精巣上体炎でしこりは残る?精巣上体炎

監修医師秋元 隆宏東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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最初に気になった症状

  • 陰嚢痛77%
  • 陰嚢腫大11%
  • 陰茎痛1%
  • 鼠径部痛1%未満
  • 下腹部痛1%未満

受診した診療科

  • 泌尿器科91%
  • 内科4%
  • その他5%

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精巣上体炎とは

精子の通り道である精巣上体に細菌が感染する事で起こる尿路感染症です。陰のうの腫れや痛みの他に、発熱やだるさといった全身症状も見られます。

「精巣上体炎」とはどのような病気ですか?

精巣の上にある精巣上体に炎症が起こり、陰嚢が腫れて痛む病気です。

精巣上体炎とは、精巣上体という精巣にくっついている器官が炎症を起こす病気です。

精巣上体は精巣で作られた精子を、成熟させながら貯蔵・輸送するコイル状の管状の臓器で、精巣の上部や後方についていて、陰嚢の中にあり、副睾丸とも呼ばれます。

ここに細菌やウイルス、化学物質などが入り込むと、急激な炎症が起こり、片側の陰嚢の腫脹(腫れ)・発赤(赤み)・強い痛み・発熱(38℃以上の全身的な発熱をきたすこともある)を呈します。

発生率は、0.25~0.65%とまれですが、性感染症になった方、前立腺肥大症のある方や前立腺炎になった方などに多いです。

放置すると、精子の数が減ったり、いなくなったりすることなどにより不妊症の原因になることや、膿瘍化して長期化すること、非常にまれですが、危険な状態にまで進行することもあります。

緊急疾患である「精巣捻転」と症状が似ているため、陰嚢が痛い場合は我慢せずに、早めに泌尿器科や救急外来を受診しましょう。

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精巣上体炎の症状

精巣上体炎には初期症状はありますか?

片側の陰嚢の違和感や腫れ、微熱などがあります。

精巣上体炎の初期症状としては、以下のようなものがあります。

  • 陰嚢が重い
  • 動くと違和感がある
  • 陰嚢が熱い気がする

発症早期は「陰嚢が重い」「動くと違和感がある」程度で、その他の症状として、微熱や軽度の尿の出にくさしか伴わないことも多いです。

発症してから24~48時間で、急速に片方の陰嚢の腫れと激痛が現れることが典型的なため、発症してから2~4日程度で病院を受診される方が多いです。

ただし、小児では無菌性炎症が主体のため、痛みが軽微で見逃されやすく、重度の糖尿病がある方などは痛みを感じにくくなるため、重症化してからみつかることがあります。

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精巣上体炎ではどのような症状がありますか?

片側の陰嚢に強い痛みや腫れ、熱感があり、全身性の発熱などもきたします。

主な症状は以下の通りです。

  • 片方の陰嚢の痛み、腫れ、熱感
  • 全身性の発熱

典型的には数時間~2日で徐々に強くなる片側の陰嚢の痛みと腫れ、局所の熱感(熱っぽさ)が現れます。炎症が激しい場合は37.5℃を超えるような全身性の発熱を合併することもあります。

発症後、2~4日後に受診される方が多いです。治療によって、2週間後までに症状が改善することはありますが、激しい炎症が起こった場合などは痛みや陰嚢の腫れが1~2か月続くこともあります。

また、精巣上体は精子の成熟や輸送を行うため、治癒後に乏精子症(精子の数が少ない状態)や、無精子症になる確率が最大40%あり、不妊症のリスクが増加します。

もちろん放置した場合は、進行してしまうので、膿の塊(膿瘍)を形成したり、糖尿病などもあると気がつきにくく、フルニエ壊疽(陰嚢の皮膚が腐ってしまう重い病気)にまで進展することもあります。

陰嚢を持ち上げると痛みが軽減することがありますが、触られるだけで痛い場合も多いです。

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精巣上体炎の原因

精巣上体炎の原因は何がありますか?

原因の多くは感染症で、まれに怪我によることもあります。

精巣上体炎の原因は、主に細菌による感染症です。まれにそれ以外が原因となることもあります。

細菌による感染症

主に細菌が尿道から精管へと逆流してくる “上行性感染” によって起こります。そのため、原因となる細菌などは年代や生活背景で大きく変わります。

20~40代の方

性行為でうつるクラミジアや淋菌が約7~8割を占めており、新しいパートナーと出会って1か月以内は発症リスクが高まります。
肛門性交があった場合は、大腸菌やクレブシエラなど、腸内細菌との混合感染も起こりやすいと言われています。

35歳以上の方や前立腺肥大がある方、尿道カテーテルを使用している方

性感染症のこともありますが、前立腺肥大症のように尿の通り道が細くなることや、尿の圧力の変化を背景に、大腸菌・クレブシエラなど、腸内細菌が主な原因菌になります。

その他の原因

  • ムンプス(おたふくかぜ)による精巣炎の炎症の波及
  • アミオダロンの服用
  • 長時間の自転車走行
  • 怪我
  • 自己免疫性血管炎

などでも炎症が生じることがあります。

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精巣上体炎の検査・診断

精巣上体炎のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

以下のような症状がみられる場合、精巣上体炎の可能性があります。

陰嚢の症状がある

  • 陰嚢の片方が腫れている、硬く腫れている
  • 陰嚢の片方が痛む、特に精巣の上にあるしこりを触ると強く痛む
  • 陰嚢の片方が熱を帯びている

精巣上体炎は精巣捻転と似ている症状をきたすため、セルフチェックだけでは診断ができませんが、どちらも早めに治療が必要な病気で、特に精巣捻転は捻じれてから6時間以内に解除する必要があるので、精巣上体炎が疑われた場合も、なるべく早く泌尿器科や救急外来を受診しましょう。

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精巣上体炎の治療・対処法

精巣上体炎への対処法は?

抗菌薬で治療をします。症状がある場合は泌尿器科を受診してください。

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受診の目安・何科を受診するべきか

精巣上体炎が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

陰嚢の腫れ・痛み・発熱のどれかがあれば早急に泌尿器科を受診しましょう。

精巣上体炎が疑われた際に、病院を受診する目安は以下の通りです。

  • 陰嚢が腫れている、硬く腫れている
  • 陰嚢が痛む、触ると痛む
  • 発熱を伴う
  • 吐き気などの消化器症状がある

精巣上体炎は治療しても治るまで時間がかかりますが、放置するとなおさら時間がかかり、生活に支障があるため、精巣上体炎が疑われる場合は、なるべく早く受診しましょう。

また、似た陰嚢痛をきたす病気に精巣捻転もあります。エコー検査で見分けられることが多いですが、精巣捻転の場合は、6時間以内に捻じれを解消しないと、将来的に不妊のリスクなどを高めるため、試験的に手術をして実際に捻転していないか確認することもあります。

精巣上体炎も精巣捻転も放置して自然に治ることは少ないので、陰嚢に異常を感じた場合は、早朝など専門の病院が営業していない時間帯であっても、早めに救急外来や泌尿器科を受診することが重要です。

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精巣上体炎の専門医がいる近くの病院はありますか?

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精巣上体炎の薬

精巣上体炎は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

抗菌薬が中心で、痛み止めも併用します。薬によっては下痢や吐き気、まれに重篤な副作用があります。

精巣上体炎の治療の中心は、原因菌に合わせた「抗菌薬(抗生物質)」で、症状の緩和目的に解熱鎮痛薬などを併用することがあります。

主な治療薬は、以下の通りです。

抗菌薬

腸内細菌(大腸菌など)が原因と考えられる場合と、性感染症(クラミジア、淋菌など)が原因と考えられる場合で、使用する抗菌薬を変更します。また、長期的に同じ抗菌薬を使用すると、耐性菌が生じるリスクがあるので、改善の様子や、培養検査の結果をみて、適宜抗菌薬は変更します。抗菌薬は10~14日間程度の使用が推奨されています。

対症療法薬

痛みに対しては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬が使用されます。

副作用は、以下の通りです。

一般的な副作用

抗菌薬の一般的な副作用としては、すでに体にいる腸内細菌などにも効いてしまうため、下痢や軟便、吐き気、腹痛、食欲不振などが報告されています。 NSAIDsは腎機能の低下、肝機能の低下、長期使用による胃炎などが知られています。

重篤な副作用

薬が体と合わない場合は、薬疹やアレルギー症状が出ることがあります。また、抗菌薬の種類によってさまざまな副作用が出る可能性があるので、飲み始める前に、危険な副作用などについては医師や薬剤師に聞きましょう。

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対処法・セルフケア

精巣上体炎の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

なるべく無理な運動はせず安静にして、痛い場合は冷やし、十分な水分摂取を心がけましょう。

精巣上体炎になった場合に、症状を悪化させないために、日常生活で気をつけることとして、以下のことが挙げられます。

  • 安静にする(重いものを持ち上げることや激しい運動、性行為等は避ける)
  • 患部を冷却する
  • 下着を工夫する(陰嚢をサポートする下着の着用で痛みが軽減することがあります)
  • 十分に水分摂取をする

ただし、症状が強い場合は、我慢しすぎずに解熱鎮痛薬などを飲んで、なるべく痛みを和らげましょう。

性感染症による精巣上体炎の場合は、パートナーに感染する可能性もあるので、パートナーにも相談したうえで、一緒に検査を受けて同時に治療することが重要です。

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精巣上体炎に関連するその他の質問

精巣上体炎でしこりは残りますか?

はい、治療後も痛みがなくなっても、しばらくしこりが残ることがあります。

精巣上体炎の炎症は強いため、治療後、痛みがなくなったあとも、患部の組織が一部変化して、触ると硬いしこりのような腫れがしばらく残ることがあります。

このしこりは、やがて小さくなることが多いですが、完全に消えるまでに時間がかかる場合や、小さくなってもそのまましこりとして残ってしまう場合もあります 。痛みがなく、その他の症状も改善しているようであれば、基本的にはそのまま放置しても問題ありません。

しかし、陰嚢内の痛みのないしこりは、まれに精巣がんである可能性もあるため、気になる症状がある場合は、放置せず泌尿器科を受診することが重要です。

精巣がんは通常、陰嚢のしこりや腫れなどの症状を生じますが、精巣にできるため、精巣上体とは場所が異なり、病院のエコー検査などで見分けることができます。

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精巣上体炎について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「精巣上体炎」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 玉(陰のう)のあたりが痛みますか?
  • 尿道から膿が出ていますか?

精巣上体炎に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

玉(陰のう)が痛い
症状の程度
人生最大の痛み、もしくは想像出来る中で最大の痛み
自覚した時期
12時間以内から
症状の経過
悪化している
玉(陰のう)が腫れている、玉が大きくなった
症状の経過
悪化している
患部が腫れている
自覚した時期
1か月以上前から
尿の回数が増えた
症状の程度
15回以上
自覚した時期
1か月以上前から
体のだるさがある
症状の程度
だるさで起き上がるのも苦労する
自覚した時期
6か月以上前から

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この記事の監修医師

監修医師 秋元 隆宏

秋元 隆宏 先生

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科

【経歴】 東北大学医学部医学科 卒業 三井記念病院 臨床研修 三井記念病院 泌尿器科 東京大学医学部付属病院 泌尿器科・男性科 自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 泌尿器科学部門 病院助教 琉球大学医学部システム生理学講座 東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03