百日咳は血液検査でわかりますか?
一般的な血液検査では確定診断はできず、特別な検査(PCRや抗体検査)が必要です。
百日咳は、一般的な血液検査では診断できません。専門的な血液検査(抗体検査)では感染を確かめることができます。
百日咳は、鼻の奥を拭って調べるPCR検査や細菌培養検査、血液で調べる抗体検査で診断されます。一般的な血液検査だけで百日咳を確定診断することはできません。
例えば、特に小児で著明なリンパ球(白血球の一種)の増加がみられたときには百日咳を疑うヒントになりますが、これは他の感染症でもみられることがある所見であり、あくまで補助的な情報にすぎません。
百日咳の診断検査のひとつである抗体検査は、血液中の百日咳毒素に対する抗体の量を調べることで、感染の有無や既往を推定する検査です。
抗体は感染から7~14日以上かけ徐々に上昇するため、主に発症から2週間以降に有効な検査です。一度の測定では確定診断できないこともあり、感染前後で抗体価の十分な上昇を確認するため2回の採血が必要になる場合があります。
また、ワクチン接種後も抗体価が上昇するため、ワクチン接種後では、抗体が高値でも感染によるものかどうかの判断が難しい場合があります。
小児では、母親由来の抗体や予防接種歴の影響を受けたり、免疫能が未熟なために、抗体の産生が遅れたり、不十分である場合があるため、抗体検査のみで診断することは推奨されません。
血液検査は百日咳の補助診断ツールであり、特に初期診断や確定にはPCR検査が信頼されています。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
American Academy of Pediatrics. Red Book: 2024–2027 Report of the Committee on Infectious Diseases. 2024.
厚生労働省.“百日咳”..https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-23.html,(参照 1899-12-30).
CDC.Pertussis (Whooping Cough).Whooping Cough (Pertussis),https://www.cdc.gov/pertussis/index.html(参照 2025-05-19)
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