肺がん再発と間質性肺炎治療中です。分子標的薬や遺伝子パネル検査について教えてください。
70代・男性のご相談
この度は、私たちを信頼してご相談いただき、本当にありがとうございます。ここでは、間質性肺炎をお持ちの方の肺がん治療について、わかりやすくお伝えしますね。
まず、現在EGFR阻害薬という薬で治療を受けていらっしゃるということは、再発や転移がある肺腺がんで、EGFR遺伝子に変異があると診断されたのではないかと思います。最初の治療として、EGFRというたんぱく質を狙った薬と、血管の成長を抑える薬を組み合わせた治療を受けておられ、これは適切な選択だと考えられます。その治療の中で間質性肺炎が起こり、次の治療として「カルボプラチン+アブラキサン」を提案されている状況かと思います。
間質性肺炎をお持ちの方の肺がん治療については、いくつかの薬のグループがあります。大きく分けると、「免疫を活性化する薬」「特定の遺伝子を狙う薬」「がん細胞を直接攻撃する薬」の3つです。結論として、間質性肺炎がある場合は、免疫を活性化する薬は使わない方がよく、特定の遺伝子を狙う薬も避けた方がいいです。ただし、がん細胞を直接攻撃する薬は、使えない薬でなければ慎重に使うことができます。
1. 免疫を活性化する薬(免疫チェックポイント阻害薬)
この薬は、間質性肺炎を持つ方にはおすすめできません。例えば、ニボルマブという薬は多くのがんに使われていますが、肺に影響を与えることがあるため、注意が必要です。
2. 特定の遺伝子を狙う薬
この薬も、間質性肺炎を持つ方にはあまりおすすめできません。例えば、EGFRという遺伝子に変異がある場合に使う薬がありますが、肺に影響を与えることがあるため、注意が必要です。
3. がん細胞を直接攻撃する薬
この薬は、間質性肺炎を持つ方でも慎重に使うことができます。カルボプラチンとアブラキサンの組み合わせは、間質性肺炎を持つ方の標準的な治療と考えられています。
【まとめ】
まとめると、ご相談者様の場合、最初の治療で間質性肺炎が起こったため、次の治療として「カルボプラチン+アブラキサン」が現時点では最適な選択かと思います。分子標的治療薬としてはEGFR阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の使用は避けるべきですが、「カルボプラチン+アブラキサン」を終了された後に、新たに遺伝子パネル検査をお受けになることについては、今回お伺いする情報の範囲では担当医の先生にご相談されてもよいのではないかと思いました。
少しでも参考になれば幸いです。医療用語が多くて不安に感じることもあるかもしれませんが、何かご質問があれば、どうぞ遠慮なくお知らせくださいね。あなたの力になれることを願っています。
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