胆道がんや胆管がんで手術できないのはどのようなケースですか?また、なぜできないのでしょうか?
病変の場所や広がり、患者さんの年齢、持っている病気などをもとに決定します。
胆道がんや胆管がんで手術できないケースとしてはいくつかの状況があります。
まず、年齢や病気のために全身麻酔の手術そのものが難しいような場合には、手術以外の治療が望ましいでしょう。
また、遠隔転移やリンパ節転移によってがんが全身に広がっている場合には、腫瘍の部分だけを切除しても意味は無く、手術以外の治療が選択されます。
遠隔転移の無い場合、可能であれば手術を行います。胆道がんの場合、手術可能であるかの判断は非常に難しく、おおまかに説明するならば、手術で切除しても生命に問題の無い範囲に留まっているか、という点が重要になってきます。
最も単純なのは胆嚢がんが疑われる場合で、その場合には胆嚢と、隣接する肝臓を手術で取り除きます。胆管は肝臓~膵臓~十二指腸へ複数の臓器に、樹の枝のように広がっているため、胆管のどの部位に病気ができるかによって手術の方法は全く変わってきます。基本的に、胆管に付随する肝臓や膵臓、十二指腸といった臓器を一緒に切除する必要があります。
肝臓の端に病気がある場合には、病気のある肝臓の一部を切除する手術が行われます。しかし肝臓の中心側、胆管の大きい枝分かれの付近に病気が及んでいる場合には、話が変わってきます。枝分かれの付近に病気があると肝臓をすべて取り除かなければがんが取り切れない場合があり、そのような場合には手術はできません。肝臓をすべて取り除けば生きていくことはできないためです。
肝臓から遠く、十二指腸に近い側にある胆管がんの場合には、胆管、十二指腸、膵臓を同時に切除する手術となる場合もあります。多くの臓器を切除する必要がある手術のため体の負担は大きく、患者さんの年齢や病気を加味して治療法を決定します。
このように、胆管がんの手術は病気のできる場所、広がりによって手術の方法や体の負担が大きく異なります。治療を行う医師はその患者さんにとって最も良い治療法を、各種検査結果をもとに判断します。病気の範囲や場所から手術治療の難しい場合には、抗がん剤治療など他の治療方法を検討することになります。
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最終更新日:
医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
石川 翔理 監修
(参考文献)
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