二度熱傷と三度熱傷では、経過が異なりますか?
はい、経過は大きく異なります。痛み、水疱の有無、治癒期間、治療法が違います。
二度熱傷と三度熱傷では、皮膚損傷の深さが異なり、経過や治療法が大きく違います。
【二度熱傷(真皮まで)】
- 浅達性: 皮膚の浅い層の損傷です。水ぶくれができ、ヒリヒリとした強い痛みが特徴です。約2週間で傷跡をほとんど残さずに治ることが多く、主に軟膏などで治療します。
- 深達性: 皮膚の深い層まで及ぶ損傷です。水ぶくれが見られ、皮膚はやや白っぽく、痛みは軽度です。治癒には時間がかかり、傷跡が残ることもあり、時に手術が必要な場合もあります。
【三度熱傷(皮下組織まで)】
- 皮膚の全層とさらに皮下組織まで損傷した状態です。皮膚は血の気がなく蝋のように白くなったり、炎による場合は炭のように黒くなったりします。痛みを感じる神経まで損傷されるため、痛みはありません。自然に治ることは難しく、多くは外科手術が必要です。
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(参考文献)
波利井清紀ほか. 創傷外科. 克誠堂出版. 2015
佐々木淳一ほか.“熱傷診療ガイドライン(改訂第3版)”.日本熱傷学会.https://www.jsbi-burn.org/members/guideline/index.html,(参照 2025-12-11).
一般社団法人 日本形成外科学会.やけど(熱傷).日本形成外科学会,https://jsprs.or.jp/general/disease/kega_kizuato/yakedo/yakedo.html(参照 2025-12-11)
漆舘聡志.やけど(熱傷).一般社団法人 日本創傷外科学会,https://www.jsswc.or.jp/general/yakedo.html(参照 2025-12-11)
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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
初岡 佑一 監修
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