子宮体癌の初期症状は?子宮体癌と症状の関連性をAIで無料でチェック
監修医師金沢 誠司産婦人科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
子宮体癌とは
子宮体部にできる悪性腫瘍(癌)で、子宮内膜から発生するため子宮内膜癌とも呼ばれます。40歳以降(特に閉経後)の女性に多く、不正出血(生理以外の出血)等の異常を認めますが無症状のこともあります。肥満や更年期以前からの無月経、生理不順が原因になることがあります。
子宮体癌の疑陽性とは何ですか?
検査の結果、本当は陰性なのにも関わらず陽性(子宮体癌)と判定されることです。
疑陽性とは、子宮体癌の検査で本当は陰性なのに「陽性」と判定されることです。再検査をして陰性となった場合、最初の検査は疑陽性の可能性があります。
子宮体癌の検査は、子宮内膜の細胞や組織を採取して調べる細胞診や組織診によって行われるのが一般的です。検査は子宮内膜の細胞や組織を病理検査で判定して結果が出ますが、誤判定が起こる可能性が全くないとは言えません。 その結果、本来は陰性なのに陽性と判定される可能性があります。逆に、本当は子宮体癌であるにもかかわらず、誤って陰性と判定されることもあります。
参考文献
日本婦人科腫瘍学会.“子宮体がん”..https://jsgo.or.jp/public/taigan.html,(参照 2026-01-30).
日本産婦人科.“子宮体がん”..https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/,(参照 2026-01-30).
Ting Wang et al.“Endometrial Cytology in Diagnosis of Endometrial Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis of Diagnostic Accuracy”.National Library of Medicine.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10054381/,(参照 2026-01-30).
子宮体癌の検診とはどのようなものですか?
子宮口から細い器具を挿入し、子宮内膜細胞診や組織診を行います。
子宮体癌の検診では、内診台の上で子宮口から子宮内腔に細い器具を挿入して、子宮内腔(子宮内膜)の細胞や組織を回収します。
細胞や組織の回収方法としては、
- 吸引して陰圧をかけることで回収する方法
- ブラシのようなもので物理的に擦って回収する方法
の2つの方法があります。通常、数分程度の処置であり、痛み止めなどの麻酔は必要ないことが一般的です。
まれに、子宮口が閉鎖して器具が入りづらい場合には時間を要することや、麻酔を使用して行うことがあります。
子宮体癌の検診の主な対象者は、以下の通りです。

「子宮体癌」とはどのような病気ですか?
子宮体部と呼ばれる、妊娠時には赤ちゃんを養う部位に生じるがんを「子宮体癌」と呼びます。
子宮は、妊娠時に赤ちゃんを育てるための「子宮体部」と、出産時に産道となる「子宮頸部」に分けられます。子宮頸部は腟と繋がっており、子宮頸部の頭側にあるのが子宮体部となります。子宮体部には、子宮の内側に位置する子宮内膜と、子宮内膜を取り囲むように外側に存在する子宮筋層が存在しますが、特に子宮内膜から発生するがんのことを「子宮体癌」と呼びます。
子宮頸がんが比較的若年の女性においても見られるのに対して、子宮体癌は50〜60歳代の中高年の女性に多く見られます。
子宮体癌の症状
子宮体癌のステージごとの自覚症状を教えてください。
初期症状として不正出血やおりものの増加がみられ、がんが進行すると全身の倦怠感や下腹部の痛みなどが現れます。
子宮体癌のステージ1、ステージ2では、以下のような症状がみられます。
- 不正出血:通常の月経以外の出血
- 帯下増加:おりものの量が増える
- 過多月経:月経の量が多くなる
進行期であるステージ3、ステージ4に進むと、以下の症状がみられます。
これらの症状は、病状の進行や個々の患者さんの状態によって異なることがあります。
参考文献
日本婦人科腫瘍学会. 子宮体癌治療ガイドライン2023. 金原出版. 2023
The American Cancer Society medical and editorial content team. Signs and Symptoms of Endometrial Cancer. cancer.org, https://www.cancer.org/cancer/types/endometrial-cancer/detection-diagnosis-staging/signs-and-symptoms.html(参照 2025-02-27)
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん):[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ].国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html(参照 2025-02-27)
子宮体癌の症状である腰痛はどんな痛みですか?
子宮体がんの腰痛は、腰部が重いような鈍痛からしびれるような痛み、骨がズキズキとするような痛みなど様々です。
子宮体癌による腰痛は、癌の浸潤部位によって異なり、腰部が重いような鈍痛からしびれるような痛み、骨がズキズキとするような痛みなど、さまざまです。一般的には子宮体癌の症状は、初期には疼痛を伴わず、閉経後の不正性器出血などが主な症状として出現します。
がんが子宮体部を超えて、周囲の靭帯や神経を圧迫したり骨に転移すると腰部に疼痛が出現しやすくなります。子宮を支える骨盤奥の靭帯を圧迫すると腰の奥から臀部にかけて重い鈍痛が続く原因になります。また神経を圧迫すると腰部から下肢にかけてしびれるような痛みが広がることもあります。頻度としては多くありませんが、骨に転移するとズキズキするような痛みを感じることもあります。
参考文献
Heba Mahdy et al.“Endometrial Cancer”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK525981/,(参照 2025-10-08).
日本婦人科腫瘍学会.“子宮体がん治療ガイドライン2023年版:(金原出版)”..https://jsgo.or.jp/guideline/taiganguide2023.html,(参照 2025-10-08).
.“子宮体がん(子宮内膜がん)”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html,(参照 2025-10-08).
日本産科婦人科学会.“子宮体がん”..https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/,(参照 2025-10-08).
子宮体癌の症状として、どのような痛みがありますか?
子宮体癌で痛みの症状があることは少なく、特徴的な痛みはありません。
子宮体癌の主な症状は不正出血であり、特に初期の間は痛みの症状がないことがほとんどです。痛みがあっても、軽い下腹部の違和感、鈍痛程度でしょう。
がんが進行して周囲に浸潤することで、以下のような痛みを感じる可能性があります。
- 下腹部の持続的な鈍痛や圧迫感
- 神経への浸潤や圧迫による刺すような痛み
- 膀胱や直腸へ浸潤することによる排尿や排便などに伴う痛み
- がん細胞がお腹の中で広がり、炎症を起こすことによる腹部全体の強い痛み
子宮体癌の場合、どれくらい出血量が多いと初期症状の目安として疑われますか?
出血量の多寡で判断することは一般的ではありません。月経時以外の不正出血があれば医療機関を受診するのが望ましいでしょう。
子宮体癌の初期症状で一番多いのは、不正出血と言われていますが、ごく少量のこともあれば、出血量が多いこともあります。そのため、不正出血の量で判断することは一般的ではありません。
少量であっても月経時以外の不正出血がある場合には、一度医療機関で診察を受けるとよいでしょう。
特に子宮体癌は中高年の女性で多くみつかるため、閉経後の不正出血には注意が必要です。
不正出血がある場合には、速やかに受診することが推奨されます。
子宮体癌には初期症状はありますか?
不正出血(月経ではないときに血が出ること)、おりものに血や膿が混ざるといった症状が挙げられます。
子宮体癌では、不正出血(月経時以外の出血)が早い段階から起こることが知られています。特に閉経後に不正出血があった場合には注意が必要です。産婦人科で子宮体癌検査を受けるようにしましょう。
また、おりものに血や膿が混ざるといった症状が見られることもありますので、おりものの様子がいつもと違う場合にも受診をおすすめします。
子宮内膜癌にはどのような種類がありますか?
子宮内膜癌の主な種類は、類内膜がん、漿液性がん、明細胞がんです。
子宮内膜に発生するがん(子宮内膜癌)は、顕微鏡で見たときの細胞の形や性質に基づき、いくつかの「組織型」に分類されます。一般的に「子宮体癌」とは、この子宮内膜癌を指します。
主な組織型には、次のものがあります。
- 類内膜がん(るいないまくがん)
- 漿液性がん(しょうえきせいがん)
- 明細胞がん(めいさいぼうがん)
これらの組織型によって、がんの性質や、治療後の見通し(予後)が異なります。
類内膜がんは、子宮内膜癌の中で最も多いタイプです。このタイプは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに長期間さらされることが発生に関係している場合が多いことがわかっています。類内膜がんは、がんの悪性度に応じてグレード1(G1)、グレード2(G2)、グレード3(G3)に分類されます。
一方、漿液性がんや明細胞がんは、エストロゲンとは関係なく発生することが多いタイプです。これらの組織型は一般的に悪性度が高いとされ、グレード分類は行われません。
子宮体癌の原因
子宮体癌の原因や考えられる症状には何がありますか?
子宮体癌の発生には「エストロゲン」という女性ホルモンが関係しています。主な症状としては不正出血(特に閉経後)が挙げられます。
子宮体癌の原因
子宮体癌の原因としては、エストロゲンという女性ホルモンの影響が挙げられます。エストロゲンは脂肪細胞で作り出されるため、肥満細胞が多いと子宮体癌になりやすくなります。
以下の病気や状態は、肥満細胞の増加とそれに伴うエストロゲンの作られすぎを引き起こすため、子宮体癌のリスクを高めるとされています。
また、子宮体癌の発症リスクを高めるその他の要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 出産回数が少ない
- 初経が早い
- 子宮体癌を発症したことのある家族がいる
子宮体がんの症状
最もよく見られる症状としては、不正出血(特に閉経後)が挙げられます。その他の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 不規則な月経
- 月経血量の増加
- 骨盤の痛み、違和感
- おりものの異常
子宮体癌の検査・診断
経腟超音波検査で子宮体癌は発見できますか?
発見の契機となりますが、確定診断はできません。
経腟超音波検査では子宮内膜の厚さなどを観察することができ、子宮体癌の発見に有用な検査です。簡単に行えて非侵襲的な検査なので、スクリーニングや他の婦人科疾患の際にも行われます。
しかし、超音波検査だけでは子宮体癌の診断はできません。確定診断は、子宮内膜の細胞診・組織診といった病理検査で行われます。病理検査で子宮体癌と確定した場合、超音波検査のほかにもCT・MRIなどの画像検査を行ってがんの大きさや位置、広がりを調べることも少なくありません。
子宮体癌検査を受けた後に注意すべきことを教えてください。
出血や痛みに注意し、感染予防のため入浴や性行為を控えましょう。
子宮体癌検査では、子宮内膜から細胞や組織を採取するため、検査後は軽い出血や痛みがあることがありますが、通常は自然に治まります。検査後にいくつかの注意が必要です。
出血への対応
検査後に少量の出血が数日間続くことがあります。
- ピンク色から茶色のおりものが2~3日程度続くことがありますが、自然に収まるため心配はいりません
- ナプキンで対応してください
- 過度の出血がある場合は医療機関へ連絡しましょう
痛みへの対応
子宮収縮により検査後数時間は痛みが続く可能性があります。
- 症状が強い場合は痛み止めを服用してください
- 激しい運動は出血が収まるまで控えることが望ましいです。
感染症予防
検査により子宮内膜に傷が生じており、感染リスクが高い状態になります。明確な研究データはありませんが、以下の行為がそのリスクを上げる可能性を否定できないため注意が必要です。
- 性行為は数日から1週間程度控えるようにしましょう
- 入浴は翌日から可能ですが、過度に温めすぎないように注意しましょう
- 出血がある間は湯船に浸かるのを避け、シャワーで済ませましょう
- 温泉やプールは出血が収まるまで控えましょう
すぐに受診すべき症状
次のような症状があれば医療機関を受診しましょう。
日常生活
日常生活に制限はほとんどありませんが、激しい運動は出血がおさまるまで控えることが望ましいです。
子宮体癌検査の後の性行為について注意点を教えてください。
検査後は感染予防のため、数日から1週間程度性行為を控えましょう。
子宮体癌検査では、子宮内膜から細胞や組織を採取するため、子宮内膜に傷が生じるため、感染リスクが高い状態になります。明確な研究データはありませんが、性行為がそのリスクを高める可能性を否定できないため、一時的に控えることが推奨されます。
性行為を控える期間
- 明確な決まりはありませんが、医療機関では数日から1週間程度控えるよう指導されることが多いです。出血が治まるまでは特に注意が必要です。
検査後に起こりうる症状
- 少量の出血が2~3日程度続くことがあります
- ピンク色から茶色のおりものが出ることがあります
- 子宮収縮による痛みが数時間続く可能性があります
その他の注意点
- 発熱や改善しない下腹部痛などの症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。
子宮体がん検査のあと、性行為はいつから再開してよいですか?
感染症を防ぐため、出血が止まってからが望ましいでしょう。
現在、子宮体がん検診後の性行為の再開タイミングについて言及した学術データは確認できません。よって、個人の見解を示します。
子宮体がん検査で麻酔をしてくれる病院の探し方を教えてください。
まず、かかりつけの婦人科に確認しましょう。
現在、子宮体がん検診を受けられる病院の探し方について、学術的に説明された情報はありません。よって、以下に個人の見解を記します。
子宮体がん検査で器具が入らない場合はどうなりますか?
状況に合わせた最適な方法を、医師と相談しましょう。
状況に合わせた最適な方法を、医師と相談しましょう。子宮体がん検査で器具が入らないのは、主に子宮頸管が狭くなっている、痛みに耐えられないといったことが原因と考えられます。このような場合は、必要に応じて子宮頸管を広げる処置をしたり、麻酔を使ったりすることがあります。
それでも困難な場合は、検査を中止するか、経膣的超音波で内膜の厚さを測定するといった、代わりの方法が検討される可能性があります。最終的には、担当医と相談して方針が決まります。
子宮体癌の検査後に体調不良が起こることはありますか?
子宮体癌の検査後に体調不良が起こる可能性はあります。
子宮体癌の検査後に、体調不良が起こる可能性はあります。
代表的な体調不良としては、以下のようなものが挙げられます。
疼痛
子宮内部の細胞を採取する必要があるため、子宮頸がん検査と比較すると痛みなどの症状が出やすい傾向があります。
出血
子宮内膜を擦り細胞を採取するため、少なからず出血します。もともと内膜が厚い場合には出血が多くなることもあります。
その他(感染など)
頻度としては少ないのですが、検査の影響で子宮に感染を起こしてしまい、発熱することなどもあります。
検査後に事前に説明のない体調変化が起きた際には、検査もとの医療機関に相談することをおすすめします。
子宮体がん検査の「組織診」とは、どのような検査ですか?
子宮内膜から組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。
子宮体がん検査の「組織診」とは、子宮内膜から組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。細胞診よりも多くの検体が必要で、身体の負担は大きくなりますが、より正確な診断が可能です。
細い器具を子宮内に挿入して組織を採取し、がん細胞の有無や種類、悪性度を確認します。外来で日帰りの実施が可能で、局部麻酔を用いて痛みを軽減する場合もあります。軽い出血や下腹部の不快感が生じる場合があります。
特に異常な出血などの症状がある場合、検診で疑いが指摘された際に、確定診断として行われる、診断精度が高い検査法です。組織診の結果に基づいて治療方針が決定されます。
参考文献
Ana Luzarraga Aznar et al. Current challenges and emerging tools in endometrial cancer diagnosis. Int J Gynecol Cancer. 2025, 35, .
日本病理学会.市民の皆さまへ.日本病理学会,https://pathology.or.jp/ippan/pathdiag.html(参照 2025-07-07)
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/diagnosis.html(参照 2025-07-07)
子宮体がん検査は保険適用されますか?
不正出血など、症状がある場合は保険診療が適用されますが、検診の場合は基本的には適用されません。
保険が適用されない場合、医療機関ごとに値段が異なります。このため、以下に個人の見解を記載します。
子宮体がん検査のあとに出血が多く止まらない場合、どうすればよいですか?
検診を受診した医療機関に相談してください。
数日様子を見て、出血が続くようであれば、検診を受診した医療機関に相談してください。
子宮体がん検査では、子宮内膜の組織を採取するため、多少の出血が伴います。特に組織診では子宮内膜の一部を切除するため、出血が多くなる可能性があります。
数日程度で自然に止まりますが、数日間経過しても出血が多い、止まらない場合は受診した医療機関に相談してください。感染や他の合併症の有無を確かめたあとに、適切な処置を行ってくれるでしょう。
子宮体がん検査が痛くない病院はありますか?
痛みの感じ方には個人差があるため、全員にとって「痛くない」と言い切れません。
痛みの感じ方には個人差が大きいため、一様に評価できません。以下に個人の見解を記します。
子宮体がん検査で痛みをあまり感じない人もいますか?
個人差がありますので、あまり痛くないと感じる人もいるでしょう。
子宮体がん検査で痛みをあまり感じない人もいます。痛みの感じ方は個人差が大きく、検査方法や体の状態によって異なるためです。また、超音波検査を実施する際は、器具を子宮内には挿入しないため、ほとんど痛みを感じず、一時的な圧迫感や冷たさを覚える場合が多いと思われます。
子宮内膜の細胞を採取する検査では、分娩経験がある方は子宮口が開きやすく、器具の挿入がスムーズなため、痛みを感じにくい傾向があります。また、深呼吸や足の力を抜くといった方法も効果的です。
子宮体がん検査が痛くて叫んでしまうことはありますか?
叫んでしまうほどの激しい痛みはまれだと考えられます。
痛みの感じ方には個人差があり、現時点で学術的なデータが存在しません。以下に個人の見解を記します。
子宮体がん検診で「要精密検査」と言われたらどうすればよいですか?
産婦人科または婦人科の専門医療機関を受診しましょう。
子宮体がん検診で要精密検査と言われた場合、まずは落ち着いて産婦人科、または婦人科の専門医療機関を受診しましょう。この結果は「異常の可能性があるため詳細な確認が必要」という意味であり、必ずしもがんが確定したわけではありません。
精密検査では、主に子宮内膜組織診が行われます。これは細い器具で子宮内膜の組織を採取し、顕微鏡で細胞を詳しく調べる検査です。場合によっては、経腟超音波検査やMRI検査を行うこともあるでしょう。大切なのは、放置しないで医療機関を受診することです。
子宮体癌の検査結果の見方を教えてください。
陰性、内膜異型細胞、子宮内膜増殖症、子宮内膜異型増殖症、悪性腫瘍の5分類で表記されることが多いです。
子宮体癌の代表的な検査である内膜細胞診の結果は、以下の5段階で記載されることが一般的です。
内膜細胞診で示される結果と意味
陰性(陰性)
正常所見です。
内膜異型細胞(疑陽性)
病変の可能性が否定できない所見です。
子宮内膜増殖症(疑陽性)
異常な内膜の増殖が認められます。
子宮内膜異型増殖症(疑陽性)
細胞異型を伴う子宮内膜の異常増殖を認めます。より子宮体癌に近い状態です。
子宮体癌(陽性)
癌と考えられる細胞を認めます。
なお、従来はクラス分類(classⅠ~Ⅴ)で表記されていましたが、近年は推奨されていません。
子宮体癌の検査はどのようなものですか? 痛みはありますか?
子宮の中に器具を入れて細胞を採取します。痛みの感じ方には個人差がありますが、分娩歴がない方のほうが痛みを感じやすい傾向があります。
子宮体癌の検査方法
子宮体癌の検査では、超音波検査(エコー)に加えて、子宮内部の細胞・組織の採取を行います。採取のやり方としては、以下の2種類が挙げられます。
内膜細胞診
症状や超音波での観察で子宮体癌が疑われた際にまず行われる検査です。細い器具を子宮の奥(体部)に挿入して細胞を採取します。
内膜組織診
内膜細胞診で異常が見て取れた際などに、精密検査として行うことがあります。細胞診で用いる器具よりもやや大きい器具を用いて子宮内膜の組織を採取します。より多くの細胞・組織を採取できるため、正確な診断が可能となります。
検査に伴う痛みについて
内膜細胞診・組織診に伴う痛みの感じ方には個人差があります。傾向としては、分娩歴がある方のほうが器具の挿入が容易で、痛みも感じにくいとされています。
器具の挿入に時間がかかる場合や痛みが強い場合には、麻酔下で処置をできることもありますので、一度主治医と相談してみましょう。
性行為の経験がなくても、子宮体がん検査は受けるべきですか?
受けたほうがいいでしょう。
受けたほうがいいでしょう。子宮体がんは、主にエストロゲンの影響や肥満、糖尿病などの要因が関与して発生します。性行為の経験の有無とは直接的な関連性が低く、性行為未経験者でも発症リスクがあるためです。
特に、罹患率が増加する40代以降は、婦人科検診として定期的に確認するといいでしょう。子宮頸部や卵巣などの他の部位と併せて、超音波検査で確認できます。
子宮体がん検査を希望する、受けようか迷っている場合は、適切な間隔や方法はどのようなものか、婦人科医に相談してみましょう。
子宮体がん検査の「細胞診」とは、どのような検査ですか?
子宮内膜の細胞を採取し、がんの可能性がある細胞の有無を調べる検査です。
子宮体がん検査で行われる「細胞診」は、子宮体がんの疑いがある場合に行われるスクリーニング検査です。
この検査では、腟から細いブラシ状またはスプーン状の専用器具を子宮内に挿入し、子宮内膜を軽くこすって細胞を採取します。採取された細胞を顕微鏡で詳しく観察し、異型細胞(形状が正常でなく、がんの可能性がある細胞)の有無を調べます。
細胞を採取するために器具を挿入する時にチクッとした痛みや圧迫感を感じることがありますが、個人差が大きいでしょう。検査後は、茶色いおりものや軽い出血が数日間続くことがありますが、通常は自然に止まります。
参考文献
Ana Luzarraga Aznar et al. Current challenges and emerging tools in endometrial cancer diagnosis. Int J Gynecol Cancer. 2025, 35, .
日本産科婦人科学会.子宮体がん.公益社団法人 日本産科婦人科学会,https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/(参照 2025-07-07)
子宮体がん.公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会,https://jsgo.or.jp/public/taigan.html(参照 2025-07-07)
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/diagnosis.html(参照 2025-07-07)
子宮体がん検査で使うブラシとはどのようなものですか?
子宮内膜から細胞を採取するために設計された、細長い医療器具です。
子宮体がん検査で使用されるブラシは、子宮内膜から細胞を採取するために設計された医療器具です。
製造しているメーカーはいくつかありますが、いずれも細長い形状をしていて、子宮の奥にある内膜の細胞を的確に採取できるようになっています。細胞の採取と患者さんの負担軽減を両立できるように作られているものです。素材はナイロンやステンレス、、ポリプロピレン、塩化ビニールなどが使われています。
実際に使用する際は、医師が膣から子宮頸管にブラシを挿入し、子宮内部の細胞を採取します。子宮内膜にブラシの先端を軽く当てて回転させ、子宮内膜を擦って細胞を採取する仕組みになっています。
参考文献
.“一般医療機器 婦人科用剥離子 70955000スクリーブラシ”.医薬品医療機器総合機構.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/390044/390044_11B3X00051000002_A_01_02.pdf,(参照 2025-07-07).
.“一般医療機器 婦人科用剥離子 70955000 オネスト頚管ブラッシュ 集団検診用”.医薬品医療機器総合機構.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/180182/180182_13B1X00144000015_A_01_01.pdf,(参照 2025-07-07).
.“一般医療機器 婦人科用剥離子 70955000ソフトサイト”.医薬品医療機器総合機構.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/390044/390044_11B3X00051000003_A_01_02.pdf,(参照 2025-07-07).
子宮体がん検査で使われる器具はどのようなものですか?
主に子宮内膜から細胞や組織を採取するためのもので、検査の種類によって異なります。
子宮体がん検査で使用される器具は、主に子宮内膜から細胞や組織を採取するためのもので、検査の種類によって異なります。
細胞診では、細いチューブ状やブラシ状の器具を使います。子宮内に挿入し、内膜を軽くこすって細胞を採取するためのものです。
組織診では、がんの確定診断のために細い棒状の器具を使って採取したり、吸引したりして子宮内膜の組織を採取します。痛みを伴う場合は麻酔が使われることもあります。
安全かつ確実に子宮内膜の細胞や組織を採取できるよう設計されており、痛みや不快感を軽減する工夫が施されています。
参考文献
Ana Luzarraga Aznar et al. Current challenges and emerging tools in endometrial cancer diagnosis. Int J Gynecol Cancer. 2025, 35, .
日本産科婦人科学会.子宮体がん.公益社団法人 日本産科婦人科学会,https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/(参照 2025-07-07)
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/diagnosis.html(参照 2025-07-07)
子宮体がん検査を受けると、どのようなことがわかりますか?
がんの有無だけでなく種類や進行度など、治療方針の決定に必要な情報がわかります。
子宮体がん検査を受けると、がんの有無だけでなく種類や進行度など、治療方針の決定に必要な情報がわかります。
子宮体がん検査にはいくつかの種類がありますので、主な検査ごとに紹介します。
- 細胞診:がんの可能性がある細胞(異型細胞)の有無を調べます。
- 組織診:細胞診で異常があった場合、細胞の塊(組織)を調べて、がんの確定診断と悪性度(グレード)を評価します。
- 超音波検査:子宮の形やがんなどの病気の有無、周辺の臓器との位置関係などがわかります。
子宮体がん検査を受けるのに最適な生理周期のタイミングはありますか?
生理が終わったあとが最も適していると考えられます。
現時点ではガイドラインなどに明記されていません。よって、個人の見解を記します。
子宮体がん検査が原因で腰痛になることはありますか?
子宮体がん検査自体が直接的な原因となって腰痛が生じるのは、一般的にまれです。
子宮体がん検査と腰痛の関係について言及された学術的なデータは、現在示されていません。よって、以下に個人の見解を記します。
子宮体がん検査を、できるだけ痛くなく受ける方法はありますか?
検査時にリラックスして力を抜き、ゆっくり深呼吸しましょう。
検査時にリラックスして力を抜き、ゆっくり深呼吸することが重要です。緊張すると筋肉が硬くなって痛みを感じやすくなります。心配な時は、事前にスタッフに痛みの不安があることを伝えることをおすすめします。
また、痛みに弱い場合は事前に医師に相談し、事前に子宮口を広げる処置や、局所麻酔の使用ができないか確認しましょう。一般的には麻酔なしで検査しますが、子宮頸管が狭くて処置すると強い痛みを感じると予想される場合、麻酔を使うこともあります。
子宮体がん検査では、どのような痛みを感じますか?
個人差がありますので一概に言えません。
個人差がありますので一概に言えませんが、膣から器具を挿入する際に痛みを感じる可能性、実際に細胞を採取する際にチクっとした痛みを感じる可能性が考えられます。
子宮体がんの検査では、子宮から細胞や組織を採取するために膣から器具を挿入します。高齢者や出産未経験の方は、子宮口が狭くなったり閉じてしまったりすることがあり、検査時に痛みを感じることもあるでしょう。
一方で、痛みをほとんど感じない人もいます。検査時は深呼吸し、なるべく足の力を抜くようにしましょう。
子宮体癌のセルフチェックはできますか?
不正出血が頻繁に見られる、閉経後も出血があるといった場合には注意が必要です。症状検索エンジン「ユビー」でもセルフチェックができます。
以下のような症状がある場合、特に注意が必要です。積極的に産婦人科を受診しましょう。
- 不正出血(月経時以外の出血)が頻繁にある
- 閉経後なのに出血がある
症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできますので、是非ご活用ください。
子宮体癌の治療・対処法
子宮体癌への対処法は?
生理以外の出血や閉経後の出血を認めた場合は、産婦人科受診をお勧めします。また、エストロゲン(女性ホルモン)が関係していることが多く、乳がん治療やホルモン補充治療を行っている場合は定期的な検診をしてください。
子宮体がんの手術後、リンパ浮腫を予防したり対処したりする方法はありますか?
運動や、弾性ストッキングの着用、適切なマッサージなどはリンパ浮腫の予防や軽減に有効な可能性があります。
子宮体がんの術後、特に骨盤内のリンパ節を除去した場合には、下半身のリンパ浮腫が起こりやすいことが知られています。
完全に予防することはできませんが、以下のようなことを試みることで、一定程度リンパ浮腫を予防したり、程度を軽減することができる可能性があります。
弾性ストッキングの着用
着圧ストッキングを着用することでリンパ浮腫を予防できる可能性があります。適度な圧のストッキングを着用することが必要ですので、主治医に相談するとよいでしょう。
運動
下腿など下半身を使う運動や筋力トレーニングをすることで、リンパ浮腫を予防できる可能性があります。専門家の監修のもと、徐々に負荷を上げていくことで、より効果が期待できるかもしれません。
その他
専門家による下肢のマッサージもリンパ浮腫の予防や治療に有効な可能性があります。また、日々の清潔管理も重要となります。
参考文献
Xia Wang et al. Effectiveness of modified complex decongestive physiotherapy for preventing lower extremity lymphedema after radical surgery for cervical cancer: a randomized controlled trial. J Gynecol Cancer. 2020, 30, p757-763.
Jiajia Zhang et al. Preventing lower limb lymphedema after pelvic lymphadenectomy with progressive resistance exercise training: A randomized controlled trial. Asia Pac J Oncol Nurs. 2023, 11, 100333.
子宮体がん治療後の性生活での痛みについて、どうすればよいですか?
ジェルやホルモン剤の使用、ダイレーターの使用などが挙げられます。
子宮体がん治療後の性生活での痛みの原因はさまざまです。以下に主な原因と対応法について記載します。
膣の乾燥
女性ホルモンの低下などで膣が乾燥しやすくなります。そのため、女性ホルモン製剤やジェルを使用することで症状の緩和が期待できます。
膣の萎縮
治療の影響で膣が萎縮して狭くなることがあり、性生活における痛みの原因となることがあります。ジェルの使用などに加えて、適切なサイズのダイレーターなどで膣を拡張することも選択肢となります。
子宮体がんの治療中で食欲がない時、食事の工夫はありますか?
工夫として少量ずつ、食べやすいものを食べたい時間に食べるといったことが挙げられます。
がんの治療に伴う食欲の低下に対する食事の工夫としては、少量ずつであっても、食べたい時に、食べやすいものを食べるといったことが挙げられます。
子宮体がんに限らず、がんの治療に伴い食欲が低下することはよくあることです。一方で、適切な栄養摂取や体力・筋力の維持は治療を行ううえでもとても重要です。そのため、可能であれば栄養士のアドバイスを受けながら、食べやすいもの中心に少しずつでも栄養を摂取していくことが重要です。
十分な食事が難しい場合には、主治医に相談するようにしましょう。点滴などを用いた栄養管理なども選択肢となります。
抗がん剤治療について、ステージ1でも行いますか?
ステージ1でも再発のリスクが高いと判断した場合は、術後の薬物療法を行うことがあります。
子宮体癌の治療は、手術可能であれば、子宮と両側の付属器である卵巣・卵管を取り除く手術が基本です。ステージ1においても、手術可能な場合はそのような手術を行いますが、再発のリスクが高いと判断された場合は、術後に薬物療法や放射線療法を行うことがあります。
再発のリスクの高さは、癌の広がりの度合いと癌の組織型、グレードによって、低リスク、中リスク、高リスクに分類されます。しかし、治療の選択には、患者さんの年齢や社会的背景などを加味して判断することが大切です。
子宮体癌の遺伝子治療とはどのようなものですか?
子宮体癌の遺伝子治療は、原因と考えられるがん細胞の遺伝子異常などをターゲットにした治療法です。
子宮体癌の遺伝子治療は、通常の化学療法などでの治療が難しい患者さんに対して、がん細胞の遺伝子変異の状態を解析しながら、有効な薬物療法を選択していく治療法のことです。
例えば、子宮体癌においては、特に高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)、あるいは DNAミスマッチ修復機能欠損(dMMR)といった遺伝子の異常が認められることが多く、そのような患者さんにおいては、ペムブロリズマブという免疫チェックポイント阻害剤(免疫の腫瘍細胞に対する攻撃力を高める)が有効とされています。
子宮体癌の治療に抗がん剤はどのように使われますか?
手術後の補助療法あるいは、手術が難しい進行がんの治療として使われます。
子宮体癌の初期の治療は、抗がん剤を用いた化学療法ではなく、手術が主な治療法です。
しかし、再発リスクが高いと考えられる患者さんに対する手術後の補助療法や、手術での切除が困難な患者さんに対して、抗がん剤を用いた化学療法を行うことがあります。
子宮体癌に対する代表的な化学療法には、以下のようなものがあります。
AP療法
- 薬剤: アドリアマイシン(ドキソルビシン)とシスプラチンの組み合わせ
- 特徴: 子宮体癌に対する代表的な治療法となりますが、心臓への負担があるため、投与量には注意が必要です
TC療法
治療の選択
- 患者さんのQOL(生活の質): 化学療法を選ぶ際には、患者さんの生活の質を考慮することが重要です。治療の強度が高いほど生存期間が延びる可能性がありますが、副作用も増えることがあります
これらの治療法は、患者さんの状態や前治療の内容に応じて選ばれます。医師と相談しながら、最適な治療法を選ぶことが大切です。
子宮体癌は転移する前の状態であれば治りますか?
早い時期に見つかれば、多くの方で治ることが期待できます。
早い段階で診断がついた子宮体癌は治療可能なことが多く、治る(5年後にも生存している)可能性が高くなります。
子宮体癌の進行期ごとのおよその5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)は以下の通りです。
- Ⅰ期(子宮体部にとどまっている状態):90%以上
- Ⅱ期(子宮体部をこえて頚部に広がっている状態):85~90%程度
- Ⅲ期(子宮周囲やリンパ節に広がっている状態):70%程度
- Ⅳ期(膀胱や腸、さらには遠隔転移している状態):25%程度
なお、子宮体癌の種類や元々の健康状態によっても異なります。ご自身の状況については主治医にご確認ください。
子宮体癌の場合、主にどのような治療をしますか?
がんの進行状況によって、子宮と卵管・卵巣を摘出する手術を行ったり、抗がん剤や放射線を用いたりします。
子宮体癌の治療は、手術療法を中心に、化学療法や放射線治療などを組み合わせて行います。
手術療法
子宮体癌における主な治療法となります。子宮に加えて、必要に応じて両側の卵巣・卵管や周囲のリンパ節などを摘出します。早期の子宮体癌の場合、手術のみで初回の治療が終了することもあります。
化学療法(抗がん剤治療)
手術後の追加治療として、化学療法を行うことがあります。進行した子宮体癌に対しても、化学療法が選択されることがあります。
放射線治療
がんが再発した場合などに、放射線治療を用いることがあります。
ホルモン療法
子宮温存の希望が強い場合には、子宮を摘出せずにホルモン療法を行うこともあります。ただし、ホルモン療法が使用できる状態は限られている点、かえって病気が進行するおそれもある点には注意が必要です。主治医とよく相談してみましょう。
受診の目安・何科を受診するべきか
子宮体癌の専門医がいる近くの病院はありますか?
子宮体癌の専門医がいる病院を見る子宮体癌の薬
子宮体癌の放射線治療に副作用はありますか?
放射線治療の副作用として、短期的には皮膚の炎症や下痢、倦怠感など、長期的には消化管の出血や閉塞、穿孔や直腸膣ろうなどがあります。
子宮体癌の放射線治療の副作用は、治療中や1-2か月以内に生じる短期的なものと、数か月~数年後に生じる長期的なものがあります。
主な症状としては以下のようなものが挙げられます。
短期的な副作用
そのほかに全身の倦怠感などもあります。
長期的な副作用
消化管からの出血や閉塞、穴が開く(穿孔)、直腸と膣がつながることによって膣から便が漏れる、直腸膣瘻など。そのほかにも、膣が癒着して狭くなったり、膣の壁同士がくっついてしまうことや、骨折リスクの上昇、リンパ浮腫などがあります。
子宮体癌の経過・予後
子宮体がんの再発の目安となる気をつけるべき症状は、何かありますか?
不正出血、倦怠感、腰痛などが主な症状として挙げられます。
子宮体がんの再発を疑うサインとして、主に以下の症状に注意が必要です。
なお、これらの症状があるからといって、必ずしも再発だとは限りません。むしろ再発している方の中でも、症状が現れるのは一部に限られますが、上記に当てはまるような症状がひとつでもある場合には、早めに主治医に相談するとよいでしょう。
参考文献
Yang Peng et al. Can a symptom checklist improve the triage of patients following successful endometrial cancer treatment?. Gynecologic Oncology Reports. 2020, 33, 100604.
American Cancer Society. Living as an Endometrial Cancer Survivor. cancer.org, https://www.cancer.org/cancer/types/endometrial-cancer/after-treatment/follow-up.html(参照 2025-10-30)
子宮体癌の予後はどのように見込まれますか?
5年生存率は、おおよそ80%と報告されています。
子宮体癌の病期全体の5年生存率は、おおよそ80%と報告されています。また、2015年に子宮体癌と診断された症例の病期ごとの5年生存率は以下の通りです(子宮体癌以外の死因を除く)。
- Ⅰ期:94.6%
- Ⅱ期:86.8%
- Ⅲ期:65.5%
- Ⅳ期:21.3%
一方で、実際の予後は病期だけではなく、個人の身体の状態などによって異なります。また、治療は常に進歩を続けており、今後のデータは異なる可能性があります。予後について知りたいと思った場合は、担当医に相談すると良いでしょう。
子宮体癌が転移した場合の余命はどのくらいですか?
どこに転移したかによっても異なりますが、遠隔転移の場合には5年生存率は20~30%程度になります。
子宮体癌のステージ3は、がんが子宮の外側の膜や卵巣、周囲のリンパ節に広がり転移している状態で、ステージ4になるとがんが膀胱や腸の粘膜、さらには肝臓などさまざまな部位に広がっていきます。
子宮体癌のステージ3とステージ4の5年生存率(がんと診断後、5年間生存できる確率)は、各々60~70%、20~30%程度となり、がんの進行に伴い治療も難しくなります。
一方で、子宮体癌はステージ1の5年生存率が、約 90%以上と高いことからも、早期発見、早期治療が重要となります。
子宮体癌の生存率(余命)はどのくらいですか?
がんの種類によっても異なりますが、現時点では早期であれば、5年生存率が90%程度と考えられます。
子宮体癌の生存率は、がんの進行具合(進行期・ステージ)や、種類(組織型)によって異なります。
現時点では、およその5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)は、以下の通りとなります。
- Ⅰ期(子宮体部にとどまっている状態):90%以上
- Ⅱ期(子宮体部をこえて頚部に広がっている状態):85~90%程度
- Ⅲ期(子宮周囲やリンパ節に広がっている状態):70%程度
- Ⅳ期(膀胱や腸、さらには遠隔転移している状態):25%程度
なお、子宮体癌の大半を占める類内膜癌は比較的予後が良いと考えられています。一方で、明細胞癌や漿液性癌などの5年生存率は、上記よりも悪くなる傾向があります。
子宮体がん検診後の出血はいつまで続きますか?
数日でおさまると考えられます。
数日でおさまると考えられます。子宮体がん検査では子宮内膜の組織を採取するため、多少の出血が伴います。血液が固まって塊として排出されることもあると考えられます。
子宮体がんの検査に伴う出血は少量で、通常は数日程度で自然に止まります。特に組織診の場合は、子宮内膜の一部を切除するため、茶色いおりものや小さな血の塊が見られることもあるでしょう。
もし出血量が多い状態が続く、数日様子を見ても止まらない場合は、検診を受診した医療機関に相談しましょう。
子宮体癌のリンパ節転移がある場合、ステージと生存率を教えてください。
リンパ節転移がある場合には、ステージ3~4、5年生存率は20~70%程度となります。
骨盤内の子宮周囲のリンパ節転移の場合にはステージ3、それ以外の遠方のリンパ節転移の場合にはステージ4となります。
ステージ3、4の5年生存率(がんと診断後、5年間生存できる確率)は、各々60~70%、20~30%となります。
なお、上記生存率はあくまで一般論であり、すべての人が当てはまるわけではありません。
個人差や治療法の進歩などもあり、現在診断された方に当てはまるとは限りませんので、詳細は主治医に確認してみてください。
子宮体癌の予防
子宮体癌を予防する方法を教えてください。
適性体重の維持、バランスの取れた食生活、妊娠・出産などでリスクが低下するとわかっています。
子宮体癌においては、適正体重の維持、バランスのとれた食生活、妊娠・出産、経口避妊薬の使用で子宮体癌のリスクが低下するとわかっています。
子宮体癌の中には、女性ホルモンであるエストロゲンに長期間さらされて発生する種類があるため、エストロゲンの分泌とは密接に関係していることがあります。特に、脂肪細胞はエストロゲンを産生することが知られているため、適切な体重を保つことは重要です。また、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、運動、適正な体型、感染予防を心がけることが有効とされています。
対処法・セルフケア
子宮体癌の術後、後遺症は残りますか?また生活面で気を付けることはありますか?
子宮体癌の術後の後遺症として、排尿障害、便秘、リンパ浮腫などが挙げられます。
子宮体癌の術後の後遺症としては、排尿障害や便秘、リンパ浮腫などが挙げられます。一方で実際には術式によっても異なり、初期の子宮体癌に対して子宮と卵管・卵巣を切除した場合にはこれらの後遺症はあまりみられません。
子宮を周囲の組織含めて広範囲に切除する広汎子宮全摘術を行った場合に排尿障害や便秘は、広汎子宮全摘術を行った場合にみられ、骨盤内のリンパ節切除を行った場合にはリンパ浮腫などに注意が必要となります。
また、閉経前に両側の卵巣を切除することや放射線を当てることによって、卵巣の機能が失われることがあります。そうなると、更年期障害と同じような症状が出現するため、ほてりや発汗などの症状が見られることがあります。また、女性ホルモンが減少すると、骨粗鬆症や脂質異常症を引き起こしやすくなるため、カルシウムやビタミンDを積極的に摂取したり、適度な運動をすることが日常生活において大切です。
参考文献
Heba Mahdy et al.“Endometrial Cancer”.National Library of Medicine.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK525981/,(参照 2025-10-08).
日本婦人科腫瘍学会.“子宮体がん治療ガイドライン2023年版:(金原出版)”..https://jsgo.or.jp/guideline/taiganguide2023.html,(参照 2025-10-08).
.“子宮体がん(子宮内膜がん)”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html,(参照 2025-10-08).
日本産科婦人科学会.“子宮体がん”..https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/,(参照 2025-10-08).
子宮体がんのホルモン療法による浮腫(むくみ)を和らげる方法はありますか?
適度な運動や栄養管理が有効かもしれません。
ホルモン治療による浮腫を和らげる方法として、適度な運動や栄養管理、体重管理などが有効である可能性があります。
子宮体がんの治療として、プロゲステロン製剤などのホルモン剤を用いることがあります。プロゲステロン製剤は、むくみや体重増加の原因になり得るとされています。一方で、子宮体がんに対するホルモン治療の副作用として著明なむくみは、あまり一般的なものではありません。
どちらかというと、手術や放射線治療の影響として、浮腫が生じることが多い印象です。
子宮体がん検査の結果を待つ間、不安を和らげる方法はありますか?
なるべく普段通りに過ごすことを心がけ、気分転換する時間を持つようにしましょう。
子宮体がん検査の結果を待つ間の不安は自然な感情ですが、なるべく普段通りに過ごすことを心がけ、気分転換する時間を持つようにしましょう。趣味や軽い運動などがおすすめです。
不安な気持ちが大きく、ソワソワして落ち着かないときには、気持ちを誰かに打ち明けてみてください。ひとりで抱え込まず、家族や親しい友人などの心を許して話ができる人に、不安やつらさを口に出してみましょう。
医療機関に、治療に関する相談窓口にあたるものがあれば、利用してみるのも手です。
抗がん剤治療が効きにくい場合の対処方法について教えてください。
一般的な抗がん剤が効きにくい場合、免疫に作用するような薬剤を用いることがあります。
子宮体癌に対する一般的な抗がん薬である細胞障害性抗がん剤の効果が乏しい場合、癌の遺伝子変異状況などに応じて柔軟に治療方法を検討する必要があります。主な治療選択肢としては、免疫チェックポイント阻害剤やホルモン製剤が挙げられます。
免疫チェックポイント阻害薬
癌が免疫細胞からの攻撃を逃れる仕組みを無効にし、がん細胞を自身の免疫で排除するのを助ける薬です。遺伝子変異が多いタイプのがんに特に有効と考えられます。
ホルモン製剤
女性ホルモンに対する反応が良好と考えられる場合には黄体ホルモン製剤を用いる場合もあります。
参考文献
Maria Rubinstein et al.“Looking beyond carboplatin and paclitaxel for the treatment of advanced/recurrent endometrial cancer”.ScienceDirect.https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0090825822018893,(参照 2025-10-08).
日本婦人科腫瘍学会.“子宮体がん治療ガイドライン2023年版:(金原出版)”..https://jsgo.or.jp/guideline/taiganguide2023.html,(参照 2025-10-08).
Ramez N. Eskander et al.“Pembrolizumab plus Chemotherapy in Advanced Endometrial Cancer”..https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2302312,(参照 2025-10-08).
子宮体がんでセカンドオピニオンを受けたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
セカンドオピニオンを希望していることを主治医に伝えるとよいでしょう。
セカンドオピニオンを希望される場合には、まずは主治医にその旨を伝える必要があります。
正確な診療情報がない状態でセカンドオピニオンを受けても、十分なカウンセリングが受けられない可能性が高いです。これまでの診療情報をまとめた紹介状を主治医に準備してもらったうえで、セカンドオピニオン先の医療機関を受診しましょう。
なお、セカンドオピニオンは転院を前提としたものではありません。あくまでもともとの医療機関での診療を継続する前提で、他の専門家の意見も聞いてみるという制度になります。
子宮体がん検査を受ける前に、市販の痛み止めを飲んでもよいですか?
一般的に問題ないですが、受診予定の医療機関に事前相談しておくと安心です。
医療機関によって指示が異なりますので確認しましょう。以下に、一般的な見解を記します。
子宮体癌に関連するその他の質問
子宮体癌の出血の特徴はどのようなものですか?
月経時以外の出血(不正出血)が特徴です。閉経後に出血が見られた場合には特に注意が必要です。
子宮体癌では、月経時以外の不正出血が早期から見られることが多いです。子宮体癌は閉経前後の50〜60歳頃に多いとされているため、閉経後に出血が見られた場合には特に注意が必要です。子宮体癌の可能性を念頭に、早めに検査を受けるようにしましょう。
子宮内膜ポリープが子宮内膜癌になる可能性はどれくらいですか?
子宮内膜ポリープの中に子宮体癌が見つかる確率は、報告によれば0.8〜3%程度です。
子宮内膜ポリープは、子宮内膜(子宮の内側の粘膜)にできる良性のこぶ状の腫瘍ですが、子宮体癌(子宮内膜癌)などの悪性な病変と区別が難しいことがあります。
ポリープと診断され、手術で切除した組織を詳しく調べる病理検査で子宮体癌が発見される確率は、これまでの報告では0.8%から3%程度とされています。
ただし、以下のような特定の条件にあてはまる場合、ポリープが悪性である(がんやその前段階の病変である)リスクが高まることが示されています。
年齢と閉経
- 加齢とともにリスクが上がり、特に50代は子宮体癌の頻度が最も高いという報告があります。
- 閉経前の女性に比べ、閉経後の女性のほうが、ポリープからがんが見つかる頻度が高くなります。
症状やその他の要因
- 不正出血を主訴として受診した場合は、無症状の場合よりもがんや前がん病変の発生頻度が高いことが報告されています。
- ポリープのサイズが大きい場合(特に無症状の閉経後女性で18mmを超える場合)も、悪性であるリスクが高まる可能性があります。
正確な診断と治療方針を決めるためには、超音波検査などで異常が疑われた場合、組織を採取して詳しく調べる検査(組織診断)が非常に重要です。
内診で子宮体癌がわかることはありますか?
触診のみでは難しいでしょう。超音波検査と組み合わせることで発見の契機となることはあります。
内診(触診)のみで子宮体癌を見つけることはかなり難しいと思われます。一方で、経腟超音波検査を合わせて行うことも多く、超音波検査を併用することで子宮体癌を疑うような子宮内膜の肥厚などが見つかることがあります。
これらの検査によって子宮体癌が疑われた場合、子宮内膜の細胞診・組織診といった病理検査で確定診断が行われます。病理検査で子宮体癌と確定した場合、CT・MRIなどの画像検査で癌の大きさや位置、広がりを調べることも少なくありません。
子宮体癌になった場合でも妊娠することは可能ですか?
条件を満たせば可能です。
子宮体癌になった後でも、治療後に妊娠することができる可能性があります。妊娠を希望する方に対して、条件を満たせば妊よう性温存治療が検討されます。
- 子宮体がんの前がん病変である子宮内膜異型増殖症
- がんが子宮内膜にとどまっているグレード1の類内膜がん
のいずれかに該当し、将来の妊娠・出産を強く希望している場合です。本当に条件に当てはまるかをよく確認してから、子宮・卵巣・卵管を残して黄体ホルモン療法を行うことがあります。しかし、再発リスクを始め、治療の合併症などのリスクも十分に理解して行う必要があります。担当医との十分な相談が必要です。
妊娠中に子宮体癌がわかることはありますか?
妊娠中に子宮体癌が見つかることは極めて稀です。
ありますが、妊娠中に子宮体癌が見つかることは極めて稀なことです。
子宮体癌の罹患率は40代で増加し始め、50代で罹患率がピークを迎えます。通常40歳代後半から増加し、50歳代~60歳代の罹患率が高くなるため、妊娠中の女性の罹患は珍しいと言えるでしょう。しかし、ゼロではないので妊娠中に子宮体癌が発見される可能性も否定はできません。実際に、妊娠初期の流産や帝王切開時などに子宮体がんが見つかった症例や、妊娠中に不正出血があり、分娩後に診断された症例などが報告されています。
参考文献
.“がん統計 子宮体部”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/regstat/statistics/stat/cancer/18corpus_uteri.html,(参照 2026-01-30).
.“子宮体がん”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpusuteri/preventionscreening.html,(参照 2026-01-30).
Mayu Shiomi et al.“Endometrial carcinoma in a gravid uterus: a case report and literature review”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31747899/,(参照 2026-01-30).
Emi Ota et al.“A case of endometrial carcinoma progressed during pregnancy resulting in fetal death”.National Library of Medicine.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7297887/,(参照 2026-01-30).
エストロゲンと子宮体癌の関係について教えてください。
エストロゲンは一部の子宮体癌の発症と密接に関わっています。
ホルモンバランスが崩れ、エストロゲンに長期間さらされると子宮体癌の発症リスクが増加します。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンが存在しており、このうちエストロゲンは子宮内膜の発育を促進する作用があります。一方、プロゲステロンは、エストロゲンの作用を抑制する働きがあります。両者がバランスをとって子宮内膜の増殖をコントロールしていますが、このバランスが崩れエストロゲン作用が中心となることで、子宮内膜が異常に増殖し、類内膜がんと呼ばれる子宮体癌の原因となります。
子宮体がんでセカンドオピニオンを受けたのですが、主治医にはどのように伝えたらよいでしょうか?
セカンドオピニオンの結果を、主治医ともしっかりと共有することは非常に重要です。
セカンドオピニオンを受けたことを、正直に伝えましょう。
セカンドオピニオンは、そもそも主治医に紹介状を記載してもらったうえで、他の医療機関を受診するものです。そのため、セカンドオピニオンの内容についても、主治医としっかりと共有することがとても重要です。他の医療機関の専門家の意見も踏まえて、納得のいく治療の進め方を主治医とともに選んでいく必要があります。
主治医に内緒で他の医療機関を受診し、その結果も伝えないというのでは、十分にセカンドオピニオンの利点を活かせているとは言えないでしょう。
子宮体がん検診は毎年受ける必要がありますか?
いいえ、現在、子宮体がんに国の指針として定められているがん検診はありません。
症状がなければ、毎年の子宮体がん検診は不要です。現在、子宮体がんに国の指針として定められているがん検診はありません。
一方で、厚労省がん検診に関する検討会は「子宮頸がん検診受診者のうち、医師が必要と認める者(原則として、最近6か月以内の不正性器出血を訴えたことのある者で、50歳以上の者、閉経以後の者、未妊婦であって不規則な月経がある者)」は、子宮体がんの症状を有している可能性を考慮し、十分な安全管理のもとで多様な検査を実施できる医療機関を推奨する、としています。
ただし、引き続き子宮体部の細胞診の実施を本人が同意する場合には、子宮頸がん検診と併せて、子宮体部の細胞診を行うこととされています。受診の必要性や適切な間隔は、担当医と相談しましょう。
子宮体がん検診を痛くないように受ける方法はありますか?
深呼吸を行い、足の力を抜くように心がけるといいでしょう。麻酔の使用の可否も確認しましょう。
子宮体がん検診の際の痛みの感じ方には個人差があります。医師など医療スタッフの声に合わせて深呼吸を行い、足の力を抜くように心がけるといいでしょう。初めて受ける場合など、不安なことがあれば事前にスタッフに伝えましょう。
分娩歴がない方のほうが痛みを感じやすい傾向があるようです。器具の挿入に時間がかかる場合や、痛みが強い場合には、麻酔下で処置をできることもあります。一度医師に申し出て相談してみるといいでしょう。
子宮内膜が厚いと言われた場合、子宮内膜癌の可能性はありますか?
子宮内膜が厚い場合、子宮内膜にできるがんの可能性があり、精密検査が必要です。
子宮内膜の厚さ(肥厚)は、子宮内膜に発生するがんである子宮体癌、または将来的にがんになるリスクが高いとされる前がん病変(子宮内膜異型増殖症)を疑う重要な所見です。
超音波検査(エコー検査)で子宮内膜の厚さを測定し、年齢や月経の状態によって異常かどうかを判断します。
閉経後の方
不正出血(月経ではない期間や閉経後に出血があること)があり、超音波検査で子宮内膜の厚さが5mm以上ある場合は、子宮内膜の組織を詳しく調べる病理検査を行う必要があります。
閉経前の方
月経周期に関係なく子宮内膜が厚い状態が続く場合や、子宮内膜の厚さが20mm以上ある場合は、異常の可能性を疑います。
診断を確定させるには、超音波検査などで子宮内腔の様子を確認したあと、子宮内膜の組織を採取して、がん細胞の有無や種類を調べる病理検査が必要です。
なお、子宮内膜の細胞を採取する検査(細胞診)が一度陰性(異常なし)であっても、その後子宮体癌と診断された症例も報告されています。このため、超音波検査などで子宮内膜に異常が疑われる場合は、医師と相談して複数回の検査を受け、正確な診断につなげることが重要です。
子宮体癌になりやすい人の特徴を教えてください。
肥満、出産経験がない、閉経が遅い、糖尿病などが挙げられます。
子宮体癌のリスクが高いと言われている要因として、肥満、出産経験がないこと、閉経が遅いこと、糖尿病、月経不順、エストロゲン製剤単剤によるホルモン治療の経験などが要因として挙げられています。
特に肥満について、BMI27.0以上のグループで子宮体癌全体のリスクが有意に上昇しているという結果が報告されています。子宮体癌には、エストロゲンにさらされている期間が長いほど発症リスクが高まるタイプがあるためです。また、リンチ症候群など遺伝性にリスクが高くなるものもありますが、遺伝性であっても、必ずしも発症するわけではありません。
参考文献
.“子宮体がん”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpusuteri/preventionscreening.html,(参照 2026-01-30).
Megan A Clarke et al.“Association of Endometrial Cancer Risk With Postmenopausal Bleeding in Women: A Systematic Review and Meta-analysis”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30083701/,(参照 2026-01-30).
日本産婦人科.“子宮体がん”..https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/,(参照 2026-01-30).
産後すぐに子宮体癌が発症することはありますか?
ゼロではありませんが、非常に低いと考えられます。
産後すぐに子宮体癌を発症する可能性は、ゼロではありませんが非常に低いでしょう。子宮体癌は元々20〜40代前半では稀であることに加えて、妊娠と出産はむしろ子宮体癌のリスクを低下させると考えられています。
妊娠中はエストロゲンが低下してプロゲステロンが上昇するため、子宮内膜の過剰な増殖が抑制されて発癌リスクが低下するとされています。一方で、産後には子宮体癌を絶対に発症しないとは言い切れません。子宮体癌の主要な症状である不正出血は産後にも見られやすい症状です。リスクの高低に関わらず、不正出血がある場合など産後であっても婦人科検診を受けるようにしましょう。
参考文献
Susan J Jordan et al .“Pregnancy Outcomes and Risk of Endometrial Cancer: A Pooled Analysis of Individual Participant Data in the Epidemiology of Endometrial Cancer Consortium”.National Library of Medicine.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7969437/,(参照 2026-01-30).
.“子宮体がん”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpusuteri/preventionscreening.html,(参照 2026-01-30).
.“子宮体がん(子宮内膜がん)について”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/about.html,(参照 2026-01-30).
子宮体がん検診を受けられる病院の探し方を教えてください。
自治体のホームページから、子宮体がん検診を行っている病院を確認してみましょう。
現在、子宮体がん検診を受けられる病院の探し方について、学術的に説明された情報はありません。このため、以下に個人の見解を記載します。
子宮体癌の術後に太るなど体質の変化はありますか?
子宮体がんの術後にリンパ浮腫などで、体重が増加することがあります。
子宮体癌の手術でリンパ節を切除した場合、リンパ浮腫が起きて、体がむくんだり、体重が増加することがあります。これは、手足の先から胸部へと一方向に流れているリンパ液の通り道が少なくなることによります。
リンパ浮腫を完全に予防する方法はありませんが、適度に体を動かしてリンパ液の流れを促すことや、スキンケアを行い感染を予防することが予防につながります。リンパ浮腫が気になるときは、自分で対処することも良いですが、主治医などに相談することも大切です。
子宮体癌のリスク因子にはどのようなものがありますか?
肥満、出産経験がない、閉経が遅い、糖尿病などが挙げられます。
子宮体癌のリスクが高いと言われている要因として、肥満、出産経験がない、閉経が遅い、糖尿病、月経不順、エストロゲン製剤単剤によるホルモン治療の経験などが要因として挙げられています。
特に肥満について、BMI27.0以上のグループで子宮体癌のリスク全体が有意に上昇しているという結果が報告されています。子宮体癌はエストロゲンにさらされている期間が長いほど発症リスクが増す種類のものがあるためです。また、リンチ症候群など遺伝的にリスクが高くなるものもありますが、遺伝性だからと言って必ず発症するわけではありません。
参考文献
.“子宮体がん”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/corpusuteri/preventionscreening.html,(参照 2026-01-30).
Megan A Clarke et al.“Association of Endometrial Cancer Risk With Postmenopausal Bleeding in Women: A Systematic Review and Meta-analysis”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30083701/,(参照 2026-01-30).
日本産婦人科.“子宮体がん”..https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/,(参照 2026-01-30).
子宮体癌はどのステージから全摘出が必要ですか?
子宮体癌のⅠ期であっても、原則、子宮の摘出を推奨します。
子宮体癌は、Ⅰ期であっても全摘出が推奨されます。
子宮体癌の治療の中心は手術療法です。子宮体部にがんが留まっているⅠ期の状態であっても、子宮全摘術を推奨します。これにより、その後の5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)の向上が期待されます。
ただし、これから妊娠・出産を考えており、子宮の温存を強く希望している方で、以下の条件を満たす場合には、例外的に子宮温存を検討することになります。
- 前がん病変(子宮内膜異型増殖症)の状態である
- がんが子宮内膜にとどまり、類内膜腺がん(G1相当)という組織型である
子宮を温存できるかどうかの判断は非常に難しく、個々の状況によっても異なるため、主治医とよく相談する必要があります。
子宮体がん検診と子宮頸がん検診の違いはなんですか?
検査対象の部位と国の指針として定められている検診かどうかが異なります。
子宮体がん検診と子宮頸がん検診の主な違いは、検査対象の部位と国の指針として定められている検診かどうかです。
子宮頸がん検診は子宮の入り口(頸部)の細胞を綿棒で採取し、細胞の異常やヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無を調べます。細胞診は20歳から2年に1回の受診、HPV検査は基本的に30歳から5年に1回の受診が推奨されています。
一方、子宮体がん検診には国として定められたものはありません。子宮の奥(体部)の内膜細胞を細い器具で採取して、細胞の異常の有無を調べたり、超音波で子宮体部の様子を調べたりすることもあります。
参考文献
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/diagnosis.html(参照 2025-07-04)
子宮体がん(子宮内膜がん) 予防・検診.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/prevention_screening.html(参照 2025-07-04)
子宮頸がん 検査.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/diagnosis.html(参照 2025-07-04)
子宮頸がん 予防・検診.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/prevention_screening.html(参照 2025-07-04)
子宮体がん検診の費用はどれくらいですか?
保険適用の有無、医療機関や検査内容によって異なります。
検査内容や健康保険が使えるかどうかによって異なります。このため、以下に個人の見解を記載します。
子宮体癌はどの年齢で発症しやすいですか?
子宮体癌は、特に50歳代の女性に多くみられます。
子宮体癌は子宮頸がんより、やや高齢の50歳~60歳代の女性に多くみられます。
肥満や妊娠・出産歴が少ないことがリスク要因のひとつとされており、増加傾向にある婦人科腫瘍となります。
一方で、早めに診断することができれば、決して治療が難しい悪性腫瘍ではありません。
初期から不正出血などの症状がみられることが多いので、特に閉経後の不正出血には注意が必要です。早めに婦人科を受診するようにしましょう。
また、好発年齢ではないとはいえ、30歳代の子宮体癌の発症もあります。
月経不順や、月経血量の変化などがあれば、一度婦人科を受診しておくとよいでしょう。
子宮体癌のステージについて教えてください。
子宮体がんのステージを以下に示します。イラストも参考にしてください。
子宮体がんのステージ分類は、手術前に「臨床進行期分類」をしたうえで、手術後に最終的に「手術進行期分類」として決定することが一般的です。
手術進行期分類は概ね以下の通りとなります。
- ステージⅠ:がんが子宮体部のみに存在するもの
- ステージⅡ:がんが子宮頸部には広がっているが、子宮の外には広がっていないもの
- ステージⅢ:がんが子宮の外には広がっているが、小骨盤腔を越えていないもの、または骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節へ広がるもの
- ステージⅣ:がんが小骨盤腔を超えて広がっているもの、または腸や膀胱の粘膜に広がっているもの、または肺や肝臓など離れた臓器に転移しているもの

実際にはステージⅠもⅠA、ⅠBに分かれていたりと、より詳細に分類されています。ステージ分類は、がんの進行度の評価や治療方針を決定するために重要となります。
ステージについての詳細な情報や治療法については主治医に確認するようにしましょう。
子宮体癌の進行スピードはどのくらいですか?
子宮体癌の種類(組織型)などによっても異なりますが、代表的な類内膜癌では比較的緩徐に進行することが多いです。
子宮体癌の進行スピードは一概には言えず、患者さんごとの状態やがんの種類によって大きく異なります。
また、進行スピードはさまざまな要因によって影響を受けます。主な要素として、以下のようなものが挙げられます。
進行スピードに影響するとされている主な要素
子宮体癌の種類(組織型)
子宮体癌にも類内膜癌、漿液性癌、明細胞癌などさまざまな種類(組織型)があります。子宮体癌の大半を占める類内膜癌は、進行がゆっくりで比較的予後が良いとされています。また、遺伝子変異の状態などによっても、進行スピードは異なります。
見つかったとき(診断時)の進行度
がんの進行度についてはステージで表します。
ステージ0(0期)からステージIV(IV期)に分けられ、数字が大きいほどがんも進行しています。がんが進行しているほど治療が難しく、予後不良となります。
参考文献
国立がん研究センター.子宮体がん(子宮内膜がん) 全ページ.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/print.html(参照 2024-04-16)
Khalid H. Sait et al. Overall and progression-free survival in endometrial carcinoma: A single-center retrospective study of patients treated between 2000-2018. Ann Saudi Med. 2023, 43, p.315-328.
F. Siegenthaler,et al.Time to first recurrence, pattern of recurrence, and survival after recurrence in endometrial cancer according to the molecular classification.Gynecologic Oncology,https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0090825822001433 (参照 2024-04-16)
子宮体癌が発覚するきっかけはありますか?
月経時以外の出血(不正出血)が代表的です。
子宮体癌では、不正出血(月経時以外の出血)が早い段階から起こることが知られており、不正出血が発見のきっかけとなることも多いです。また、婦人科検診での超音波検査で偶然に見つかることもあります。
一方、子宮頸がんは初期症状に乏しいため、早期発見のためには無症状であっても定期的ながん検診を受けることが大切です。頸がんワクチンを打った方でも、20歳以降には定期的に検診を受けるようにしましょう。
子宮体癌について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「子宮体癌」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 生理が遅れる、あるいは早まっているということがありますか?
- 生理ではないのに腟からの出血または茶色・ピンク色のおりものがありますか?
- 尿が出しづらく、いきむことがありますか?
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この記事の監修医師
金沢 誠司 先生
産婦人科・産科・婦人科
産婦人科専門医・医学博士。新潟大学医学部卒、東北大学大学院修了。 国立成育医療研究センター等の高度周産期施設で胎児診療や臨床研究に従事したのち、Ubie株式会社にて医療AI開発を通じた医療のDX化を推進。 現在は、臨床の最前線で胎児超音波や出生前診断を専門としつつ、これまでの臨床知見とAI開発経験を融合。女性がライフスタイルに合わせて健康をデザインする「マタニティ・ストラテジスト」として活動。全女性が根拠ある医療情報を手にし、戦略的に体調を管理するためのメディア [Platform Women's](https://platform-womens.jp/) を主宰している。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03