ナルコレプシーの原因は何がありますか?
脳の覚醒中枢の働きが悪くなり、脳内物質をつくる神経細胞の障害が原因と考えられています。
ナルコレプシーの原因は、脳内にあるオレキシン・ヒポクレチンという神経伝達物質が欠乏することと考えられています。
オレキシン・ヒポクレチンとは、人が起きて活動することや、食欲のコントロールに関与している物質です。より専門的な説明となりますが、オレキシン・ヒポクレチンは、脳内モノアミンやヒスタミン、アセチルコリン神経系の働きを介して、睡眠覚醒調整や摂食調整、エネルギー代謝調整に関与しています。
ナルコレプシーでは、オレキシン・ヒポクレチンが消失することでこれらの機能のバランスに不均衡が生じ、過眠症状やレム睡眠関連症状、睡眠の分断化が現れると考えられています。
なお、オレキシン・ヒポクレチンが欠乏してしまう原因のひとつとして、感染症の影響が考えられています。感染症によって、自己免疫性のオレキシン・ヒポクレチンをつくる細胞が失われると言われています。ナルコレプシーは遺伝の影響はありますが、すべてではありませんし、きっかけについては解明されていない部分もあります。
公開日:
最終更新日:
精神科・心療内科
日下 慶子 監修
(参考文献)
日本睡眠学会.“ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン”.日本睡眠学会.https://jssr.jp/files/guideline/narcolepsy.pdf,(参照 2024-03-15).
日本睡眠学会.“日本睡眠学会 ガイドライン”.日本睡眠学会.https://jssr.jp/guideline,(参照 2024-03-15).
American Psychiatric Association. Diagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders DSM-5. AM PSYCHIATRIC ASSOCIATION PUB. 2013
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