T細胞リンパ腫は完治しますか?
ここでは完治を「5年間がん病変のない状態」と定義しますと、一部のT細胞リンパ腫は完治すると言えます。
1,314名の患者さんを対象にした末梢性T細胞リンパ腫の国際臨床研究の報告では、742名(56.5%) がここで扱う「T細胞リンパ腫」と診断され、その臨床経過などが解析されています (J Vose,et al. J Clin Oncol. 2008,26(25),4124-4130.)。
この論文におけるT細胞リンパ腫の5年治療成功生存期間(5-year failure-free survival: FFS)は以下のとおりです。
- 末梢性T細胞リンパ腫・非特定型(PTCL-NOS):20%
- 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL):18%
- 未分化大細胞リンパ腫(ALCL)・ALK陽性:60%
- 未分化大細胞リンパ腫(ALCL)・ALK陰性:36%
4疾患の成績の差はありますが、5年治療成功生存期間は5年間病変のない状態と考えられますので、どの病気においても完治が期待できると考えられます。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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