「網状皮斑」とはどのような病気ですか？

網状皮斑とは、特定の病気を指す疾患名ではなく、皮膚に現れる、赤青色から紫色の『網目状』または『まだら状』の斑模様を指します。

【網状皮斑の症状と見た目】

網状皮斑（Livedo Reticularis: LR）は通常、手足（四肢）に多く見られますが、全身に出る場合もあります。良性で一時的な変化であることもあれば、重篤な全身疾患のサインである場合もあります。

【症状が起こる仕組み】

この網目模様は、皮膚の血流が乱れることで生じます。皮膚の微細な血管の構造上、動脈の血流が減少すると、静脈が多く集まっている部分では酸素が少ない青っぽい血液が目立つようになり、網目状に浮き上がって見えるのです。原因としては、以下の3つが考えられます。

• 血管の痙攣（機能的な血流減少）
• 血管の炎症
• 血管の詰まり（血栓や塞栓など）

【網状皮斑の主な分類】

網状皮斑は、症状のパターンや持続性、原因によって分類されます。

• 生理的な網状皮斑: 寒さにさらされたときに一時的に現れ、温めると完全に消える良性のパターンです。
• 病的な網状皮斑（Livedo Racemosa: LRC）: 網目模様が不規則で途切れており、永続的で病的な変化です。これは、抗リン脂質抗体症候群や血管炎など、重い基礎疾患と関連していることが多いため、鑑別が重要です。

網状皮斑が見られた場合、加温しても模様が消えない場合や、潰瘍やしこり（結節）を伴う場合には、隠れた病気がないかを調べるために精密検査を行うことが非常に重要です。