精巣上体炎の場合、主にどのような治療をしますか？

精巣上体炎の治療は、原因に応じた抗菌薬治療と、症状を和らげるための対処療法が中心です。

抗菌薬は「原因菌」と「重症度」に合わせて、内容や投与方法を変更します。細菌による感染症以外が原因の場合は、主に対処療法による治療を行います。

抗菌薬

性感染症が原因と考えられる場合

クラミジア・淋菌が最多のため、セフトリアキソンやドキシサイクリンなどを使用すること標準的です。効果が乏しい場合や腸内細菌混在を想定する場合は、適宜抗菌薬を追加・変更します。

腸内細菌が原因と考えられる場合

大腸菌やクレブシエラが多いため、レボフロキサシンなどが標準的です。ただし地域によっては耐性化もしているため、培養結果や地域のアンチバイオグラムを元に変更します。

対処療法

なるべく安静にして、解熱鎮痛薬の内服、陰嚢をタオルで優しく挙上すること、アイシングを行うことなどが挙げられます。

治療の方法

軽度であれば、外来治療で治ることが多いですが、

• 自宅で食べたり飲んだりすることができないほど具合が悪い
• 症状がとても強い
• 38℃以上の高熱が持続する
• 血圧が下がる

など、入院のうえ点滴での治療が必要な場合がありますので、そのような状態の場合や、治療してから2～3日経っても改善しない場合は、我慢せずに病院へ連絡して受診しましょう。

治癒してからも1～2か月痛みや腫れが続くことはあり、長期的には不妊症のリスクもありますので、治療後も気になる症状がある場合は、泌尿器科を受診しましょう。