腎血管性高血圧の症状は?腎血管性高血圧
監修医師白石 達也東日本橋内科クリニック 内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
腎血管性高血圧とは
「腎血管性高血圧」とはどのような病気ですか?
腎血管性高血圧は、腎臓に血液を送る血管が狭くなることで起こる高血圧です。
腎血管性高血圧は、腎臓へ血液を送る腎動脈という大切な血管が狭くなったり、詰まったりすることで引き起こされる高血圧の一種です。これは、すべての高血圧患者さんの約1%に見られます。
この血管が狭くなる主な原因は2つあります。
- 動脈硬化: 年配の方に多く見られ、血管の壁に脂肪などがたまって硬くなり、内側が狭くなる病気です。
- 線維筋性異形成: 比較的若い方に多く見られ、血管の壁が異常に厚くなって狭くなる病気です。
腎臓に十分な血液が届かなくなると、体が血圧を上げるためのホルモンを出し、その結果、血圧が高くなってしまいます。
腎血管性高血圧における「レニン」とはなんですか?
レニンは、腎臓から分泌される物質で、血管を収縮させて血圧を上げる働きがある酵素です。
レニンは、腎臓から分泌される物質で、血管を収縮させて血圧を上げる働きがある酵素です。腎血管性高血圧は、腎臓へ血液を送る「腎動脈」という血管が狭くなったり閉じたりすることで起こる高血圧です。
この腎動脈が狭くなると、腎臓は血液が足りないと感じてしまいます。すると、腎臓は「レニン」という酵素をたくさん放出し、このレニンが体の中で血圧を上げる連鎖反応をスタートさせます。その結果、全身の血管が収縮し、血圧が高くなってしまうのです。
腎血管性高血圧の症状
腎血管性高血圧には初期症状はありますか?
腎血管性高血圧では、特徴的な初期症状はありません。
腎血管性高血圧では、特徴的な初期症状はありません。しかし、初期段階でも見られるような、医師がこの病気を疑うきっかけとなる重要な「所見」や「状態」がいくつかあります。これらは、患者さんが自分で気づく症状というよりも、医師が診察や検査で気づく手がかりとなります。
- 若い年齢で高血圧になること
- とても高い血圧が続くこと
- 薬を飲んでも血圧がなかなか下がらないこと(治療抵抗性高血圧)
- お腹のあたりで、血管の異常な音が聞こえること(腹部血管雑音)
腎血管性高血圧ではどのような症状がありますか?
腎血管性高血圧では、若い年齢での高血圧や、薬が効きにくい高血圧などの所見があります。
若い年齢での高血圧や、薬が効きにくい高血圧などの所見があります。
腎血管性高血圧そのものによる特徴的な自覚症状(頭痛やめまいなど患者さんが感じる症状)はありません。しかし、医師がこの病気を疑うきっかけとなる、重要な「所見」や「状態」がいくつか挙げられています。これらは、患者さんが自分で気づく症状というよりも、医師が診察や検査で気づく手がかりとなります。
- 若い年齢で高血圧になること
- とても高い血圧が続くこと
- 薬を飲んでも血圧がなかなか下がらないこと(治療抵抗性高血圧)
- お腹のあたりで、血管の異常な音が聞こえること(腹部血管雑音)
- 左右の腎臓の大きさに違いがあること(検査でわかる)
- 特定の血圧を下げる薬を使ったときに、腎臓の働きが悪くなること
腎血管性高血圧の原因
腎血管性高血圧の原因は何がありますか?
腎血管性高血圧は、腎臓の血管が狭くなることが原因で起こる高血圧です。
動脈硬化や線維筋性異形成などが原因となります。腎血管性高血圧は、腎臓へ血液を送る大切な血管(腎動脈)が狭くなったり、詰まったりすることで引き起こされる高血圧の一種です。
この血管が狭くなる主な原因は次の2つです。
- 動脈硬化: 血管の壁に脂肪などがたまって硬くなり、内側が狭くなる病気で、主に年配の方に多く見られます。
- 線維筋性異形成: 血管の壁が異常に厚くなり、狭くなってしまう病気で、比較的若い方に多く見られます。
これらの原因によって腎臓に十分な血液が届かなくなると、体が血圧を上げるためのホルモンを出し、その結果、高血圧になります。
腎血管性高血圧の検査・診断
腎血管性高血圧のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
腎血管性高血圧は、患者さん自身が感じる特徴的な症状がないため、自分で簡単に病気を見つけることは難しいです。しかし、自分の血圧の状況に次のような特徴がある場合は、腎血管性高血圧の可能性を考え、病院を受診する目安となります。これらは、日頃から血圧を測っていることで気づきやすいです。
- 若いのに高血圧と言われた場合
- 血圧が非常に高い状態が続いている場合
- いくつか薬を飲んでもなかなか血圧が下がらない場合
これらの特徴は、専門家が病気を疑う「手がかり」となる情報です。もし、これらの状況に当てはまる場合は、自己判断せずに医師に相談することが大切です。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、腎血管性高血圧かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
腎血管性高血圧の治療・対処法
腎血管性高血圧の場合、主にどのような治療をしますか?
主に薬で血圧を管理したり、狭くなった腎臓の血管を広げる治療をします。
主に薬で血圧を管理したり、狭くなった腎臓の血管を広げる治療をします。
腎血管性高血圧の治療には、主に次の2つの方法があります。
- 薬による治療: 高い血圧を下げるために、さまざまな種類の血圧の薬を組み合わせて使います。腎血管性高血圧は、薬が効きにくい「治療抵抗性高血圧」となることもあるため、しっかりとした管理が大切です。
- 狭くなった血管を広げる治療(血行再建術): 腎臓へ血液を送る血管の狭くなった部分を広げる手術です。
治療方法は、血管が狭くなった原因や患者さんの状態によって、医師が判断します。
受診の目安・何科を受診するべきか
腎血管性高血圧が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
腎臓や循環器の専門医がいる病院を受診しましょう。
腎血管性高血圧が疑われる場合、腎臓や循環器を専門とする医師がいる病院を受診するのがよいでしょう。
この病気の診断には、腎臓へ血液を送る血管(腎動脈)の超音波検査や、CT、MRIを使った詳しい血管の検査など、専門的な検査が必要です。これらの検査や、その後の治療方針を決めるためには、特別な知識や経験を持つ専門の医師が担当することが望ましいとされています。
そのため、もし腎血管性高血圧の可能性があると心配な場合は、専門医がいる大きな病院に相談することをおすすめします。
腎血管性高血圧が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
若いのに高血圧がある、血圧が非常に高い、薬が効かない、といった場合には受診を検討しましょう。
若いのに高血圧がある、血圧が非常に高い、薬が効かない、といった場合には受診を検討しましょう。
腎血管性高血圧が疑われる場合として、以下のようなことがある場合には早期に受診が必要です。
- 若い年齢で高血圧と言われた場合: 若いのに血圧が高いのは、この病気のひとつの特徴です。
- 血圧がとても高い、または薬を飲んでも下がりにくい場合: 高血圧が重症である、あるいは、いくつかの薬を飲んでもなかなか血圧が目標値まで下がらない(治療抵抗性高血圧)場合も、この病気の可能性があります。
これらの状況に当てはまる場合は、腎臓の血管に問題がないか、専門の医師に相談することをおすすめします。
腎血管性高血圧の専門医がいる近くの病院はありますか?
腎血管性高血圧の専門医がいる病院を見る腎血管性高血圧の薬
腎血管性高血圧は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
主に血圧を下げる薬を使いますが、血圧の下がりすぎや、腎臓の機能が悪化する副作用に注意が必要です。
腎血管性高血圧の治療では、主に次のような種類の薬を使って、高い血圧を目標まで下げることを目指します。
- RA系阻害薬
- カルシウム拮抗薬
- ベータ遮断薬
これらの薬をいくつか組み合わせて使う「多剤併用」で治療することが多いです。この病気では薬が効きにくい場合もあるため、しっかりとした管理が重要です。
副作用としては血圧が下がりすぎる、腎臓の働きが悪くなるといったものがあります。どの薬剤を使用するとしても、腎臓の状態を慎重に確認しながら治療を進める必要があります。
腎血管性高血圧で禁忌となる薬はありますか?
腎臓へ血液を送る両方の血管が狭い腎血管性高血圧では、一部の血圧の薬は原則として使ってはいけません。
腎臓へ血液を送る両方の血管が狭い腎血管性高血圧では、一部の血圧の薬は原則として使ってはいけません。
腎血管性高血圧は、腎臓へ血液を送る血管(腎動脈)が狭くなることで引き起こされます。特に、両方の腎動脈が狭くなっている場合や、片方の腎動脈が狭くなっていて、もう片方の腎臓が機能していない場合、血圧を下げる薬剤の一種であるレニン・アンジオテンシン系阻害薬(ARBやACE阻害薬など)は、腎臓の働きを急激に悪くする可能性があるため、原則として使ってはいけません。
これは、これらの薬が腎臓への血流をさらに減らしてしまう可能性があるためです。片方の腎動脈が狭い場合は使用できますが、その場合でも薬を使う際は、腎臓の機能を注意深く見ていく必要があります。
対処法・セルフケア
腎血管性高血圧の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
通常の高血圧と同じく、食塩を控え、適正体重を保ち、運動、節酒、禁煙など、生活習慣の改善が大切です。
通常の高血圧と同じく、食生活や運動習慣などの生活習慣の改善が大切です。特に、次の点を心がけましょう。
- 食塩を控える: 1日の目標は6グラム未満です。ラーメンのスープを全部飲まない、加工食品を減らすなど、工夫してみましょう。
- 適正な体重を保つ: BMI(体重と身長のバランスを示す指数)を25kg/m²未満にすることが目標です。少し体重が減るだけでも血圧にはよい影響があります。
- 体を動かす: 毎日30分以上、ウォーキングのように少し息が上がるくらいの運動を続けるのがおすすめです。
- お酒を控える: お酒の飲みすぎは血圧を上げてしまいます。男性なら1日ビール500ml程度、女性はその半分くらいまでを目安にしましょう。
- タバコをやめる: タバコは血圧を上げるだけでなく、心臓や血管にも悪い影響を与えます。禁煙はとても大切です。
腎血管性高血圧で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
薬が効かない場合は、腎臓の血管を広げる手術などの治療を検討します。
薬が効かない場合は、腎臓の血管を広げる手術などの治療を検討します。
主な治療法としては、次の2つがあります。
- カテーテル治療: 細い管を血管に通し、風船で狭い部分を広げたり、ステントという網状の筒を置いて血管を確保したりします。
- 外科手術: カテーテル治療が難しい場合などには、お腹を切って血管をつなぎ直す手術が行われることもあります。
どの治療法を選ぶかは、血管が狭くなった原因や患者さんの状態を詳しく検査し、医師が判断します。
腎血管性高血圧に関連するその他の質問
腎血管性高血圧と腎動脈狭窄は関係ありますか?
はい、腎血管性高血圧は、腎臓へ血液を送る「腎動脈」が狭くなったり閉じたりすることで起こる高血圧です。
腎血管性高血圧は、腎臓に血液を送る「腎動脈」という血管の流れが悪くなることによって生じる病気です。腎動脈が狭くなると、腎臓は血液が足りないと感じて、全身の血圧を上げるように体に信号を送るため、血圧が上がります。
多くの場合、中高年の方では動脈硬化という血管の老化で狭くなることが原因ですが、若い人では血管の形が異常になることで起こることもあります。このタイプの高血圧は、すべて高血圧の患者さんの約1%に見られます。
腎血管性高血圧について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「腎血管性高血圧」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 頭痛がありますか?あるいは頭が重いですか?
- これまでに【慢性腎不全(腎臓機能が悪い)】と診断されたことはありますか?
- ゼーゼー・ヒューヒューするような呼吸音がしますか?
- これまでに【高血圧症(血圧が高い)】と診断されたことはありますか?
腎血管性高血圧に関連する病気・症状
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この記事の監修医師
白石 達也 先生
東日本橋内科クリニック 内科・循環器内科
京都大学医学部卒。田附興風会医学研究所北野病院で臨床研修、仁生社江戸川病院で循環器内科医として勤務。Ubie社での勤務を経て、東日本橋内科クリニック院長。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03