膀胱癌
「膀胱癌」とは、尿の排泄に関わる臓器である膀胱にできる癌(がん)のことを言います。喫煙によって発症リスクが高くなることが知られており、症状には頻尿や血尿、下腹部の痛みなどがあります。膀胱癌は早期に治療すれば、比較的生存率が高い癌です。痛みを伴わない血尿が見られる場合、膀胱癌の可能性があるのですぐに泌尿器科を受診しましょう。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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下腹部にある尿を溜めたり出したりする「膀胱」という臓器にできるがんのことです。
喫煙が主な原因です。その他に、特定の化学物質に触れつづけること、遺伝などが原因に挙げられます。
5年生存率は全体で約60〜70%で、早期で見つかったものは約82%、進行しているものは約18%程度という報告があります。
がんのステージやタイプなどによって個人差がありますが、筋層を超えると急速に進行が早まります。
膀胱癌のステージは、0期からⅣ期までの5段階に大きく分けられます。
膀胱癌が体内から栄養を奪い取り、体内で炎症も起こし、食欲も落ちて身体が衰弱してしまうためです。
膀胱癌の余命は年齢や体力、持病、治療法などで異なりますが、ステージが進むほど短くなります。
TNM分類はがんの広がりを評価する分類で、膀胱癌ではがんのステージを分類する際に用いられます。
膀胱癌で完治が見込まれるかどうかは、患者さんの病状やがんの進行状態などによって異なります。
膀胱癌の主な危険因子は喫煙で、禁煙が強く推奨されます。他の発がん物質や慢性炎症の回避も重要です。
膀胱癌は、リンパ節や肺、肝臓、骨、脳などへ転移しやすいことが知られています。
膀胱がんの予後はがんのステージや患者さんの年齢・持病等で大きく左右され、早期では完治も期待できます。
進行すると、がんが膀胱だけでなく他の臓器にも広がり、体が衰弱して死に至ることがあります。
治療しないとがんが膀胱外に広がりやすくなり、早く体が衰弱して死に至る可能性が高まります。
膀胱癌が再発した場合の余命は、がんの進行度や再発・転移の場所により異なり、一概には言えません。
現時点では、膀胱癌とコーヒーの直接的な関連は明らかではありません。
やや困難です。手術方法や術後のケア次第では、可能になることもあります。
現時点では、特定の食品や飲料品、栄養素が膀胱癌の発生や進行に関係するかは明らかになっていません。
現時点では、特定の食品や飲料品、栄養素が膀胱癌の再発予防に有効かは明らかになっていません。
症状について
無症状のことが多いですが、血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)などが起こることがあります。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
意識や呼吸の状態がおかしいなど、命の危険性を示す症状や、全身が黄色くなるといった症状がある場合には、がんが進行していて治療が困難な可能性が高いと考えられます。
血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)、体重の減少などがあります。
はい、膀胱癌の約64%で血尿が肉眼で確認できたという報告があります。
初期は血尿や頻尿、排尿時の痛みなどが多く、進行すると発熱や体重減少など膀胱以外にも症状が現れます。
血尿は膀胱がんの主な症状で、初期のステージから現れることがあります。
膀胱癌が進行すると、食欲不振や体重減少、転移や浸潤に伴う部位特有の症状が現れます。
男女で症状に大きな違いはなく、主な初期の症状は血尿や頻尿、排尿時の痛み、残尿感などです。
初期症状は血尿や頻尿で膀胱炎に似ていますが、進行すると発熱や体重減少など多様な症状が現れます。
治療について
膀胱の切除や薬による治療、放射線の照射などを行います。
基本的には何らかの治療を行いますが、ご本人にとってメリットの少ない治療は選択しないこともあります。
膀胱癌の手術には、診断と治療を兼ねた経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)や膀胱全摘除術があります。
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の痛みや血尿は、通常、数日~1週間程度でおさまります。
副作用もありますが、免疫力を高め、再発や進行リスクの高い患者さんに対する有効な再発予防法です。
個人差はありますが、術後1ヶ月ほどかかることが多く、体調や食事、排尿方法などに注意が必要です。
受診について
検査について
(参考文献)
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