インフルエンザにロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニンⓇ)は効果がありますか?
ロキソプロフェン(ロキソニン)は解熱・鎮痛の対症療法として効果がありますが、インフルエンザそのものを治す薬ではなく、特に小児への使用には注意が必要です。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニン)は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる解熱鎮痛薬のひとつです。インフルエンザの発熱や頭痛、関節痛といった症状をやわらげる対症療法としての効果は期待できますが、インフルエンザウイルスそのものを退治する薬ではありません。
インフルエンザにおけるロキソニンの効果
ロキソニンには炎症を抑え、熱を下げ、痛みをやわらげる作用があります。そのため、インフルエンザによる高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛などのつらい症状を一時的に軽減する効果が期待できます。ただし、あくまで症状を抑える対症療法であり、インフルエンザの原因であるウイルスに直接作用するわけではありません。インフルエンザそのものの治療には、医師が処方する抗インフルエンザ薬が必要です。
インフルエンザでロキソニンを使うときの注意点
ロキソプロフェンは禁忌薬には指定されていませんが、NSAIDs全般についてインフルエンザでの使用には慎重な対応が求められています。厚生労働省は、インフルエンザの解熱にはアセトアミノフェンが適切としています。特に小児では、ジクロフェナクナトリウムがインフルエンザ脳炎・脳症の致命率を有意に高めるとの報告があり(日本小児科学会)、ジクロフェナクやメフェナム酸は原則禁忌とされています(PMDA)。ロキソプロフェンについては調査症例が少なく関連性が明確でないものの、小児への使用は慎重に判断する必要があります。
インフルエンザと解熱鎮痛薬の選び方
成人の場合、入院患者さんを対象とした大規模研究では、NSAIDsの短期使用とICU入室や30日死亡リスクとの間に有意な関連は認められていません(Lund LC et al. 2020)。ただし、長期使用ではICU入室リスクの上昇が示唆されています。インフルエンザの解熱鎮痛薬としては、安全性の面からアセトアミノフェンが第一選択として広く推奨されています(厚生労働省)。やむを得ずロキソニンを使用する場合は、用量を守り、短期間にとどめることが大切です。
インフルエンザの症状がつらいときは
高熱や強い頭痛、関節痛が続くなどインフルエンザの症状がつらい場合は、自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、早めに医療機関への受診をご検討ください。特に小児や高齢者では、解熱鎮痛薬の選択に注意が必要なため、医師の判断のもとで症状や年齢に合った適切な薬を選ぶことが重要です。
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(参考文献)
厚生労働省「インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について」(平成13年5月30日通知),https://www.mhlw.go.jp/houdou/0105/h0530-4.html,(参照 2026-08-10).
日本小児科学会.“インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について”.日本小児科学会.https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=201,(参照 2026-08-10).
PMDA「インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について」,https://www.pmda.go.jp/files/000143709.pdf,(参照 2026-08-10).
Lund LC et al. Association of Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug Use and Adverse Outcomes Among Patients Hospitalized With Influenza.JAMA Netw Open. 2020;3(7):e2013880. PMID:32609352
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京都大学大学院医学研究科 総合内科
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