BRCA(ブラカ)遺伝子は、卵巣がんと関係ありますか?
関係あります。BRCA遺伝子異常を持つ卵巣がんは遺伝性腫瘍の可能性があり、遺伝学的検査が考慮されます。
がんの原因となる遺伝子異常は後天的に獲得される場合(遺伝子変異)が多いのですが、まれに先天的な遺伝子異常(生まれつきの遺伝子異常)が原因でがんに至る場合があり、遺伝性腫瘍と呼ばれます(この遺伝子異常を「病的バリアント」と呼びます)。
BRCA遺伝子は2本鎖DNAが切断されたときに修復する働きがあり、この遺伝子異常ががんの原因と考えられる場合、遺伝性腫瘍(病的バリアント)の可能性を検討する必要があります。
BRCA病的バリアントによる遺伝性の卵巣がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群:HBOC)の頻度は、卵巣がん全体の12〜15%と、他のがんでのHBOCの頻度よりかなり高いことが特徴です。
このように卵巣がんでのHBOCの頻度が高いことから、BRCA遺伝子異常を有する卵巣がんについて、HBOCであるかどうかを調べるBRCA遺伝学的検査の基準は「すべての卵巣がん患者さんは家族歴に関係なくBRCA遺伝学的検査を考慮してもよい」とされています。
治療については、BRCA遺伝子変異を持つ進行卵巣がん(Ⅲ、Ⅳ期)における初回薬物治療後に、病変が縮小もしくは消失した症例の追加治療(維持療法)として、PARP阻害剤オラパリブとニラパリブの有効性が証明されており、初回治療、再発治療ともに承認されています。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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