肛門がんは主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

肛門がんの治療は、肛門がんが腸管粘膜由来のがんである「腺がん」か、皮膚由来のがんである「扁平上皮がん」かによって異なります。

腺がんの主な薬物治療

腺がんの場合は、大腸がんに準じて外科的切除が治療の中心となります。ただし、再発率を下げるため、手術の前後に化学療法、または化学放射線療法を行うことがあります。
その場合は、5-FUやカペシタビン、オキサリプラチンといった抗がん剤が用いられます。

扁平上皮がんの主な薬物治療

扁平上皮がんの場合は、化学療法（抗がん剤）と放射線治療を組み合わせた化学放射線療法を行います。
化学療法の部分では5-FU、カペシタビン、マイトマイシン、あるいはシスプラチンといった抗がん剤が用いられます。

いずれも、がんだけでなく全身に効くタイプの抗がん剤（いわゆる殺細胞性抗がん剤）であり、副作用が起きやすいです。
副作用の頻度は薬により異なります。頻度が高いものとしては、吐き気や嘔吐、下痢、神経障害による痺れ、腎臓の障害、骨髄抑制（血液中の赤血球や白血球が減ることで貧血になったり感染症にかかりやすくなること）、脱毛、口内炎があります。