胆道がんや胆嚢がんではどのような検査を行いますか?

胆道がんでは造影CTやMRCP、ERCP、超音波内視鏡といった検査を行います。

解説

胆道がんでは造影CTやMRCP、ERCP、超音波内視鏡、といった検査を行います。

胆道がんは胆汁の通り道に発生するがんです。そのため、胆汁の通り道が塞がることで血液の中に胆汁の成分が多くなる「黄疸」によって皮膚が黄色くなる方や、胆管に細菌が感染する「胆管炎」、「胆嚢炎」となって発熱腹痛が現れる方がいます。それらの症状をきっかけに入院することで病気が見つかる場合が多いです。
これらの「黄疸」や「胆管炎」は、がんでなく「胆管結石」によっても起こることから、造影CTやMRCPといった検査で原因が何によるかをまず調べます。

また、CTの検査は病気が肺などの他の臓器や、リンパ節に転移していないかを調べるうえでも役に立ちます。
血液検査で腫瘍マーカーの値を調べることも、診断の助けになります。

画像の検査でがんが疑われた場合、
①本当にがんであるかどうか
②がんであれば、どこまで広がっているのか
を調べる必要があります。

①本当にがんであるのか

本当にがんであるかを確認するために、細胞の検査で診断を確定させることを試みます。検査の方法は病気のある場所によって異なります。具体的には処置用の内視鏡(胃カメラ)で、十二指腸の胆汁の出口から細い管を入れて細胞を採取するERCPという検査や、皮膚から針を刺して細胞を取ってくる経皮的生検という方法があります。病変が十二指腸に近い時にはERCP、十二指腸から遠いときには経皮的生検が適している場合が多いです。

②がんであれば、どこまで広がっているのか

がんの広がりを調べるために、造影CTやMRCPの検査が有用です。造影CTは遠隔転移やリンパ節転移が無いかを調べるために有用です。MRCPはMRI検査のひとつで、胆管の中にどれほど広がっているかを大まかに調べるうえで大切な検査です。
これらの検査に加えて、超音波内視鏡検査(EUS)で、病気が胆管のどの範囲まで広がっているかをより細かく調べます。胆道がんは病気のあるように見える場所を超えて薄く、広範囲に分布していることがあります。病変の範囲は治療の方法を決めるうえで非常に大切なので、これらの検査を用いてできる限り正確に調べます。

このように、胆管がんが疑われた場合にはさまざまな検査で病気の状況を調べます。大切なことは、これらの検査には患者さんの体の負担を伴うため、負担の大きい検査をどこまで行った方が良いかは患者さんごとの状況によって異なる、ということです。
特にERCPやEUSは合併症のリスクもあります。年齢や病気などで負担の大きい検査を行わない方が良い場合には、CTやMRCPなど負担の少ない検査のみを行って治療に入るということもしばしばあります。

公開日

最終更新日

医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

石川 翔理 監修

関連する病気と症状

(参考文献)

こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。

こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。

この記事をシェアする

𝕏
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる
ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。

詳しくはこちら

サービスの目的と位置付け

ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。