肛門がん

公開日

最終更新日

肛門がんの場合、主にどのような治療をしますか?

横浜医療センター 消化器科

川崎 千瑛 監修

腺がんの場合は外科的切除、扁平上皮がんの場合は化学放射線療法が治療の主体となります。

解説

肛門がん治療は、肛門がんが腸管粘膜由来のがんである「腺がん」か、皮膚由来のがんである「扁平上皮がん」かによって異なります。

腺がんの場合の治療

日本人に多い腺がんの場合は、通常の大腸がんに準じて治療が行われます。
腫瘍の深達度が浅い場合は内視鏡切除なども含めた局所切除を行い、腫瘍が深く進行している場合は外科的な切除を行います。外科的切除の場合は肛門機能を温存できないことが多いため、人工肛門造設が必要になる場合が多いです。
また、外科的切除を行う場合は、再発を減らすために、術前に化学療法(抗がん剤)と放射線治療を組み合わせた化学放射線療法を行うこともあります。
転移がある場合でも切除可能であれば、外科的切除の適応となることもあります。切除ができない場合には、化学療法による治療を行います。

扁平上皮がんの場合の治療

欧米で多い扁平上皮がんの場合は、化学放射線療法が中心となります。
腫瘍が肛門管にあり、他の臓器に転移がないステージ1~3のものについては、化学放射線療法を行います。なお、かつては外科的切除が行われていました。しかし、人工肛門が必ず必要になるため、患者さんの生活の質が低下することや、再発率が高かったこと、化学放射線療法のみで治癒が得られることがわかったため、現在は化学放射線療法が中心となっています。
転移のあるステージ4に関しては、放射線治療は行わずに化学療法単体での治療を行います。
腫瘍が肛門付近の皮膚にある場合も、基本的には上記の治療を行いますが、腫瘍が小さい場合には腫瘍部だけを切除する局所切除を行うこともあります。

関連する質問
関連する病気と症状

(参考文献)

こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。

こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。

この記事をシェアする

他に気になることを調べたい方は

初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる(無料)
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す(無料)
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる(無料)
薬について調べる
薬について調べる

おくすりアシスタント

病気の治療に使われる薬を比較しながら、効能や副作用、気をつけることを確認できる機能です。※対応しているお薬は、処方薬(医療用医薬品)のみ

さっそく調べる(無料)

サービスの目的と位置付け

ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。