).
国立研究開発法人国立がん研究センター.“免疫療法 もっと詳しく”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html,(参照 2026-05-22).
国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ.薬物療法.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/index.html(参照 2026-5-22)
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横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
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