腹膜炎の場合、主にどのような治療をしますか?
抗菌薬による治療や全身状態の管理を行いながら、原因の検索および治療を行います。
腹膜炎の治療は、主に以下の3つです。
①抗菌薬の投与
腹膜炎の炎症は基本的に細菌感染によるものが多いので、抗菌薬を投与します。点滴で投与することがほとんどです。
②全身管理
腹膜炎をきたすような状態は重症、もしくは重症化しうる危険な状態な場合が多いので、多くの場合入院による治療が必要です。お腹の中の炎症なので、食事の刺激が状態を悪化させる可能性が高いため、絶食が基本となります。食事の代わりの水分と栄養を点滴から補給し、血圧や脈などが安定するように適宜点滴や薬で調整します。重篤な場合は人工呼吸器による呼吸のサポートが必要な場合もあります。
③原因の検索、治療
腹膜炎をきたした原因を検索し、その治療を行います。場合によっては手術が必要な場合もあります。
たとえば、消化管などの臓器が穿孔している場合は、穴をふさぐ、もしくはその臓器の一部あるいはすべてを切除する手術で、炎症の原因を取り除く治療を行います。
がんの腹膜播種で腹膜炎をきたしている場合、がんが進行していることがほとんどで、腹膜播種を治癒させることは困難です。腹痛には痛み止め、がん性腹水がたまりお腹が張る場合は腹水を除去するなど症状に対する対症療法(病気の根本的治療ではなく現れた症状への対応としての治療)がメインになります。
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最終更新日:
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
(参考文献)
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