膀胱癌のBCG治療とはなんですか?
副作用もありますが、免疫力を高め、再発や進行リスクの高い患者さんに対する有効な再発予防法です。
膀胱癌のBCG治療は、再発や進行リスクが高い患者さんに対して、がん細胞を攻撃する免疫力を高めて、再発や進行を予防する目的で行われる治療です。
BCG(Bacillus Calmette-Guérin)は牛型弱毒結核菌から作られた製剤で、膀胱内に注入することで膀胱の表面に炎症を起こし、白血球を呼び込んで免疫反応を活性化させます。
治療の流れ
膀胱癌の治療としてまず行われる経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)のあと、病理検査で再発進行リスクが高いと判断された場合にBCG治療が行われます。治療では、膀胱内に40ml程度のBCG製剤をカテーテルで注入し、1時間保持後に排尿して薬剤を破棄します。
治療回数
初回治療では週1回、6~8回行うことが一般的です。その後、1~3年間定期的に追加治療を行う場合もあります。
効果
BCG治療は、抗がん剤による膀胱内注入療法よりも高い再発予防効果が期待されます。特に筋層非浸潤性膀胱癌(Ta、Tis、T1)で再発リスクが高い場合に有効です。
副作用
BCG治療は効果が高い一方、副作用が出ることがあります。
主な副作用
重度の副作用
- 萎縮膀胱:膀胱が小さくなり、頻尿や排尿困難を引き起こすことがあります
- ライター症候群:関節痛や目の充血などの症状が出ることがあります。症状が現れた場合は、すぐに担当医に相談してください
- 播種性BCG感染症:BCGが全身に感染することがあります。発熱が続いたり、だるさが強い場合は医療機関に連絡しましょう
副作用が強く現れる場合には、治療を中止したほうがよいこともありますので、症状がある場合は我慢せずに担当医や医療スタッフに相談しましょう。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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