T細胞リンパ腫のステージ別の余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
ステージ別の余命は不明で、疾患別およびリスク別の5年全生存率の報告があります。低リスクでは56〜90%、高リスクでは11〜33%となっています。
1,314名の患者さんを対象にした末梢性T細胞リンパ腫の国際臨床研究の報告では、742名(56.5%) がここで扱う「T細胞リンパ腫」と診断され、その臨床経過などが解析されています(J Vose,et al. J Clin Oncol. 2008,26(25),4124-4130.)。
この論文におけるT細胞リンパ腫の5年全生存期間(5-year overall survival: OS)は以下のとおりです。
- 末梢性T細胞リンパ腫・非特定型(PTCL-NOS):全体32%、 低リスク50%、 高リスク11%
- 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL):全体32%、 低リスク56%、 高リスク25%
- 未分化大細胞リンパ腫(ALCL)・ALK陽性:全体70%、 低リスク90%、 高リスク33%
- 未分化大細胞リンパ腫(ALCL)・ALK陰性:全体49%、 低リスク74%、 高リスク13%
以上より、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)・ALK陽性が最も余命が長く、次いでALK陰性、末梢性T細胞リンパ腫・非特定型(PTCL-NOS)と血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は同程度であることが分かります。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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