慢性蕁麻疹と慢性特発性蕁麻疹の違いはなんですか?
慢性蕁麻疹のうち、原因不明のものを慢性特発性蕁麻疹と呼びます。
慢性蕁麻疹と慢性特発性蕁麻疹の違いとして、慢性蕁麻疹のうち原因不明のものを慢性特発性蕁麻疹と呼びます。ただし、そもそも慢性蕁麻疹のほとんどは特発性(原因特定不能)であり、慢性蕁麻疹と慢性特発性蕁麻疹の区別をする意義はないという意見もあります。
慢性(特発性)蕁麻疹の原因は、明確には解明されていませんが、免疫系の異常や自己免疫反応が関与しているとされています。
具体的には、体内で抗ヒスタミン薬が対応しきれないほどの皮膚にあるマスト細胞という細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、これが皮膚に赤みやふくらみ、炎症やかゆみを引き起こす原因となります。
自己抗体が関与するケースもあり、これは自己免疫疾患の一種とみなされることがあります。さらに、ストレス、疲労、気温変化などの環境要因や体内の感染が発症や悪化の引き金になることがあります。
しかし、多くの患者さんでは、血液検査やアレルギー検査を行っても特定のきっかけがみつからず、原因が特定できないことが特徴です。そのため、治療期間は年単位に及ぶことも多々あります。
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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