腱板断裂の可能性と右肩人工関節置換術の適応について教えてください。
60代・女性のご相談
両肩の夜間の痛み、本当におつらいことと思います。長い間、特に夜に痛みが強くて眠れないことが続いているとのこと、お気持ちお察しします。
右肩のMRI検査で変形性関節症と腱板断裂が見つかり、人工関節の手術をすすめられているそうですね。でも、手術に対する不安や、持病が多いことから迷っていらっしゃるのですね。
【腱板断裂と変形性関節症について】
MRIで腱板断裂と変形性関節症があると言われたんですね。変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って炎症を起こし、痛みを引き起こす病気です。腱板断裂は、肩の安定を保つ腱板が傷つくことで起こります。これらは年齢や使い過ぎが原因で起こることが多く、肩の痛みや動きの制限をもたらします。
もしMRIでこれらの問題が確認されているなら、痛みの原因である可能性は高いです。ただ、痛みが肩以外にも広がったり、しびれがあったり、首の動きで痛みが変わる場合は、他の原因も考えられます。そんなときは、手術前に追加の検査が必要かどうか、主治医と相談してみてください。
【手術をしても鎮痛剤からは解放されないのでは?持病が多いが手術をしてもよいか?】
人工関節の手術は、傷んだ関節を人工のものに置き換える方法です。腱板断裂を伴う変形性関節症に対して行われ、痛みや動きの制限が強い場合に考えられます。ただし、手術には脱臼や感染、神経の損傷などのリスクがありますし、将来的に再手術が必要になることもあります。
「術後に鎮痛薬を手放せるか」は、手術の結果やリハビリの進み具合によりますが、一般的には痛みを和らげる効果が高いと言われています。手術を決める前に、主治医としっかり相談してください。
また、手術前には全身の検査が行われ、手術が可能かどうかや、他の病気の治療が必要かどうかを確認します。持病について心配なことがあれば、担当の医師とも話し合ってみてください。
【手術以外の治療法】
手術以外にも、以下の治療法があります。
- 薬を使った治療:痛みを和らげる薬を使います。
- リハビリ:肩の動きをよくするための運動を行います。
- 注射:ヒアルロン酸やステロイドを注射して、痛みや炎症を和らげます。
【まとめ】
右肩の痛みと夜間の痛みは、変形性関節症と腱板断裂が原因である可能性が高いです。人工関節の手術は痛みを和らげる効果がありますが、リスクや持病との兼ね合いを考慮し、医師とよく相談して決めることが大切です。手術以外にも、薬やリハビリ、注射などの治療法があります。
どうぞお大事になさってください。お近くの整形外科を探す際は、インターネットなどを活用してみてください。
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