副腎癌の原因は何がありますか?
多くは原因がはっきりしませんが、一部でリ・フラウメニ症候群などの遺伝性の病気との関連が報告されています。
副腎癌の原因と遺伝的要因
副腎にできるがんのうち、ここでは副腎皮質癌の原因について説明します。副腎皮質癌の多くは原因がはっきりしない(特発性)とされていますが、近年の研究では一部に遺伝的な要因が関与していることが明らかになっています。
研究では、細胞の増殖をコントロールする体内の仕組みに異常が起こることが、発症に関わっていると報告されています。具体的には、TP53という遺伝子の異常や、細胞の増殖に関わるWntシグナルの異常、IGF2(インスリン様成長因子2:細胞を増やす働きをもつ物質)の過剰な働きなどが指摘されています(Kamilaris et al. 2020)。これらの遺伝子異常は、遺伝性の病気の研究を通じて明らかになったものが多く含まれています。
副腎癌に関連する遺伝性の病気
副腎皮質癌は、以下のような遺伝性の病気の一部として発症することがあります(Else 2012)。
- リ・フラウメニ症候群(TP53遺伝子の変異が原因)
- ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(11p15領域の異常が原因)
- 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1型)
- 家族性大腸腺腫症(FAP)
特に小児ではリ・フラウメニ症候群やベックウィズ・ヴィーデマン症候群との関連が強く報告されています。成人でもMEN1型やFAPとの関連が報告されています。
副腎癌が疑われるときの対応
副腎皮質癌は希少な病気であり、早期発見が重要とされています。遺伝性の病気を指摘されている方などで気になることがあれば、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
Fassnacht M, Dekkers O, Else T, et al. European Society of Endocrinology Clinical Practice Guidelines on the management of adrenocortical carcinoma in adults, in collaboration with the European Network for the Study of Adrenal Tumors. Eur J Endocrinol. 2018;179(4):G1-G46. PMID: 30299884,(参照 2026-08-21).
国立がん研究センター がん情報サービス『副腎皮質がん(副腎がん)』https://ganjoho.jp/public/cancer/adrenal_cancer/index.html,(参照 2026-08-21).
国立がん研究センター希少がんセンター『副腎皮質がん』https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/adrenal_cancer/index.html,(参照 2026-08-21).
Kamilaris CDC, Hannah-Shmouni F, Stratakis CA. Adrenocortical tumorigenesis: Lessons from genetics. Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2020;34(3):101428. PMID: 32507359
Else T. Association of adrenocortical carcinoma with familial cancer susceptibility syndromes. Mol Cell Endocrinol. 2012;351(1):66-70. PMID: 22209747
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編集・監修基準について
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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