高齢者が膀胱癌になった場合、治療しないこともあるのですか?
基本的には何らかの治療を行いますが、ご本人にとってメリットの少ない治療は選択しないこともあります。
手術や薬物治療の研究、高齢者に対する治療経験の蓄積などによって、しっかりと体の状態を評価することで、高齢であっても以前より根治を目指した治療をうけやすくなっています。
ただし、身体機能や持病、喫煙の状況などにより治療の副作用や合併症に耐えられないと考えられる場合や、そのような治療を望まない場合などは、膀胱温存療法や症状を緩和するための治療などの他の治療を行います。
また、患者さんが納得して治療を受ける必要があるので、病気の進行度や、患者さんの生活の質(QOL)、通院や入院の負担、経済的な負担などを総合的に考慮して、メリットの少ない治療は選択しないこともあります。
膀胱癌は放置すると悪化する速度がやや早いため、治療方針を早めに決めることが重要ですが、なるべく後悔しないように、我慢せずに担当医や病院のスタッフと治療方針を相談しましょう。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
日本泌尿器科学会. 膀胱癌診療ガイドライン2019年版 [増補版]. 医学図書出版. 2023
Valérie Fonteyne et al. Curative Treatment for Muscle Invasive Bladder Cancer in Elderly Patients: A Systematic Review. Eur Urol. 2018, 73, 40-50.
Soria, Francesco et al. How to optimally manage elderly bladder cancer patients?. Transl Androl Urol. 2016, 5, 683-691.
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「膀胱癌(膀胱がん)」とはどのような病気ですか?
下腹部にある尿を溜めたり出したりする「膀胱」という臓器にできるがんのことです。
膀胱癌(膀胱がん)の原因は何ですか?
喫煙が主な原因です。その他に、特定の化学物質に触れつづけること、遺伝などが原因に挙げられます。
膀胱癌(膀胱がん)には初期症状はありますか?
無症状のことが多いですが、血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)などが起こることがあります。
膀胱癌(膀胱がん)の場合、主にどのような治療をしますか?
膀胱の切除や薬による治療、放射線の照射などを行います。
膀胱癌(膀胱がん)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、病院を受診する目安はありますか?
まずは泌尿器科を受診しましょう。
膀胱癌(膀胱がん)のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
すでに手遅れとなっている膀胱癌(膀胱がん)の症状には何がありますか?
意識や呼吸の状態がおかしいなど、命の危険性を示す症状や、全身が黄色くなるといった症状がある場合には、がんが進行していて治療が困難な可能性が高いと考えられます。
膀胱癌(膀胱がん)の生存率はどのくらいですか?
5年生存率は全体で約60〜70%で、早期で見つかったものは約82%、進行しているものは約18%程度という報告があります。
膀胱癌(膀胱がん)ではどのような症状が見られますか?
血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)、体重の減少などがあります。
膀胱癌の進行速度はどのくらいですか?
がんのステージやタイプなどによって個人差がありますが、筋層を超えると急速に進行が早まります。
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