安静時狭心症と労作性狭心症の違いを教えてください。

安静時狭心症は心臓の血管が一時的な痙攣を起こすことで生じます。夜間から朝にかけて症状が見られやすいです。

解説

安静時狭心症とは
安静時狭心症とは

安静時狭心症は、動いている時などに起こりやすい労作性狭心症と違い、主に安静時に胸痛を生じる狭心症です。
主な原因としては以下の3つがあります。

  1. 血管の動脈硬化でなく攣縮(れんしゅく:血管の筋肉が縮んでしまうこと)によって一過性の血流低下が生じる「冠攣縮性狭心症」が原因となる場合
  2. 労作性狭心症の原因となるような血管内の動脈硬化が進行して、血管内がさらに狭くなってしまい、労作時だけでなく安静時にも症状が起こるようになった場合(不安定狭心症に進行した場合)
  3. 労作性狭心症と冠攣縮性狭心症を合併している場合

冠攣縮性狭心症について

冠攣縮性狭心症では、夜間就寝中や早朝などの安静時に胸痛が出現することが多く、労作性狭心症のように身体を動かした時に症状が起こることは少ないです。また、労作性狭心症は主に動脈硬化リスクが高い方に多い一方、冠攣縮性狭心症は動脈硬化リスクが低い方でも発症することがあり、労作性狭心症と比べて若年者や女性でも発症しやすいです。

安静時狭心症の治療について

安静時狭心症の治療は、血管拡張剤の投薬によって行われ、労作性狭心症のような手術は不要です。
ただし、不安定狭心症で安静時胸痛が生じているケースや、労作性狭心症と冠攣縮型狭心症を合併している場合もあるため、心臓カテーテル検査や心筋シンチグラフィ、心臓CT等の検査や、慎重な症状の確認などが必要となります。また、症状や年齢によっては、早い段階でカテーテル検査・治療を必要とすることが多くなります。

公開日

最終更新日

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二 監修

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(参考文献)

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