芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)とは、皮膚に無痛性の紫斑や紅斑が現れ、急速に進行して骨髄や中枢神経に浸潤する血液のがんです。発熱や出血、感染症などの症状がみられます。皮膚病変が続く場合は血液内科を、まずは内科や皮膚科でも受診しましょう。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
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「芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)」の原因やなりやすい人の特徴には、何がありますか?
いくつかの遺伝子異常が関係しており、中高年男性や他の血液疾患を持つ人に多く見られます。
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)のステージ別(転移の有無別)での余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
BPDCNの余命は転移なしで約24~36ヶ月、転移ありでは12~14ヶ月と報告されています。
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の日本の患者さん数はどのくらいですか?
日本での年間発症数は約10~20例、これまでの診断例は222例と報告されています。
小児の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)について教えてください。
小児の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍は非常にまれですが予後は比較的良好で、化学療法が高い効果を示します。
症状について
受診について
治療について
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)のステージIでは、どのような治療を行いますか?
ステージI相当でも全身化学療法とTagraxofusp、造血幹細胞移植が推奨されます。
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)のステージIIでは、どのような治療を行いますか?
ステージII相当では多剤併用化学療法とTagraxofusp、造血幹細胞移植が推奨されます。
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)のステージIIIでは、どのような治療を行いますか?
ステージIII相当では強力な化学療法、Tagraxofusp、造血幹細胞移植が推奨されます。
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)のステージIVまたは再発がんでは、どのような治療を行いますか?
BPDCNステージIV相当では再導入化学療法やTagraxofusp、造血幹細胞移植が検討されます。
(参考文献)
坂本佳奈ほか. 10. 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍 (BPDCN) の診断. 日本臨床. 2020, 78, 769-774.Pagano L, et. Blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm: diagnostic criteria and therapeutical approaches. Br J Haematol. 2016, 174, 188-202.Pemmaraju N, et al. Tagraxofusp in Blastic Plasmacytoid Dendritic-Cell Neoplasm. N Engl J Med. 2019, 380, 1628-1637..Cuglievan B, et al. Blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm: a comprehensive review in pediatrics, adolescents, and young adults (AYA) and an update of novel therapies. Leukemia. 2023, 37, 1767-1778.竹内賢吾ほか.日本BPDCN研究会 | JSG-BPDCN.日本BPDCN研究会,https://bpdcn.jp(参照 2025-06-30)
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