網状皮斑で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

網状皮斑（Livedo Reticularis: LR）の治療は、まずその原因となっている病気を正確に診断し、その病気を治療することが最も重要です。

【原因の再評価と精密検査】

薬物療法を続けても効果がない場合、隠れた全身性疾患（血管炎や血栓性疾患など）が原因である可能性があるため、再度、詳細な問診、身体検査を行い、診断のための検査（血液検査や皮膚生検など）を行うことが大切です。

【病型に応じた対策】

原因が特定できた場合は、その基礎疾患（例：抗リン脂質抗体症候群、血管炎など）に応じた専門的な治療に切り替えます。一方で、治療を必要としない病型や、薬が効きにくい病型もあります。

生理的・特発性の場合

病気によるものではない生理的な網状皮斑や、原因不明の特発性の網状皮斑の場合は、そもそも薬による治療は必要ありません。寒さ（冷気）を避けること、患肢の挙上や弾性ストッキングの着用といった保存的な対策が症状の緩和に役立ちます。

難治性の病態の場合

血栓などで血管が詰まることによって起こるリベド様皮膚炎のような難治性の潰瘍を伴う病態では、抗凝固薬などが使われますが、高気圧酸素療法や、PUVA療法（光感受性物質と長波長紫外線を組み合わせた光線療法） が有効な場合もあります。