百日咳はどのように診断しますか?
百日咳は、特徴的な咳の経過や周囲の流行状況を確認し、PCR検査や抗体検査などで診断します。
百日咳の診断は、症状や周囲の流行状況の確認と、検査による原因菌の確認を組み合わせて行われます。
まずは、以下のような症状や病歴がないかを確認します。
- 2週間以上続く咳
- 発作性の激しい咳
- 咳の合間の吸気時の笛様音
- 咳き込み後の嘔吐
- 無呼吸発作(特に乳児)
- 百日咳と診断された人との接触歴
その後、検査により百日咳菌の存在を確認します(確定診断)。
検査には、以下の3つの方法がありますが、それぞれに特徴があり、状況に応じて使い分けられます。
①PCR検査(百日咳菌の遺伝子を検出する方法)
最も精度が高く迅速な検査であり、現在最も一般的に用いられています。鼻の奥(鼻咽頭)を綿棒でぬぐい、菌のDNAを検出します。
②菌培養検査(百日咳菌を直接培養して検出する方法)
PCRと同様に鼻咽頭ぬぐい液を使用し、特殊な培地を使って百日咳菌が育つか確認します。ただし、結果が出るまでに数日〜1週間かかり、抗菌薬を服用していると陰性になることもあります。
③ 血清抗体検査(百日咳に対する血液中の抗体を調べる方法)
百日咳に感染すると作られる抗体の量を測ることで、感染の有無を診断します。ワクチン接種歴があると判別が難しいこともあります。
検査時期や症状の経過によって、最適な検査法が異なるため、医師の判断に従い、適切な検査を受けることが大切です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
American Academy of Pediatrics. Red Book: 2024–2027 Report of the Committee on Infectious Diseases. 2024.
厚生労働省.“百日咳”..https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-23.html,(参照 1899-12-30).
CDC.Pertussis (Whooping Cough).Whooping Cough (Pertussis),https://www.cdc.gov/pertussis/index.html(参照 2025-05-19)
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