尿道炎に効く抗生物質などの薬はありますか?
性感染症による尿道炎は抗菌薬によって治療します。今のところは治療薬がありますが、耐性化が進むと有効な抗菌薬がなくなる可能性があります。
適切な抗生物質は原因菌によって異なり、原因の菌を確認して治療をすることが重要です。
一般的なガイドラインでは、菌によって下記の薬剤の使用が挙げられています。
淋菌
- セフトリアキソン
- スぺクチノマイシン
耐性化がかなり進んでいるため、有効な薬が少ないです。2~3割の方がクラミジアも一緒に感染しており、治療効果判定の検査が完了するまで治療する必要があります。
クラミジア
- アジスロマイシン
- クラリスロマイシン
- ミノマイシン
- ドキシサイクリン
- レボフロキサシン
- トスフロキサシン
- シタフロキサシン
上記の薬などから、地域の感染状態を踏まえて検討されます。クラミジア尿道炎は症状が軽いことが多いため、治っているか検査で確認することが大切です。
マイコプラズマ
- アジスロマイシン
- シタフロキサシン
症状はクラミジア尿道炎に似ているため、基本的にクラミジア尿道炎の治療をして効果がない時や、疑いが強く自費で検査した場合に診断できます。治療薬は基本的には上記の通りですが、再発することもあり難治性と言われています。
トリコモナス
- メトロニダゾール
原虫の一種の寄生虫です。非クラミジア性非淋菌性尿道炎の原因として重要で、パートナーの多くは腟トリコモナス症になっており、一緒に治療することが推奨されます。
ただしこれらの治療薬はあくまで目安であり、耐性菌の蔓延状況や地域の状況などによって治療薬は異なります。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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