膀胱癌の進行速度はどのくらいですか?
がんのステージやタイプなどによって個人差がありますが、筋層を超えると急速に進行が早まります。
膀胱は袋状の臓器で、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、周囲の脂肪という層に大まかに分けられます。
膀胱癌は、最も内側の粘膜から主に発生し、外側に向って進行しながら大きくなります。さらに悪化すると膀胱の周りや、肺や肝臓といった離れた場所に転移して、命に関わることが多いです。
膀胱癌の進行速度には個人差があり、膀胱癌のステージ(病気の進行具合を示す分類)やタイプ、原因の有無などによって異なります。
膀胱癌のステージ
がんの進行度合いを具体的に分類したものをステージ分類と言います。基本的にステージが高くなるにつれて進行速度は速くなり、生存率も低くなります。特に膀胱癌は、がんが膀胱の筋層まで到達してしまうと転移のリスクが高まるため、進行が早まります。2023年までのステージ分類とその生存率は、こちらをご参照ください。
膀胱癌のタイプ
膀胱癌は、膀胱にできたがんの総称ですが、それぞれのがんは、顕微鏡でみるといくつかのサブタイプに分けることができます。代表的なものは以下の通りです。
- 尿路上皮系腫瘍
- 扁平上皮系腫瘍
- 線系腫瘍
- 神経内分泌腫瘍
膀胱癌のうち90%以上は尿路上皮系腫瘍というタイプで、その中にも細かな分類があり、そのうち約30%は進行するスピードが速いです。また、尿路上皮系腫瘍以外のタイプはそれぞれ1~2%程度とまれですが、尿路上皮がんのステージに関わらず、急速に進行する可能性があります。
膀胱癌を起こす原因
以下のような原因があると、膀胱癌になりやすくなり、再発もしやすくなるため、進行が早まる可能性があります。
- 喫煙(している、または、したことがある)
- 特定の化学物質への曝露(ばくろ:何らかの物質にさらされる・接触すること)
- 遺伝、膀胱癌の方と血のつながり
特に喫煙は膀胱癌の最大のリスクで、膀胱癌の50%は喫煙によるものの可能性があります。喫煙によって尿中に発がん物質が生まれてしまうことが原因と考えられており、禁煙することで発がんリスクを減らすことができます。
その他の要因
以下のような要因で、治療後の生存率が悪くなる可能性があります。
- 高齢
- 筋力が乏しい(フレイル)
- 心臓や肺などの持病
膀胱癌が進行した場合は、長時間を要する手術や化学療法が必要になる場合があります。ただし、その手術や化学療法に耐えられないと考えられる場合は、効果が若干弱い他の治療方法に変更されます。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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