更年期のほてり・のぼせがつらいです。エクオールという成分がよいと聞きましたが、腸内環境と関係しますか?

エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてできる成分で、更年期のほてり軽減に関連するとされています。体内でエクオールを作れる人と作れない人がいるため、母体となる腸内環境との関連は大きいと考えられています。

解説

この記事でわかること

  • エクオールという成分と、更年期症状との関係
  • エクオールは腸内細菌が作るというメカニズム
  • 生活習慣の見直しと腸内環境ケアの考え方

エクオールとは:大豆イソフラボンの代謝物

大豆や大豆製品に含まれるダイゼインというイソフラボンが、一部の腸内細菌によって「エクオール(equol)」という成分に変換されます。エクオールは女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用を一部もつとされ、更年期に低下するエストロゲンに関連して起こるホットフラッシュやホルモン補充療法以外の選択肢として評価されています。複数の試験を統合した分析では、エクオールの摂取が閉経後のホットフラッシュ頻度・重篤度の低下に関連することが示されています[Daily JW, et al. Equol Decreases Hot Flashes in Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. J Med Food. 2019, 22, 127-39.]。エクオールをホルモン補充療法に代わる選択肢のひとつとして検討する論文も出ています[ Inhae Kang, et al. Effect of isoflavone supplementation on menopausal symptoms: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Nutr Res Pract. 2022, 16, S147-S159.]。

「エクオールを作れる人」と「作れない人」

重要な点として、大豆イソフラボンをエクオールに変換できる腸内細菌を持つ人は限られており、日本人では約半数、欧米人ではさらに低いとされています。この「エクオール産生能」の有無が、大豆製品の効果の個人差を生んでいると考えられています。エクオールを産生できない方では、エクオールを商品として含んだ機能性表示食品を補助として取り入れることで、なかった人と同様の効果が期待されるとされています[Utian WH, et al. S-equol: a potential nonhormonal agent for menopause-related symptom relief. J Womens Health (Larchmt). 2015, 24, 200-8.]。

まず取り組む:生活習慣と食事

更年期ケアの基本としては、質の良い睡眠と適度な運動、ストレス管理、カルシウム・ビタミンDを含むバランスのよい食事の確保が挙げられます。大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など)を日常食に取り入れることは、エクオール産生能を持つ方にとっての補助となります。ただし、重いホットフラッシュ・不眠・抑鬱・関節痛などの更年期症状は、ホルモン補充療法・漢方薬・カウンセリングなど医療機関での選択肢も豊富です。

食生活の補助として:エクオール含有製品と腸内環境

エクオール含有の機能性表示食品を検討する際は、あくまで生活習慣・医療的ケアの補助として位置づけることが推奨されます。腸内環境を整えるプロバイオティクス食品を見直すことも、腸全体のコンディションを整える一助になる可能性があります。

更年期のほてり・のぼせケアで検討が推奨される点

特に重要とされるのは、「自分がエクオールを作れる体質かを踏まえ、生活習慣の見直しとあわせて補助を取り入れる」ことが期待される効果を得るポイントと考えられています。

更年期の生活習慣について、3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「大豆製品を日常に」で、豆腐・納豆・豆乳を毎日の食事に取り入れることです。理由は「エクオール産生能を持つ方にとっては原料になる」ためです。2つ目は「エクオール含有製品を検討」で、エクオールを含む機能性表示食品を選択肢にすることです。理由は「産生能のない方でも効果が期待されるとされている」からです。3つ目は「生活習慣の見直し」で、睡眠・運動・ストレス管理を並行して行うことです。理由は「補助食品だけではなく、生活全体で更年期ケアをサポートする」ためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

エクオールは「腸内細菌が作る」成分だからこそ、体内で作れるかどうかに個人差があるというユニークさがあります。大豆製品を取るだけで効果を感じる方もいれば、エクオール含有製品の補助が合う方もいます。大切なのは、重い更年期症状を抱えている場合は補助食品だけに頼らず、ホルモン補充療法や漢方薬、カウンセリングなども含めて婦人科への受診をご検討ください。

まとめ:エクオールは「腸内細菌が作る」成分

  • エクオールは大豆イソフラボンを腸内細菌が代謝してできる成分
  • 閉経後のホットフラッシュ軽減に関連するとされる
  • 「エクオール産生能」には個人差があり、日本人でも産生できるのは半数とされる
  • 産生能のない人ではエクオール含有製品が補助として選択肢になる
  • 重い更年期症状は婦人科への受診をご検討を

FAQ

Q. 自分がエクオールを作れるかどうか調べる方法はありますか?

市販の「エクオール検査キット」がいくつか提供されています(尿中のエクオールを測定するタイプなど)。エクオールをホルモン補充療法以外の選択肢として評価するレビューでも、産生能の有無を把握することが重要とされています[Utian WH, et al. S-equol: a potential nonhormonal agent for menopause-related symptom relief. J Womens Health (Larchmt). 2015, 24, 200-8.]。

Q. エクオール含有製品はどのくらい続ければ効果を感じられますか?

複数の試験を統合した分析では、エクオールの摂取を一定期間続けることでホットフラッシュ頻度の低下に関連する可能性が示されています[Daily JW, et al. Equol Decreases Hot Flashes in Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. J Med Food. 2019, 22, 127-39.]。製品・個人差によるため、最低でも数週間〜数ヶ月は継続して見ることが多いようです。

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  4. 公開

松本レディースIVFクリニック/成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員

藤井 達也 監修

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