尿を漏らしてしまう
という症状の原因と、関連する病気をAIで無料チェック
更新日:2023/07/26
「尿を漏らしてしまう」がどの病気に関連するかAIでチェックする
尿を漏らしてしまうという症状について「ユビー」でわかること
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「尿を漏らしてしまう」はどんな症状ですか?
尿を漏らしてしまうとは
「尿を漏らしてしまう」に関連する主の病気には、糖尿病、過活動膀胱、アルツハイマー型認知症(Alzheimer型認知症)などがあります。
「尿を漏らしてしまう」に関連する症状はありますか?
「尿を漏らしてしまう」のQ&A
- A.
切迫性尿失禁などの病気によって、急に尿漏れしてしまうことがあります。
解説急に尿意を催して尿漏れを生じてしまうことを「切迫性尿失禁」と言います。切迫性尿失禁は、膀胱をコントロールする神経系や膀胱にある筋肉や粘膜の異常などにより、膀胱が十分な量の尿を貯める前に勝手に収縮しようとすることなどが原因で生じます。
尿意がないのに尿漏れしてしまう場合は以下のQ&Aをご覧ください。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]. リッチヒルメディカル,2019. - A.
腹圧性尿失禁や溢流性尿失禁などの病気による尿漏れは、尿意がなくても起こることがあります。
解説腹圧性尿失禁や溢流性尿失禁、持続性尿失禁、夜尿症、排尿後滴下などがあると、尿意がないのに尿漏れすることがあります。
腹圧性尿失禁
お腹に力を入れたり、くしゃみや咳をしたりした際に尿が出てしまう症状です。尿道を閉じる圧力よりも腹圧(腹筋などの筋肉によってお腹の中にかかる圧力)が高くなると生じます。
女性の場合、妊娠や出産、加齢などの影響で子宮や膀胱、尿道の位置が変化して発症することがあります。男性の場合、前立腺がんの手術後などに発症することがあります。溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
尿がうまく出せずに残尿が多くなり、膀胱に溜めきれなかった尿が徐々に漏れ出してしまう症状です。神経因性膀胱や前立腺肥大症の症状が強い場合などに発症することがあります。
持続性尿失禁
常に尿が漏れ出てしまう症状です。以下のような場合に発症します。
- 病気や手術の影響で膀胱と腟が繋がってしまった
- 尿管(腎臓から尿を運ぶ管)が腟と繋がってしまっている
- 溢流性尿失禁がある
夜尿症
寝ている間に自分の意思とは関係なく尿が出てしまう症状です。睡眠から覚める能力や夜間に尿を貯めておく能力、ホルモンの分泌量などの異常が関わるとされています。その他にも、遺伝的な要因などの多くの原因が報告されています。
排尿後摘下
尿を出し切って便器から離れた直後に尿が漏れる症状です。尿道の形や長さ、排尿時の姿勢、膀胱や尿道の機能の変化などによって、起こることがあります。男性に多く、生活の質を損なう症状の1つです。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]. リッチヒルメディカル,2019.
Mamoru Hashimoto et al. The pressure flow study investigation of pathophysiology of post-micturition dribble in male patients. Int Urol Nephrol. 2023, 55, p.69-74.
日本夜尿症学会.夜尿症診療ガイドライン2021. 診断と治療社,2021. - A.
若い方でも尿漏れすることがあります。特に女性では妊娠や出産をきっかけに生じることがあります。
解説若い女性の9〜12%程度、若い男性の数%に尿漏れがあるという報告があります。尿漏れは肥満や生活習慣、基礎疾患により生じることもありますが、特に女性の場合は妊娠や出産を契機に生じることが多いです。
若い方で尿漏れがある場合、精神的な影響も生じうるため、気になるようなら泌尿器科や婦人科を受診しましょう。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るTessa O'Halloran et al. Urinary incontinence in young nulligravid women: a cross-sectional analysis. Ann Intern Med. 2012, 157, p.87-93.
Michela Bardino et al. Frequency and Determinants of Urinary Incontinence in Adolescent and Young Nulliparous Women. J Pediatr Adolesc Gynecol. 2015, 28, p.462-470.
Jessica Oliveira Alves et al. Urinary Incontinence in Physically Active Young Women: Prevalence and Related Factors. Int J Sports Med. 2017, 38, p.937-941.
D Thom. Variation in estimates of urinary incontinence prevalence in the community: effects of differences in definition, population characteristics, and study type. J Am Geriatr Soc. 1998, 46, p.473-480. - A.
女性の尿漏れは妊娠や出産の影響や、過活動膀胱などの病気で生じることがあり、骨盤底筋体操や薬、手術で治療します。
解説女性の尿漏れの原因
女性の尿漏れは、過活動膀胱や膀胱瘤などの病気や、妊娠・出産後の影響、先天的な異常、認知症などの様々な原因によって引き起こされます。
尿漏れの原因についてはコチラのページで解説しています。尿漏れの対策
女性の尿漏れの原因や症状の程度は様々であり、状態に合わせて以下のような対応を検討します。
骨盤底筋体操
骨盤の臓器を支える筋肉(骨盤底筋)をトレーニングすることで尿漏れを防ぐ機能を高める方法です。体操を始めてから効果が出るまで半年程度かかることもありますが、効果はあるため推奨されています。
薬物療法
主に過活動膀胱や腹圧性尿失禁、神経因性膀胱に対する飲み薬が使用されます。
手術
尿漏れの原因によって様々な手術法がありますが、膀胱瘤などの骨盤臓器脱や尿道過活動などの病気に対しては、メッシュ(人工素材を網目状に縫ったシート)を用いて骨盤内の構造を補強することで尿漏れを改善する方法などがあります。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]. リッチヒルメディカル,2019. - A.
男性の尿漏れは前立腺がんの手術後や過活動膀胱などの病気で生じることがあり、骨盤底筋体操や薬、手術で治療します。
解説男性の尿漏れの原因
男性の尿漏れは、前立腺肥大症や過活動膀胱、認知症、パーキンソン病などの病気のほか、前立腺がんの手術による影響など、様々な原因によって引き起こされます。
尿漏れの原因についてはコチラのページで解説しています。尿漏れの対策
男性の尿漏れの原因や症状の程度は様々であり、状態に合わせて下記の対応を検討します。
骨盤底筋体操
骨盤の臓器を支える筋肉(骨盤底筋)をトレーニングすることで尿漏れを防ぐ機能を高める方法です。体操を始めてから効果が出るまで半年程度かかることもありますが、効果はあるため推奨されています。
薬物療法
主に前立腺肥大症や過活動膀胱、腹圧性尿失禁に対する飲み薬が使用されます。
手術
尿が出ないようにする尿道括約筋という筋肉のかわりになる器具をスイッチごと埋め込む手術です。普段はスイッチを自分で操作することで尿を出します。
採尿器具
装着することで漏れた尿を回収する器具を用いて症状に対処することもあります。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022..
Young H Kim et al. Male urinary incontinence. Med Health R I. 2002, 85, p.156-159. - A.
泌尿器系の病気が主な原因ですが、加齢や出産、身体機能の低下、メタボリック症候群、認知症なども関係します。
解説尿漏れ(尿失禁・排尿後尿滴下)の原因は多岐にわたります。症状の分類によって考えられる原因は異なりますが、大まかな原因は下記の通りです。
尿失禁の原因
骨盤内の臓器(膀胱、尿道、前立腺、子宮など)や排尿に関わる神経系の病気、加齢や出産、身体機能の低下、メタボリック症候群、薬剤などが原因となって、下記のような状況が生じることで、尿失禁が起こることがあります。
- 尿を膀胱に溜めておけない(膀胱が十分に膨らまない、膀胱が勝手に収縮しようとする)
- 尿道(尿が膀胱から体外へ出るための通り道)を締める尿道括約筋が緩んでいる
- 尿意を感じない
- 筋力などの問題で移動能力が低下して、トイレに行くまでに時間がかかる
- 膀胱に尿がたまりすぎてあふれて出てしまう
排尿後尿滴下の原因
以下のような原因によって、尿を出し切った後も尿道に尿が残っていると、自分の意志と関係なく尿が漏れてしまうことがあります。
- 骨盤底筋の機能の低下
- 尿道の変形
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019.
J Paterson, C B Pinnock, V R Marshall. Pelvic floor exercises as a treatment for post-micturition dribble. British journal of urology. 1997, 79, p.892-897. - A.
自分の意志とは関係なく、尿が漏れてしまう症状のことです。
解説尿失禁について
尿を出そうとする前に、自分の意志と関係なく、尿が漏れてしまうことを、医学的には「尿失禁」と言います。
尿失禁は、尿の漏れ方によって以下のいくつかのタイプに分けられます。
なお、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つが混在する状態を「混合性尿失禁」とも言います。腹圧性尿失禁
お腹に力を入れたり、くしゃみや咳をしたりした際に尿が出てしまう症状です。2003年の40歳以上の日本人における頻度調査では、腹圧性尿失禁を週に1回以上生じる方は女性で約460万人、男性で約80万人にも上ると言われています。
切迫性尿失禁
尿意を感じたら、すぐに尿が出てしまう症状です。2003年の40歳以上の日本人における頻度調査では、切迫性尿失禁を生じる方は、女性で約380万人、男性で約200万人程度いると推定されています。
機能性尿失禁
歩くスピードが遅い、意欲が低下しているなどの理由でトイレまで間に合わない症状です。膀胱の機能とは関係のないところで尿失禁が起きます。
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
尿がうまく出せずに残尿が多くなり、膀胱に溜めきれなかった尿が徐々に漏れ出してしまう症状です。
持続性尿失禁
常に尿が漏れ出てしまう症状です。
夜尿症
寝ている間に、自分の意思とは関係なく尿が出てしまう症状です。
その他
例えば性行為中などの、ある特有な状況でのみ無意識に尿が出てしまうなどの症状があります。
排尿後尿滴下
尿を出し切った後に、自分の意志と関係なく尿が漏れてしまうことを、医学的には「排尿後尿滴下」と言います。尿を出そうとする前に起こる尿漏れを指す尿失禁とは異なり、便器から離れた直後に尿が漏れる症状を指します。男性に多く、生活の質を損なう症状の1つです。
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019.
Hashimoto, Mamoru et al. The pressure flow study investigation of pathophysiology of post-micturition dribble in male patients.. International urology and nephrology. 2023, 55, p.69-74. - A.
骨盤底筋体操を適切に行ったり、体重を適度な水準まで減らすことで、尿漏れが改善することがあります。
解説骨盤底筋体操は、効果が出るまで数ヶ月かかることが多いですが、尿漏れの原因となっている病気・病態によっては効果があります。また、体重を減らすことも尿失禁の改善につながることがありますので、骨盤底筋体操だけでなく通常の運動療法も取り入れるとよいでしょう。
ただし、腹圧性尿失禁の場合、お腹に力を入れると腹圧が上がるため、むしろ尿失禁が起こりやすくなる可能性もあります。内科の先生にも相談しつつ、食事療法も組み合わせるとよいでしょう。
また、過活動膀胱による失禁や切迫性尿失禁に対しては、尿を少し我慢する膀胱訓練を行い、排尿の習慣を意識的に変えることも有効であると言われています。
いずれにせよ、トレーニングは適切に実施しないと、かえって症状を悪化させることもあるため注意が必要です。泌尿器科や産婦人科などに相談して、定期的なサポートを受けながら実施することをおすすめします。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019. - A.
尿漏れの程度はさまざまですが、生活に支障が出たり、困っている場合は一度受診しましょう。
解説尿漏れで困っていたり、生活に支障が出ていたりする場合、我慢せずに泌尿器科を受診しましょう。尿漏れは、適切に治療すれば改善することがあります。
なお、以下のような場合には、尿の排出障害が原因となる溢流性尿失禁の可能性もありますので、早急に受診しましょう。- 尿の出しにくさや下腹部の膨らみが気になる
- 尿が寝ている間も出てしまう
- 尿が無意識のうちに出ていることがある
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019. - A.
泌尿器科を受診しましょう。
解説尿漏れでお困りの方は、遠慮せずに自宅近くの泌尿器科を受診しましょう。また、女性は体の構造や妊娠・出産の影響で、男性よりも尿失禁を生じやすいため、受診先として産婦人科を選んでもかまいません。
尿漏れは年齢が増すごとに生じやすい症状ですが、薬や器具、手術による治療、適切な体操などによって改善することがあります。諦めずに一度受診してみることをおすすめします。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019. - A.
膀胱炎や過活動膀胱などの膀胱の病気のほか、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱、男性では前立腺肥大症などが考えられます。
解説尿漏れの原因となる病気はさまざまです。男女関係なく考えられる原因と、男女それぞれに特有の原因があります。
男女関係なく考えられる原因
膀胱に関する病気
膀胱に以下のような病気があると、刺激や反射が生じて尿が勝手に出ることがあります。
- 膀胱炎
- 過活動膀胱
- 膀胱結石
- 膀胱がん
- 低コンプライアンス膀胱
尿道に関するもの
尿道に以下のような病気があると、尿道の機能が低下して尿が勝手に出てしまうことがあります。
- 尿道括約筋不全
- 尿道過可動
- 尿道憩室
神経の病気
蓄尿(尿を溜めておくこと)や歩行、意欲などに関わる中枢神経や末梢神経がうまく働かないことが、尿漏れの原因となることがあります。具体的には以下のような病気が挙げられます。
その他
夜間の抗利尿ホルモンが少ないと、夜に尿が出てしまうことがあります(夜尿症)。また、前立腺肥大症や神経因性膀胱の治療の副作用で生じる薬剤性の尿漏れもあります。そのほか、心因性の尿漏れもあります。
女性に特有の原因
女性は膀胱の近くに子宮があり、子宮やその周囲の病気が原因となって尿が勝手に出てしまうことがあります。 具体的には以下のような病気が挙げられます。
- 骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱)
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 女性ホルモン欠乏
- 腟炎
また、病気ではないですが、妊娠中や出産後に尿漏れが生じることもあります
男性に特有の原因
男性は膀胱の出口に前立腺があり、大きくなると尿道を圧迫して尿を出しにくくなることがあります。前立腺の病気が進行する事、また逆に手術などの治療で前立腺の圧迫が取れる事で、尿が勝手に出てしまうことがあります。
- 前立腺肥大症
- 前立腺がんや前立腺肥大症の手術後
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会.過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル,2022.
日本泌尿器科学会.女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]. リッチヒルメディカル,2019.
尿を漏らしてしまうという症状はどんな病気に関連しますか?
尿を漏らしてしまうという症状について、医師からのよくある質問
- 咳・くしゃみ、重いものを持つ、走る、階段を上るなど、お腹に力がかかったときに尿意を伴わずに尿が漏れてしまうことがありますか?
- これまでに【認知症・ぼけがある】と診断されたことはありますか?
- これまでに【脳腫瘍】と診断されたことはありますか?
- 尿を我慢できないと感じ、トイレに急ぐときがありますか?
監修医師
診療科・専門領域
- 泌尿器科