肛門がんと痔の違いや見分け方を教えてください。
肛門がんと痔を見分ける上では、腫瘤の硬さや脱出の有無がポイントになります。
痔にも種類がありますが、腫瘤(しゅりゅう:できものやこぶ)を触れる痔は、主に痔核(いぼ痔)です。
痔核は肛門の組織が弱くなることで肛門の血管や組織が大きく腫れてしまう病気です。できる場所によって内痔核と外痔核の2つに分けられ、口に近い側にできたものを内痔核、肛門側にできたものを外痔核と言い、症状が異なります。
肛門がんと痔の違い・見分ける際に重要なポイントは、病変の脱出の有無と硬さです。
内痔核は内側にできるため、初期には排便時などに肛門の外側に脱出しますが、元に戻すことができます。これに対して肛門がんは移動することが少ないため、常に同じ場所に腫瘤を触れます。外痔核の場合も外にできるため、常に触れることができる場合が多いです。
硬さについては、肛門がんでは硬い腫瘤を触れますが、痔核の場合はいずれも比較的柔らかい腫瘤を触れます。
ただし、これだけで診断することは難しいことも多いため、肛門に腫瘤を触れた場合は一度病院を受診しましょう。
公開日:
最終更新日:
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
(参考文献)
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