膀胱癌(膀胱がん)の生存率はどのくらいですか?

5年生存率は全体で約60〜70%で、早期で見つかったものは約82%、進行しているものは約18%程度という報告があります。

解説

膀胱は袋状の臓器で、内側は粘膜で覆われ、外側は筋肉で覆われています。膀胱がんは内側から外側に向かって進行することが多く、進行度は初期のステージ1からがんが進行した状態であるステージ4まで大まかに4段階に分類することができます。日本における、5年間がんで亡くならなかった確率(5年生存率)は、ステージごとに以下の通りです。

ステージ1

がんが膀胱の筋肉まで入り込んでいないもの。5年生存率は82.0%。

ステージ2

がんが膀胱内に留まるものの、筋肉にまで到達しているもの。5年生存率は53.9%。

ステージ3

がんが膀胱の周囲の臓器にまで入り込んでいるもの。5年生存率は40.2%

ステージ4

がんが骨盤内に入り込んでいたり、リンパ節転移や遠隔転移(がん細胞が最初に発生した場所と別の臓器や器官に移動して増えること)を起こしていたりするもの。5年生存率は18.3%。

膀胱がんの5年生存率は、全体としては60〜70%程度とされています。ただし、がん細胞・組織の形(病理検査の結果)や遺伝子の変異、年齢、治療の有無や治療方法によってがんの進行のスピードは異なります。先の数字はあくまで目安であり、全員に当てはまるわけではありません。
より早めに発見することで治療は成功しやすくなるので、検診での尿検査などを積極的に受けるようにしましょう。また、血尿や膀胱刺激症状(頻尿やおしっこの時の痛み、残尿感など)が続く時は、早めに泌尿器科を受診するようにしましょう。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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(参考文献)

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