小児の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)について教えてください。
小児の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍は非常にまれですが予後は比較的良好で、化学療法が高い効果を示します。
小児の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は、非常にまれな血液のがんで、特に皮膚や骨髄、中枢神経に広がりやすい病気です。これまでに報告された症例は、わずか69例程度にとどまります。発症年齢の中央値は10歳で、男女比はほぼ同等と成人と異なります。
成人と比較して小児例は臨床的にやや緩徐な経過を示す一方で、診断時にすでに多臓器に病変が及ぶことが多く、骨髄や中枢神経系への浸潤率も高くなっています。
治療には高リスク急性リンパ性白血病(ALL)に準じた多剤併用療法が有効で、約90%が完全寛解に至ったとする報告もあります。高リスク例や再発・難治例では、同種造血幹細胞移植が推奨されます。Tagraxofuspやvenetoclaxなどの分子標的薬の使用経験もあり、今後の治療選択肢として期待されています。
予後は成人より良好で、全体の生存期間中央値は約79ヶ月とされます。CNS病変の頻度が高いため、診断時の腰椎穿刺による髄液検査と予防的な髄腔内化学療法が重要です。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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