網状皮斑には初期症状はありますか？

網状皮斑（Livedo Reticularis: LR）は、皮膚に赤紫色で網目状の変色（あざのような模様）が現れる症状です。このLR自体が、実は他の全身の病気の初期症状となっているケースが多くあります。

【LRが初期症状となる例】

LRは、時に深刻な病気が始まる最初の兆候として現れます。

抗リン脂質抗体症候群（APS）

血液が固まりやすくなる病気ですが、LRがこのAPSの最初のサインである患者さんが40%いたという報告があります。

コレステロール塞栓症候群

血管にコレステロールの塊が詰まる病気で、LRなどの皮膚の変化が初期の兆候となることがよく見られます。

スネドン症候群

脳の血管と皮膚の症状が出る病気ですが、LRは脳の症状が出る何年も前から現れることがあります。

【LRの分類と注意点】

LRは皮膚の血流の乱れによって生じます。そのLRが良性か病気によるものかは、以下の点で見分けられます。

生理的LR（寒冷によるもの）

寒い時に現れ、温まると消えます。これは体質的なもので治療は不要です。

病的なLR（二次性LR/LRC）

持続的であったり、網目模様が不規則であったりします。

• 特に、LRに加えて皮膚にしびれやチクチク感、あるいはしこり（結節）や傷（潰瘍）、組織が腐る変化（壊死）などが伴う場合は、血管の炎症や血栓（血のかたまり）による血流障害が原因の可能性が高く、深刻な病気の初期症状として注意が必要です。