膀胱癌では血尿がみられますか?
はい、膀胱癌の約64%で血尿が肉眼で確認できたという報告があります。
尿に血が混じっていることを血尿と言い、肉眼で尿がオレンジ色や赤色にみえる尿を「肉眼的血尿」と言います。
また、見た目では分からないものの、顕微鏡を使った尿検査を行うと尿に赤血球が確認できる血尿を「顕微鏡的血尿」と言います。
膀胱癌は膀胱の粘膜(尿に触れる面)にできやすく、出血しやすいため、尿に血が混ざりやすいです。
実際に膀胱癌の約64%は肉眼的血尿があり、約6%には顕微鏡的血尿がでることがあります。
血尿は膀胱炎や尿路結石などの膀胱の粘膜などを傷つける病気や、糸球体腎炎などの腎臓の病気といった膀胱癌以外の病気でもでることがあります。そのため、肉眼的血尿で膀胱癌が見つかる確率は17%、顕微鏡的血尿では4%と報告されています。
いずれにしても、血尿は膀胱癌の発見のきっかけになる重要な症状のため、血尿が肉眼で見えた場合や、健康診断で血尿を指摘された場合、または気になる場合は放置せずに泌尿器科を受診しましょう。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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「膀胱癌(膀胱がん)」とはどのような病気ですか?
下腹部にある尿を溜めたり出したりする「膀胱」という臓器にできるがんのことです。
膀胱癌(膀胱がん)の原因は何ですか?
喫煙が主な原因です。その他に、特定の化学物質に触れつづけること、遺伝などが原因に挙げられます。
膀胱癌(膀胱がん)には初期症状はありますか?
無症状のことが多いですが、血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)などが起こることがあります。
膀胱癌(膀胱がん)の場合、主にどのような治療をしますか?
膀胱の切除や薬による治療、放射線の照射などを行います。
膀胱癌(膀胱がん)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、病院を受診する目安はありますか?
まずは泌尿器科を受診しましょう。
膀胱癌(膀胱がん)のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
すでに手遅れとなっている膀胱癌(膀胱がん)の症状には何がありますか?
意識や呼吸の状態がおかしいなど、命の危険性を示す症状や、全身が黄色くなるといった症状がある場合には、がんが進行していて治療が困難な可能性が高いと考えられます。
膀胱癌(膀胱がん)の生存率はどのくらいですか?
5年生存率は全体で約60〜70%で、早期で見つかったものは約82%、進行しているものは約18%程度という報告があります。
膀胱癌(膀胱がん)ではどのような症状が見られますか?
血尿や頻尿、おしっこの時の痛み(排尿時痛)、体重の減少などがあります。
膀胱癌の進行速度はどのくらいですか?
がんのステージやタイプなどによって個人差がありますが、筋層を超えると急速に進行が早まります。
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